高槻医療福祉労組 「命を守るストライキ」決行 一時金増額訴え

週刊『前進』04頁(3187号02面02)(2021/03/22)


高槻医療福祉労組
 「命を守るストライキ」決行
 一時金増額訴え

(写真 スト突入集会でまとめの発言をする冨山玲子書記長【3月8日 大阪・高槻市】)

医療・介護現場から根底的決起

 3月8日、大阪府高槻市で四つの医療関係法人の労働者を組織する高槻医療福祉労働組合(組合員数約360人)がストライキに決起しました。
 当日、高槻市富田町の富田町病院を中心に、27人の組合員が8時30分から9時30分まで始業時1時間のストに入りました。病院施設前でのストライキ突入集会には支援も含めて50人が結集。ストに決起した組合員が次々と病院から出てくると歓声が上がりました。
 集会で村山裕子委員長は「私たちの病院は地域住民と労働者が一緒に建てた。新自由主義経営に変わる中で、その理念が失われ始めている」「労働者を軽視する経営では地域医療も命も守れない」とストの意義を提起。続いて小田義和副委員長が、京都・堀川病院の早川一光元院長のご家族である西沢いづみさんのメッセージを読み上げました。
 連帯あいさつの最初に、八尾北医療センター労働組合の灰垣美佐子書記長が「私たちも民営化と闘って労組の自主管理で病院を維持している。地域医療を守れるのは労働組合だけだ」と力強く発言。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の仲間は、2010年に139日間のストの末に生コン業界の労働条件を改善させたことに触れ、「労働者の最大の力であるストライキをよみがえらせていこう」と呼びかけました。
 最後に冨山玲子書記長が「コロナの中で感染リスクと闘いながら働いている労働者に対して、1・0カ月にも満たない一時金は到底納得できるものではない。この1年間の闘いを通じて、コロナ対策は現場労働者が声を上げてこそ実現できるとつかんだ。医療と介護を社会保障として取り戻そう!」とまとめました。
 集会後に病院前でシュプレヒコールを上げ、始業時1時間のストは終了です。他法人の医療・介護現場からも組合員がストで駆け付け、素晴らしい団結を感じさせるものとなりました。

執行部は全日のスト行動を貫徹

 その後、執行部は全日ストに決起し、高槻市への申し入れ行動に立ちました。午後からの記者会見には朝日新聞など大手4社が参加し、1時間以上も質疑応答が続きました。村山委員長は「地域医療の現場はコロナ以前から厳しい状況。医療現場から声を上げない限り、この現状は変わらないという思いで、ストライキで闘ってきた」と報告。記者は熱心に聞いていました。翌日の新聞などの報道は瞬く間に全国に拡散し、大反響を呼びました。
 コロナ禍の中、命がけで命を守ってきた医療・介護の労働者が低賃金を強制される一方、医療コンサルタントや製薬会社は巨額の利益を得ています。公的医療を破壊し民営化と労組破壊に突き進んできた自民党や維新の会を打倒するときです。高槻医療福祉労組はその号砲を鳴らしました! 全国の職場で闘いをつくり上げましょう!
(北摂労組交流センター・野口彰)
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