香港 民主活動家4人を奪還 弾圧に抗議し裁判所包囲

週刊『前進』04頁(3186号03面04)(2021/03/15)


香港
 民主活動家4人を奪還
 弾圧に抗議し裁判所包囲

(写真 深夜、保釈された仲間たちを迎えるために西九龍裁判所前に集まった人々【3月5日】)

 香港国家安全維持法で逮捕され、2月28日に一斉起訴された民主活動家47人の初公判が、3月1日から4日まで被告を分けて4回にわたって行われた。香港の労働者市民は4日連続で西九龍裁判所を包囲し、弾劾と被告激励の行動に立ち上がった。
 この闘いは裁判所を揺るがし、追いつめられた裁判所は4日に47人の被告中、15人の保釈を認めた。律政司(香港の法律行政を掌握する官庁で、検察業務も担う)はただちに高等法院に控訴したが、4人(林景楠氏、劉偉聡氏、楊雪盈氏、呂智恒氏)に関しては控訴をあきらめ翌5日夜に釈放となった。残り11人は高等法院での翌週の審議をへて判断するとしている。
 北京では3月5日から第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が始まった。11日まで続くこの会議の主要な議題の一つは、香港の立法会の選挙制度改革だ。「愛国者(親中国政府派)のみが議員になれる」として立候補者の審査制度を設けるとともに、議席数も変更し、民主派が絶対に多数派になれないばかりか当選することさえ不可能な選挙制度に変更しようとしている。香港から民主派を一掃するための今回の大弾圧と一体の攻撃だ。
 だが、この二つの大攻撃に屈せず決起した今回の香港労働者民衆の闘いは、保釈を認めさせたことにも明らかなように、一歩ずつ香港政府と中国政府を追いつめているのである。全人代での香港選挙制度の変更も、中国スターリン主義・習近平政権のあまりにも余裕のない姿を示している。攻撃の凶暴さは、まさに弱さの露呈であり、そのことを香港の労働者民衆は闘いの中でつかみつつある。
 そしてこの香港の労働者民衆の切り開いている地平は、一方で中国本土の労働者民衆の決起を促し、ミャンマー、タイ、インドなどを始めとするアジアの大激動を一層促進していく。今こそ日本の労働者、学生、民衆も、時代の激動をわがものとし、国際連帯を貫いて共に闘う時だ!
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