3・28芝山現地闘争へ第3滑走路計画撤回せよ住民と連帯し怒りの大デモを

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週刊『前進』04頁(3186号03面01)(2021/03/15)


3・28芝山現地闘争へ
第3滑走路計画撤回せよ
住民と連帯し怒りの大デモを

(写真 団結旗開きに先立ち三里塚反対同盟を先頭に南台農地からデモに出発【1月10日】)

 三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける3・28芝山現地闘争に大結集しよう。「空港機能強化・第3滑走路建設は予定通り進める」と言い張る成田空港会社(NAA)を絶対に許さない。反対同盟、空港周辺住民、全国の労農学人民の力を合わせ、成田を廃港へと追い込む時は今だ。(要項1面)

成田空港を今こそ廃港に

 反対同盟が3・28闘争の集会場貸し出しを申請したところ、芝山町は「成田空港をめぐるこれまでの経緯に鑑み、貴団体が本行事を行うことにより管理運営に不安が生じる」として却下した。
 相川勝重町長による、憲法第21条「集会・結社・表現の自由」をあからさまに踏みにじる集会妨害だ。だが「不安」とは、廃村化攻撃への住民の激しい怒りと反対同盟の闘いが結合することに対する町長自身の不安にほかならない。「今だけ、金だけ、自分だけ」の新自由主義に身をゆだね、町を空港に売り渡す裏切り者、相川町長(元反対同盟員)を許さない。貸し出し拒否は必ずや墓穴へと転化する。
 芝山現地闘争は第一に、空港機能強化策(①B滑走路1千㍍延伸、②第3滑走路建設、③飛行時間延長〔朝5時〜深夜0時30分〕による殺人的騒音)を地域住民と共に粉砕する闘いだ。機能強化が実行に移されれば、芝山町を中心に1100㌶の区域の集落・田畑・山林・水系が無残に破壊され新滑走路にされ、芝山町の3分の2が耐えがたい騒音下に置かれる。
 機能強化を進める根拠とされるのは、国の観光立国政策と国土交通省の右肩上がりの航空需要予測だ。2030年には訪日外国人観光客6千万人を呼び込むために、年間発着回数50万回が必要だと言う。だがそんな夢想は完全についえた。
 昨年の世界の航空需要は65・9%減。ほぼ3分の1に縮小した。成田の2020年の国際線旅客数は726万5507人。前年と比べて80%減であり、5月開港の1978年を除き過去最低だ。一昨年までの空港の賑わいがバブルでしかなかったことを、コロナショックは容赦なく暴き出した。今後、回復することなど到底ありえない。

市東さんの農地守り抜く

 スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんら若い世代が提唱する「飛び恥」運動(化石燃料を浪費し大量の二酸化炭素を排出する航空機という移動手段を忌避)や学校ストライキは、世界に拡大している。フランスのシャルル・ドゴール空港をはじめ、多くの大空港の拡張計画が見直しに追い込まれている。グレタさんは、実力デモに立つインド農民への連帯メッセージも発信している。敵は一つだ。3・28は世界とつながる国際連帯闘争だ。
 第二に、3・28で成田市天神峰の市東孝雄さんへの農地強奪強制執行を阻む闘いを、周辺住民と共に作りだそう。
 「土地収用法」に基づく事業認定はすでに期限が切れ、農地の強制収用は法的には不可能になっている。反対同盟が「空港絶対反対」を掲げ不屈の闘争を貫いてきたからだ。
 そこでNAAは卑劣にも、耕作者である市東家に無断で底地を買収し、農地法を悪用して民事訴訟に訴えて土地の明け渡しを迫るというアクロバット的な手法を繰り出してきたのだ。だが裁判の中で、NAAこそが違法脱法、文書隠しなど悪事の限りを尽くしてきたことが明るみに出された。「農地死守」の正義はいっそう鮮明となった。
 機能強化によって追い出しを迫られる周辺住民は、市東さん農地決戦に熱い注目と支持を寄せている。なんとしても勝利しよう。
 1月21日、千葉県は成田空港周辺9市町を「国家戦略特区」に指定するよう国に提案した。その中身は、農地法の適用を除外し、農地を貨物倉庫等に転用することを容易にするというもので、市東さんにかけられている攻撃と同じだ。この闘いに日本農民の未来がかかっている。最高裁署名を集め、市東さんの農地を全力で守り抜こう。
 第三に、3・28は改憲阻止・菅政権打倒の闘いだ。成田は有事=戦争の際の米軍・自衛隊の兵站(へいたん)拠点と位置づけられている。日本の軍事予算は7年連続で過去最大を更新。菅政権は「敵基地攻撃能力」保有を進め、侵略戦争のできる国づくり、改憲への道をひた走っている。今こそ「反戦・反権力のとりで」三里塚の真価を発揮しよう。成田の軍事使用を許さず、戦略特区に名を借りた東アジアの巨大貨物基地化=兵站拠点化を阻もう。
 第四に、空港で働く労働者がコロナショックで苦境に立たされている。空港関連企業の97%が事業継続に不安を持ち、70%が事業縮小・撤退を検討している。空港内には専用のハローワークが開設されている。「機能強化を白紙撤回し、労働者の雇用・生活保障を」の声を空港労働者が住む芝山町に響かせよう。
 実力闘争の思想と実践を職場・キャンパスでよみがえらせ、3・28芝山大デモに繰り出そう!
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