ロジテム九州で第２波スト
　「名ばかり正規」の現実に怒り

　１月21日、合同労組レイバーユニオン福岡は、ローソン配送を請け負う「株式会社ロジテム九州」に対して、「退職金支払い、未払い残業への謝罪」を求めて当該Ａ組合員を先頭に、昨年10月に続く第２波ストライキに立ち上がりました！
　ロジテムはもともと三菱自動車の自動車納入を請け負う配送会社でしたが、次第にローソンへの配送業務を拡大し、それが事業の柱になっていきました。
　ローソン配送はＡさんたち非正規職労働者（「社員Ｂ」）が担い、定期昇給も諸手当もなく、ボーナスは「有給休暇の代わり（！）」と寸志のみでごまかされる無権利状態を強いられてきました。
　業務は、福岡から宮崎―鹿児島を回る９００㌔近いコースを、過積載が常態化する中で１日14時間かけて回るという過酷なものでした。どれだけ働いても「日給１万円」の固定残業代制度で長時間の未払い残業が強制され、少しでも早く帰るためにドライバーは休憩も取らず車中で食事を済ませながら働いてきました。
　安倍前首相が「非正規という言葉をなくす」とうたって推進した「働き方改革」を受けて、ロジテムは２０１７年にローソン配送の労働者を「社員ＡＬ」という新職種に転換させ、「正社員にした」と豪語しましたが、実態は今まで通り定期昇給も諸手当もない「名ばかり正規」そのものでした。
　「正社員なのに定期昇給もないのはおかしい！」。Ａさんの元に同僚から相談が寄せられ、11月の団交で追及しましたが、会社は「社員Ａ（自動車関連の正規雇用）と社員ＡＬは違うから同じ待遇にする必要はない」と「名ばかり正規」の実態を居直り、「今後は社員ＡＬを雇用の基準にしていく」と言い放ちました。正規雇用を縮小・廃止して「名ばかり正規」を拡大し、総非正規化していくということです。
　結局、コンビニ配送を自動車に代わる「事業の柱」にすることは、労働者を一生低賃金・無権利に固定化して企業収益を確保するということに他なりません。長年働いてきたＡさんたちへの「退職金なし（涙金の特別功労金のみ）」も、労働者を徹底的に搾取することでぼろもうけするコンビニ配送という業態の本質を表しています。
　１・21ストライキはこうした「名ばかり正規」拡大に怒りを燃やし、「総非正規化粉砕・非正規職撤廃」を合言葉に敢行されました。ストライキ過程でＡさんは一貫して組織者として登場し、「何か問題があれば、どんなことでも自分のところへ来てほしい。３月に退職した後も自分は闘いを継続する」「労働者は泣き寝入りせず、労働組合に結集して資本主義社会と闘いましょう！」と堂々と訴えました。
　Ａさんの訴えに大きな注目が集まり、多くの労働者が会社の圧力をはね返して車の窓を開けてビラを受け取り、笑顔でＡさんへの支持を表明しました。社前、駅頭で行われた全一日の闘争には組合執行部や支援の仲間、さらに新規加盟したばかりの青年労働者も総決起し、団結を打ち固めて意気軒高と闘いぬきました。
　ロジテムストを大きな転換点に、レイバーユニオン福岡はいま急速に組織を拡大し、いくつもの争議、職場闘争を開始しています。どの闘いにも労働者の腹の底からの怒りと、闘いに立つことの自己解放性があふれています。いよいよ本格化するコロナ×大恐慌情勢と対峙（たいじ）し、階級的労働運動の旗幟（きし）を鮮明に掲げて、コンビニ関連ユニオン、合同・一般労組全国協や労組交流センターなど全国の仲間とともに、これからも闘います！
（合同労組レイバーユニオン福岡・組合員Ｃ）