〝誰に責任があるのか〟 星野集会 岩井弁護士が講演

週刊『前進』04頁(3180号04面03)(2021/02/01)


〝誰に責任があるのか〟
 星野集会 岩井弁護士が講演

(写真 「医療は獄中と獄外をつなぐキーワード」だと語る岩井弁護士【1月22日 杉並】)

 1月22日、杉並区の阿佐谷地域区民センターで「星野文昭さんの獄死を許すな!講演集会」(共催/絵画展実行委、星野さんをとり戻そう東京連絡会)が開かれ、60人が集まった。1階では「星野文昭・暁子絵と詩展」が開催中だ。
 コロナのために赤池一将龍谷大学教授の講演は実現できなかったが、星野再審弁護団主任弁護人の岩井信弁護士の「国賠訴訟の現段階—誰に責任があるのか—」と題する講演で星野国賠の核心が提起され、参加者との質疑応答も含めて充実した集会となった。
 冒頭、国賠訴訟の原告である星野暁子さんがあいさつ。迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧の板垣宏さんと十亀弘史さんの出獄は「文昭と一緒に出迎える約束だった」と語り、2人の力も借りて国賠勝利を勝ち取りたいと2・8第4回口頭弁論への結集を呼びかけた。
 岩井弁護士は、裁判ではこれまで被告・国側の主張に求釈明を行い、全面的な反論を出した段階だと報告。星野さんを獄死させた責任が誰にあるのかについて、①星野さんの体調不良の原因を究明をしなかった徳島刑務所の違法行為、②巨大な肝臓がん切除手術はリスクが大きいとわかっていたのに手術を行い、術後ショック状態にあった星野さんを放置した東日本成人矯正医療センターの違法行為を追及すると語った。
 「国は、徳島刑務所にも医療センターにも責任がないと強弁している。『なぜなら刑務所だから』という主張だ。しかし、医療は刑罰ではない。受刑者だから医療水準が低くていい、手厚い看護は受けなくていいという考え方を打破していかなければならない」と語り、これが星野国賠の「最も重要な目的だ」と強調した。
 岩井弁護士は、「刑務所という密室性を医療を窓口に開放したい」「医療過誤訴訟だが、技術的な細かい議論ではなく、目的は大きな真実を明らかにさせることだ」と語り、「刑務所の中だからこれくらいでいいだろうという考え方をつくり出している社会の構造、法律の構造にも責任がある。これを視野に入れて裁判を進めていく。大きな関心を持ってご協力ください」と結んだ。
 2・8国賠裁判と法務省抗議デモに集まろう!
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