都立病院なくすな2・21集会へ 独法化は必ず阻止できる 首都を揺るがす大闘争を

週刊『前進』04頁(3180号02面02)(2021/02/01)


都立病院なくすな2・21集会へ
 独法化は必ず阻止できる
 首都を揺るがす大闘争を

(写真 緊急事態宣言を弾劾し、都立病院独法化阻止を訴え街頭宣伝【1月9日 東京都墨田区】)


 再度の「緊急事態宣言」に対し、東京労組交流センターの1月9日の錦糸町駅街宣で「都立病院独法化阻止!東京五輪中止」の2021年決戦が幕を開けた。医療介護・自治体労働者が呼びかける「都立病院なくすな2・21集会」に集まろう。都立病院独法化反対署名運動のうねりを巻き起こし、菅・小池を倒そう。

全てを医療現場に投入して命を守れ

 自宅待機を強いられたまま、救える命が日々奪われている。保健所の労働者は家に帰れないほどの過重労働を余儀なくされ、それでも入院や療養先の調整が追いつかない。これは医療崩壊であると同時に、国民皆保険制度に代表される社会保障そのものの崩壊というべき事態だ。
 いや、菅ら支配階級は医療現場で強いられるトリアージ(命の選別)の現実を意識的に放置し促進することで命を守る医療労働者の誇りを奪い、階級支配の危機を治安弾圧強化と戦争体制構築に転化することすら狙っている。1月13日の記者会見で菅が「今のままで良いのかどうか、国民皆保険」と言い放ったのは、そうした階級意志の表明だ。
 菅は入院を拒否した感染者に刑事罰も導入する感染症法改悪を狙った。これは、結核やハンセン病患者が強制隔離により人権を侵害された歴史への反省に基づく「社会保障としての医療」の根本を破壊して戦時的な治安体制に転換させる大攻撃だ。こうしたなか、杉並・田中区長は小池知事に「国や都はトリアージのガイドラインをつくるべき」との要望書を提出した。「命の選別」を行政が医療現場に求めるなど、絶対に許されない。
 コロナ禍の医療崩壊は新自由主義による民営化・医療破壊が生み出したものだ。医療労働者の「医療は社会保障だ」というストライキはこの現実を暴き、全国--全世界的な共感を呼んだ。医療労働者の団結を軸に労働者民衆が生きぬくための医療を取り戻すために闘う時だ。

公立病院つぶしが医療崩壊の元凶だ

 日本は「医療先進国」と呼ばれ、欧米と比べても感染者数・重症者数ははるかに少ないのに、なぜ「医療崩壊」なのか? その問いに対し、「民間病院を動員しろ」「罰則が必要だ」との宣伝がされている。
 だが違う。公立病院が徹底的につぶされ民営化されてきたことが医療崩壊の核心だ。日本の病院・医療機関の病床数は多いが、公立病院の数はわずか10・3%(病床数で13・5%)に過ぎない。2007年に961あった公立病院は17年には867に減少した。10年間で94の公立病院が消滅したのだ(グラフ参照)。
 うち東京都立病院の病床数は6千床あまりで、割合にして4%台だ。それすらも非公務員型の実質民営化に追いやってゼロ化しようとしているのが小池都知事の狙う都立病院独立行政法人化なのだ。また、1病床当たりの医師数はアメリカの5分の1、ドイツやフランスの3分の1に過ぎない。
 安倍政権下で「医療から介護へ、介護から在宅へ」を掲げた「地域医療構想」として医療破壊が進められてきた。医療には本来、急性期も慢性期、回復期などの区分けもない。にもかかわらず病床を四つに区分けし、急性期・慢性期病床が「余剰」だとして削減のターゲットにしてきたのだ。
 他方で、混合診療など医療の営利化が「成長戦略」として進められてきた。これらが、感染症対応や急性期に全く対応できない日本の医療の変質をもたらした。公衆衛生の中心となる全国の保健所も、感染症の世界的流行が予見されていながら、852カ所(1992年)から469カ所(2020年4月)へと半減されてきた。
 「社会保障としての医療を取り戻そう」のストライキを、医療・自治体など労働組合の決起と杉並はじめ地域住民の闘い、障害者・高齢者などの全階級的な怒りの行動に押し広げ、菅・小池を打倒しよう。コロナ特措法粉砕へ、国会闘争を全力で闘おう。

医療体制破壊する東京五輪は中止を

 東京オリンピックをあくまで強行しようとする菅・小池への怒りは、いよいよ爆発している。橋本聖子五輪相は、五輪への医療労働者の動員について「1万人程度の方に依頼をしてスタッフ確保を図っている」と述べた。医療体制が崩壊しようが、利権と国威発揚のための東京五輪には動員するというのだ。「医療現場にすべてを集中し、命を守れ」の声を巻き起こし、東京五輪を中止に追いこもう。
 小池都知事は都立広尾、公社豊島・荏原(えばら)の3病院でコロナ専用病床を1100床から1700床に増やすと表明したが、広尾病院では200人もの妊婦が転院を余儀なくされ、他の2病院でも新規入院が制限されるなど矛盾が爆発している。
 東京都病院経営本部は、コロナ感染が拡大した昨年11月、「都立病院・公社病院の地方独立行政法人への移行に向けた検討状況について」と題した報告を出した。驚くべきことに、独法化後に感染症医療を縮小再編する狙いすら見受けられる一方、「新人事制度の導入」と「財務会計・契約制度の導入」という成果主義賃金の導入が打ち出されている。これで労働者がどうしてコロナ感染症との最前線で働けるというのか!
 都立・公社病院のコロナ対応は一貫して増員なしで行われてきた。その一方で2月の第1回都議会定例会に都立病院独法化へ向けた定款の採択がたくらまれている。「人員を増やせ! 独法化をやめろ!」の現場の声を、全医療労働者と全産別、都民住民の団結した闘いとして押し広げよう。「都立病院をつぶすな!署名」はその戦略的武器だ。「緊急事態宣言」の再延長と五輪開催の破産的状況が重なるこの2―3月を勝負として、数万の署名運動に発展させよう。
 コロナ情勢下での都立病院独法化攻撃は絶対に粉砕できる。「医療を社会保障として取り戻す」労働運動を全都、全国に押し広げよう。都立病院なくすな2・21集会・デモに集まろう。
〔革共同東京都委員会〕

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コロナ感染拡大・医療崩壊!
なのに都立病院を独法化?
都立病院なくすな2・21集会&デモ
 2月21日(日)午後2時開会、4時デモ出発
 すみだ産業会館サンライズホール(錦糸町駅南口前・丸井ビル8階)
 *資料代500円
 主催 2・21都立病院なくすな集会実行委員会

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