香港 大量逮捕に怒りの反撃 国安法弾圧と対決

週刊『前進』04頁(3178号03面02)(2021/01/18)


香港
 大量逮捕に怒りの反撃
 国安法弾圧と対決

(写真 「暗黒の弾圧に麻痺するな!」——大量逮捕を弾劾し闘いへの決起を訴える香港職工会連盟【1月6日 香港】)

 2021年1月1日、香港の民間人権陣線が「政治犯」の釈放を求める一斉行動に立ち上がった。
 民間人権陣線は、「政治犯釈放」のスローガンと香港の労働者市民が寄せたメッセージが書かれた三十数枚の横断幕を広げて香港各地で街頭宣伝行動を行った。さらに宣伝カーで「政治犯」らが収容されている拘置所へと向かい、即時釈放をマイクで訴えた。
 香港では昨年6月末に制定・施行された「国家安全維持法(国安法)」により、昨年末までにすでに40人が逮捕されている。
 「リンゴ日報」創業者で民主活動家の黎智英氏は詐欺罪と国安法違反罪で起訴されたが、保釈が認められていた。しかし、大みそかに保釈が取り消されて収監された。
 また、昨年6月の警察本部包囲デモへの関与で、黄之鋒氏、周庭氏、林朗彦氏の3青年活動家が12月に有罪判決を受け、周庭氏は「初犯」にもかかわらず重大事件の受刑者を収容する刑務所に移送されている。さらに昨年8月に台湾に密航しようとして逮捕された12人の活動家の中国での裁判でも、12月30日に未成年の2人を除く10人が有罪判決を受けた。
 しかし、吹き荒れる弾圧に対して香港の闘う労働者民衆は元旦に断固として街頭宣伝行動に立った。国安法をものともせず、中国政府、香港政府の大弾圧を打ち破って未来を切り開く新年の闘いを宣言したのだ。
 拘置所前での宣伝カーからの訴えに対して警察は、コロナ対策を口実にした「公共の場での3人以上集合禁止」規制違反であると弾圧してきた。だが発言者が「車の上は私的な場所だ」と切り返すと、警察は何も言えなくなってしまった。参加者たちは拘置所前から不当弾圧されている「政治犯」らに堂々と新年のあいさつを送り、「香港人は五大要求を貫徹する。頑張れ!」と激励した。

労働組合が抗議行動の最先頭に

 こうした香港の労働者民衆の不屈の決起に恐怖した香港政府と中国政府は、昨年7月に民主派が立法会選挙に向けて行った予備選挙は国安法違反だとして、1月6日に民主派の前議員ら53人を、7日に黄之鋒氏と譚得志氏の2人を連続大量逮捕するという空前の暴挙を強行した。絶対に許せない。
 だが、このような弾圧は香港の労働者民衆の怒りと決起を呼び起こすだけである。香港職工会連盟はすぐさま、「政府はただちにすべての政治犯を釈放し、人権への侵害と逮捕の濫用(らんよう)をやめろ。五大要求を実現しろ」との抗議声明を発し、弾圧弾劾の街頭宣伝に立ち上がっている。
 最悪の治安立法である国安法は、根底的なところで打ち破られつつある。暴政が労働者民衆の闘いを止めることなど絶対にできないことは、歴史が証明している。それは必ずや革命につながっていく。
 不屈に闘う香港の労働者民衆と共に、決戦の2021年に躍り出よう!
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