感染拡大の元凶は菅だ! 医療崩壊と解雇・生活破壊に労働運動の力で立ち向かおう オリンピック今すぐやめろ

週刊『前進』04頁(3178号01面01)(2021/01/18)


感染拡大の元凶は菅だ!
 医療崩壊と解雇・生活破壊に労働運動の力で立ち向かおう
 オリンピック今すぐやめろ


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 〈コロナ×大恐慌〉情勢の中で「資本主義の終わり」が目の前に迫っている。労働者階級の生存をかけた歴史的選択としての「資本主義を終わらせる革命」が現実の問題となっている。アメリカをはじめとした帝国主義の支配階級は、ますます深刻化するコロナ感染拡大の真っただ中で、一切の矛盾を労働者民衆に押し付けて延命しようとしている。これに対し、すでに世界中の労働者や青年・学生が目の前で進行する事態を一つ一つ根底的にとらえ、今「何をなすべきか」を真剣に考えて実践を開始している。資本主義を打倒する革命へ、沸き起こる怒りの声を団結した力へと組織し、あらゆる職場に闘う労働組合をつくり出そう!

米の階級支配は崩壊した

 トランプ支持派の極右民兵組織や白人至上主義者、ネオナチ、退役軍人らによる1月6日の米連邦議会議事堂占拠・暴動事件は「アメリカ民主主義」なるものの歴史的破産と崩壊を全世界に衝撃的に告げ知らせた。国内外のメディアが「トランプが暴徒をあおった」(米紙ニューヨーク・タイムズ)、「世界の国が笑って見ているだろう」(米公共放送PBS)、「米国の民主主義の墜落を示した議事堂乱入事件」(韓国紙ハンギョレ)などと報じている。実際、この事件が示したものは、「自由と民主主義の国」を標榜(ひょうぼう)しながら戦後世界の基軸国として君臨してきたアメリカ帝国主義の没落とその国際的権威の壊滅的失墜であり、国内統治と階級支配の無残な崩壊である。最も大きな打撃を受けているのはトランプ自身も含む米帝支配階級だ。
 象徴的なのは、すでに労働者民衆の怒りの決起で打倒され、居座ることもできなくなった「現職」大統領トランプによって今回の暴動が扇動され、警察権力の黙認のもとで実行されたという事実だ。自分が敗北した大統領選を「不正選挙だ」と言い募ってきたトランプは、選挙人投票結果確定の上下両院合同会議が行われる6日に合わせて議事堂前に支持者らを集め、「力を示す時だ」などと扇動した。BLMデモに対しては重武装の機動隊、騎馬警官、警察犬などを出動させ、参加者が非武装であっても容赦なくゴム弾や催涙ガスを乱射するなどすさまじい殺人的暴力を繰り返してきた警察権力は、前々から予告されていたトランプ派の議事堂襲撃には何の対策もとらず、当日も議事堂への乱入を黙認した。これに全米から抗議の声が噴出し、ペンス副大統領や共和党幹部すら動揺する事態となってからようやく州兵が投入され、流血の末に騒乱が収拾されたのだ。
 トランプは「自分が扇動したのではない」などと無責任を決め込みつつ、支持者らに向けて「ありがとう。君たちを愛している」などと賛辞を贈り、さらなる〝反革命蜂起〟をあおり続けている。その根底にあるのは〈コロナ×大恐慌〉情勢下でますます高揚するアメリカ階級闘争への恐怖と憎悪だ。
 他方で重要なことは、BLM運動の中心を担ったILWU(国際港湾倉庫労組)やUTLA(ロサンゼルス統一教組)をはじめ、コロナ禍のもとで不屈に闘ってきた階級的労働運動が、トランプのクーデター的策動の前に「ゼネストも辞さない」と宣言して立ちはだかり、トランプ打倒を超えて社会の根底的変革への闘いを始めていることだ。バイデン新政権下での「融和」「国民統一」などありえず、支配階級内の分裂と対立、革命と反革命の全社会的な激突はますます非和解的に発展し、革命的情勢を成熟させつつある。

罰則導入の法改悪許すな

 全世界のコロナ感染者数は1月11日時点で9千万人を超え、15日間で1千万人増というかつてないペースで感染が拡大している。米国内では1日の感染者数が過去最多の30万人超を記録し、死者数は第2次世界大戦の米兵戦死者数約29万人をはるかに上回る37万6千人に達した(12日時点)。
 日本でも感染者数は1日あたり8千人に迫り、各地で連日過去最多を更新。重症患者の増加で医療体制が崩壊し、入院や宿泊療養、自宅療養など陽性判明後に対応措置が難航する「入院・療養等調整中」も1月9日時点で6737人と1カ月前の9・2倍になった。コロナ感染後に自宅などで体調が急変して死亡する人も急増している。
 このパンデミックの真っただ中で、菅政権はあろうことか病床削減と公立・公的440病院の再編・統合のために前年を倍する195億円の予算計上を閣議決定した(昨年12月21日)。この中にはコロナ患者を受け入れた119病院も含まれる。これと一体で、東京都知事・小池百合子は都立・公社14病院の独立行政法人化を強行しようとしている。その一方で、総勢約5千人の医師や看護師らを無償で動員する計画の東京五輪・パラリンピックについては、菅は「必ずやり切る」(米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツとの電話会談)などと公言してはばからない。まさに今、進行している事態は政府・権力者と一握りの資本家階級による「人災」なのだ。
 ここまで感染を拡大させた最大の元凶でありながら、菅は1月7日に1都3県に発令した緊急事態宣言を13日付で11都府県に拡大し、労働者民衆の行動と生活を一方的に規制することで政権の延命を図ろうとしている。多くの人々が要求する失業・休業補償や一律給付金などの対策もせず、国家権力による統制の強化だけを狙う菅に、日本中で怒りの声が沸騰している。
 そして重大なことは、18日から始まる国会で、緊急事態宣言の法的根拠となる新型インフルエンザ対策特別措置法に罰則規定を設ける大改悪が狙われていることだ。時短や休業の「要請」に応じない事業者への刑事罰のほか、立ち入り調査なども都道府県知事の権限で行えるようにする。さらに感染症法改悪案では、入院勧告を拒否したコロナ感染者にも刑事罰を科すことが政府から出されているが、入院したくても病床が足りない現実は何一つ解決されていないのだ。
 これに対し、労働者民衆の怒りと行動は緊急事態宣言下の重圧をはねのけて高まりつつある。18日の国会開会日闘争、都立病院独法化阻止闘争を闘いぬき、あらゆる職場・地域で怒りの声を結集する階級的労働運動をよみがえらせよう。

資本主義打倒する闘いへ

 〈コロナ×大恐慌〉情勢は、資本主義始まって以来の人類史的な大転換期の到来を意味している。新自由主義のもとで社会を破壊しながら延命してきた資本主義・帝国主義に対し、プロレタリア世界革命をもって断を下すべき時がきた。
 「資本主義はもう終わりだ」「人類の存続は資本主義と相いれない」ということは、すでに世界中の多くの人々が認識し、口々に語っている通りである。問題は、だれが、どうやって資本主義を終わらせるかだ。
 国境を越えて団結した労働者階級こそ、この人類史的事業を担いぬく存在だ。そして本紙新年特別号政治局アピールで明らかにしたように、革命的情勢を本物の革命に転化するためには、「旧来の政府を打ち砕くに足りるほど強力な革命的大衆行動を行う革命的階級の能力」が必要である。そしてそれは「大衆の政治的経験」を通じて初めて獲得される。とりわけ日本では1980年代の国鉄分割・民営化以来、「特別に」大きく後退した労働運動の現実を打ち破り、この時代に本当に通用する中身をもった階級的労働運動をよみがえらせることが不可欠だ。この困難だが無限の可能性に満ちた闘いを、11月労働者集会を呼びかけた3労組と共にやりぬこう。ここで徹底的に勝負し、階級的団結を組織することなくして革命はありえない。
 そのためにマルクス主義の党、反帝国主義・反スターリン主義の革命党として、革共同の飛躍と強大な建設をかちとろう。労働者を信頼し、腹の底からの資本主義への怒りでどこまでも燃え立ち、職場から闘いを組織しよう。職場細胞を基礎とした産別委員会と地区党の建設を進めよう。
 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧を粉砕し、勝利者として奪還をかちとった板垣宏同志、十亀弘史同志に続き、須賀武敏同志、大坂正明同志を奪還しよう!

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