動労総連合が定期大会 ワンマン化阻止へ闘争態勢

週刊『前進』04頁(3175号02面03)(2020/12/21)


動労総連合が定期大会
 ワンマン化阻止へ闘争態勢

(写真 川崎昌浩書記長が答弁で「あきらめずに闘うことが重要」と強調した【12月6日 茨城県土浦市】)

 動労総連合は12月6日、茨城県土浦市内で第35回定期大会を開いた。
 JRは大赤字を逆手にとって大合理化に突き進み、「労組なき社会」のもとで労働者の権利を奪う攻撃をさらに激化させている。
 他方、動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同が呼びかけた11・1労働者集会は、「闘う労働組合の全国ネットワーク」の形成に本格的に踏み出した。この課題に真正面から挑戦する方針を、動労総連合は今大会で確認した。
 大会直前には動労西日本がJR西日本の一時金削減に対して絶対反対のストライキに立った。動労千葉は、内房線などで動物との衝突が頻発している事態に対し、衝突の危険がある場合は徐行運転することを、組合の統一方針として打ち出した。これは、動物との衝突対策もなしにJR東日本が強行しようとしている内房線、外房線、鹿島線のワンマン化を絶対に阻止するための闘いだ。
 大会であいさつに立った田中康宏委員長(動労千葉)は、いったん合意した協約を破棄して一時金を切り下げたJR西日本を典型に、JRはコロナを口実に国鉄分割・民営化以来の大合理化を強行していると弾劾した。また、動労総連合は様々な困難に直面しつつ必死に闘っているが、「その困難は単に資本の攻撃が激しいからだけでなく、労働運動の存在がないかのようにされていることがもたらした」と喝破した。この現実を覆すために開かれた11・1労働者集会の意義を改めて強調し、国鉄分割・民営化と対決してきた動労総連合の営々たる闘いの中に、労働運動再生の可能性があると力説した。
 さらに、コロナで世界経済が急速に収縮する中、米中対立をはじめ戦争が急速に引き寄せられていることに警鐘を鳴らした。そして、来年3月のダイヤ改定阻止を当面の焦点にJRの大合理化と対決し、それらすべての闘いを組織拡大の一点に集約しようと呼びかけた。
 川崎昌浩書記長(動労千葉)が運動方針を提案した。①コロナに乗じたJRの分割・民営化以来の大合理化攻撃との対決、②国鉄1047名解雇撤回へ国鉄闘争全国運動の発展、③ストライキの復権をかけた21春闘、④労働運動再生—「闘う労働組合の全国ネットワーク」の形成、⑤改憲・戦争阻止—菅政権打倒の闘い、⑥組織強化・拡大——を軸とする闘争課題を打ち出した。川崎書記長は、コロナにより社会が崩壊しつつある時だからこそ、これまでの発想やありかたを超えて立ち上がれば、労働運動復権のチャンスはあると力説した。
 討論では、動労千葉の代議員が、動物との衝突対策を求め、組合の統一方針として減速行動に入ると自信に満ちて報告した。動労水戸の代議員は、常磐線全線開通で労働者に被曝が強いられている現実への怒りを示し、水戸線のワンマン化阻止へ闘う決意を語った。
 非正規職解雇と闘う動労総連合・新潟や動労神奈川の青年代議員は、コロナで大失業攻撃が吹き荒れる今の情勢の中でこそ、あくまで解雇撤回を貫くと表明した。さらに各単組の代議員が、1枚のビラに労働者を獲得する力があること、宣伝行動を粘り強く貫徹することの重要性などを、実践を通してつかんだ教訓として語った。
 総括答弁に立った田中委員長は、「社会には巨大な矛盾があるのに、資本家と労働者の間の階級対立はないかのようにされている」と指摘し、「階級性を研ぎ澄ませ、労働者階級全体を前進させる立場から闘いを考えることが、時代に通用する労働運動をつくり出す」と訴えた。
 全国から集まった代議員は新たな決意を固め、動労総連合は来年3月ダイヤ改定―21春闘に向けて闘う態勢を確立した。
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