入国時「隔離免除」 感染爆発は必至 東京五輪 医療崩壊でも強行

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週刊『前進』04頁(3174号03面03)(2020/12/14)


入国時「隔離免除」
 感染爆発は必至
 東京五輪 医療崩壊でも強行


 政府は12月2日、東京五輪に向けた新型コロナウイルス対策の中間整理を発表した。感染拡大をよそに、あくまで五輪開催を狙う許しがたい内容だ。
 来日する選手は、出国前の陰性証明書を提出することなどを条件に、現在入国者に求めている14日間の隔離措置が免除される。入国後は原則として4~5日ごとに定期検査を行う。来日する観客についても「同程度の防疫措置」とし、接触確認アプリ「COCOA」導入などを検討する。
 選手、チームスタッフは約200カ国、2万5千人。海外からの観客はチケット販売数から推計すると最大100万人。国内では445万人である。
 43カ所の競技会場は9都道府県にまたがり、海外の選手団を受け入れるホストタウンは全国で510自治体。そのうち事前合宿地は全国100カ所超だ。
 100万人が隔離措置もせず、国内外の観客500万人以上が全国を移動する。陰性証明書や接触アプリでどうこうなる話ではない。感染拡大は必至だ。
 何よりも五輪開催は医療崩壊に追い打ちをかける。大会では地元の病院や都立病院などを「指定病院」とする。各会場に医務室を設けるが、医療スタッフは1万人以上も必要とされる。選手村にも保健所や発熱外来を設置する。医療現場は「現在の状況が続けば、五輪なんて開けるわけはない」「五輪に使うお金があるなら、医療スタッフの増員にまわしてほしい」(朝日新聞)と訴えている。
 だが菅政権は、五輪をインバウンド(訪日外国人)回復の「起爆剤」と位置付け、「コロナに打ち勝った証し」と言い放っている。「GOTOキャンペーン」同様、人の命より金もうけなのだ。五輪にはすでに3兆円超が費やされ、延期に3千億円以上が追加される。医療費や公務員賃金を削って、五輪にしがみつく菅や都知事小池を倒し、五輪を中止に追い込もう。
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