団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3173号04面05)(2020/12/07)


団結ひろば 投稿コーナー

原発やめろ、今こそ命を守れ
 福島・星野文昭さんを取り戻す会 坂口郁子

 11月22日夜7時頃、突然の地震にギョッとしました。私の住む福島でも震度4もあり、3・11を思い出してしまったのです。しかも震源地は茨城県沖。東海村では震度5弱だったとのことで東海第二原発に事故があったらと思うと、いても立ってもいられない気分になりました。東海原発では30㌔圏内の避難者は96万人にもなると聞いています。万が一のことがあればそのほとんどが重大な被曝を避けられないことは福島を見れば明らかでしょう。
 おりしも菅政権は2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを表明、一気に原発再稼働の動きが加速しています。つい先日には宮城県の女川原発の再稼働同意が発表され、新潟では原発地元の柏崎市長に推進派が当選しました。いずれも隣県のことなのに福島県知事は記者会見で「何も申し上げることは無い」と容認してしまっています。
 しかし、希望の牧場の吉沢正巳さんは単身宮城県庁に乗り込み弾劾の声を上げました。そうです。この状況に声を上げなければ、今までの原発反対の声は何だったのでしょうか。「二度とフクシマを繰り返させない」----それが福島県民の責任であり権利だと思います。そして、それが「人間が人間らしく生きる社会」をめざした星野文昭さんの思いでもあり、励ましてくれていると私は思います。
 廃炉は先が見えず、汚染水は多くの反対があっても福島の海にたれ流そうとする。問題を何も解決できない電力会社や国に命を預けることはできません。私たちの子どもたちや連綿と続くその子どもたちの命と未来を守る闘いに立ち上がりましょう。
 10年目の来年3月11日を怒りの日として闘いましょう。

都立病院つぶすな!と集い
 多摩連帯ユニオン書記長 加納敏弘

 多摩連帯ユニオン根岸病院分会は7月から「都立病院をつぶすな!署名」に取り組んでいます。都立病院のあるJR西国分寺駅と小田急多摩センター駅前の街宣行動を中心として、都立病院の労働者と連帯しながら、署名を積み上げ、小池都知事への提出行動にも参加しました。
 10月25日、国分寺市内で「都立病院をつぶすな 医療従事者と住民のつどい」を開催しました。医療福祉労働者をはじめ30人の参加で成功をかちとりました。ふくしま共同診療所医師で国分寺本町クリニック院長の杉井吉彦さんが、「公立病院と医療〜民営化は何をもたらすか」と題して、講演を行いました。
 杉井さんは「コロナのパンデミックは予想されたにもかかわらずPCR検査を抑制した。経済を回すために感染を広げる条件をつくってしまった」「国の医療費の抑制と自己負担の増加が、診療報酬の低下と医療を受けられない人の増加につながっている」と弾劾した上で、「民間だとやはり経営をどうするかとなる。医療の立場から最も良いところを出せばとはならない。大阪でも医療技術の低下や癒着が起きた。民営化がいかに良くないかということだ」と批判しました。
 西国分寺にある根岸病院の看護師で根岸病院分会の徳永健生分会長が署名活動をアピール。徳永分会長は「民営化されると病床の回転率がすべてに優先する」と自らの経験に基づいて弾劾し、「署名をもっと広げよう」と訴えました。
 質疑応答の中では、「小池都知事の民営化に対して反対する議員は、都議会にはいないのか」という質問が出て、杉井さんは「都議会の議決はされておらず、まだ何も決まっていない」と答えました。
 現場の労働者は圧倒的に反対しています。団結して闘えば民営化は阻止できます。

不当判決許さず関生と共に
 関西合同労組 S

 10月8日、関西生コン支部への弾圧で初めて大阪地裁で判決が出た。台風接近の雨の朝、200人以上が傍聴券の抽選に列を成した。20人しか入れないと聞き、「当たる気せえへんわ」と言い合っていたら当たってしまった。みんなにすげーすげーと言われながら、手を振って法廷に入った。入ると緊張した。裁判長が「懲役2年6カ月、執行猶予5年」と言った。
 私は法廷から出てやっと〝不当判決〟という言葉を理解した。外は雨がまだまだ降っている中、街宣が続いていて、みんなの怒りがすごかった。「こんな判決が出るなんて心が折れそうです」と話す女性もいた。だけど頑張ると。弁護士先生も「即日控訴した。無罪を勝ち取るまで闘う!」と元気に宣言した。
 Nくんが「裁判所が労働運動や労働三権を知らないという論になりがちやけど、裁判所は知っててやってきてるんですよ、うん」と教えてくれた。
 そう、あっちは知ってる。オリンピックも都構想も原発も基地も戦争さえも、アスリートのため市民のため住民のため国民のためと、ニコニコしながら実は自分たちの巨万の富と権力のために牙をむいて強行しようとするのと同じ。職場では経営が社員のみなさんのためと言いながら、自分たちの金もうけのために私たちをタダ同然かつ合理的に使い捨てようとしてくるじゃないか!
 私は今まで関生さんてすごいなとばかり思っていた。だけど、スゴイスゴイという称賛より大事なことは、どんなにちっぽけでも共に闘うこと。どんなにちっぽけでも私が関合労の分会として貫くことを、関生さんと共に闘うと言っていいよね! きっと、関生さんのミキサー車のパレードを見る日が来る。そう、思った。

作業内容を改善させた同志
 東北 沢野浩康

 S同志は、私と同じ地区委員会に所属し、食品を扱う倉庫で働いています。
 私たちの地区委員会では、これまで同志たちの働き方に関心を寄せず、よく知らないまま労働組合運動をつくろうとしていたことを反省し、それを共有する努力を始めています。
 その中で、S同志が、仲間とともに食品の在庫管理における「先入れ先出し」原則の柔軟な運用をかちとり、働きやすい職場にしていたという事実を初めて知りました。
 「先入れ先出し」とは、食品などで先に仕入れた商品を先に出庫してロスを少なくする在庫管理の基本的なルールですが、手間がかかり、労働者の負担が大きいものです。たとえば、商品が入荷したときに、出庫しやすくするため、積み上げた在庫の一番下に入庫するなどの手間がかかることになります。
 S同志の職場でかちとった柔軟な運用の例を一つ挙げます。たとえば、1ケース12個入りの冷凍コロッケの在庫が、10月31日入荷のものがバラ6個あり、11月4日入荷のものが10ケースあったとします。コロッケ12個の注文があった場合、11月4日入荷の1ケースを出荷する、というものです。11月4日入荷の1ケースからバラ6個を取り出し、31日入荷のバラ6個と一緒にするという手間が省け、かなりの負担の軽減になることがわかると思います。こういう運用を職場の仲間とともに管理職に要求しかちとっていたのです。
 倉庫で働いたことのある私にはこんなことができるんだとびっくりしました。

圧巻の『地球が燃えている』
 相馬 修

 『地球が燃えている』(大月書店、2020年11月16日初版)は『ショック・ドクトリン』の著者ナオミ・クラインの『On Fire』(19年刊)の全訳である。「On Fire」とは火がついて燃えているという意味で、「燃えているのは、私たちの共通の家、この地球である」(344㌻ 訳者解説)。
 「『社会主義か、絶滅か』。これはかつてないほどラディカル化したナオミ・クラインによる革命の書だ!」という斎藤幸平のコメントが裏表紙にある。
 グリーン・ニューディールという政策提言だが、その内容は世界革命によってしか実現できない。本書は資本主義そのものを廃絶すること抜きに地球と人類そのものを維持することができない段階に入っていることを衝撃的に突き出した。
 「物語のはじまりは、アフリカから盗み出された人々(奴隷)と、先住民から盗み取った土地(植民地)である。この二つの残忍な収奪の慣行は、目がくらむほどの巨大な儲(もう)けを生み出し、その結果生じた余剰資本と動力によって化石燃料主導の産業革命の時代の幕が開き、それに付随して、人間の活動が招いた気候変動も始まった」(28㌻)。
 地球温暖化と環境破壊の根源が奴隷制度と植民地支配から始まり、新自由主義によって加速している。あと10年以内に地球破壊の根源を根底からひっくり返さなければ、人類史そのものが崩壊するという立場に立った根底的な提起だ。
「汚染と貧困、人種差別、植民地主義、絶望のすべてを相手にして同時に立ち向かう全面戦争が必要になるだろう」(64㌻)
 環境破壊との闘争を帝国主義・新自由主義との全面戦争と位置付けている点で、読者を圧倒してやまない。

米史上最大の抗議運動学ぶ
 東京 前川洋子

 10月25日に行われた改憲阻止!大行進中部・南部の会による「米国史上最大の抗議運動」の学習会に参加しました。
 大坂なおみさんが、警察官に殺害された黒人の名前を入れた7枚のマスクで、全米オープンテニスを勝ち上がっていったことを今でも鮮明に覚えている一方、私たちは、黒人に対するアメリカ警察官の暴虐の実態を実はあまり知らないのではないかと思うのです。
 F・Cさんのリポートを聞いて、私自身、キング牧師の公民権運動の勝利以降の歴史認識が止まっていて、黒人差別はアメリカではもうないと考えていたことを恥ずかしく思いました。世界史の教科書やハリウッド映画の中の黒人たち、ポップミュージックや現代美術に登場するのは、特別な〝成功した〟黒人であって、〝普通〟の黒人は日々の生活の中で警察官の暴力の脅威にさらされていることが分かりました。
 また、警察官は過剰なまでの重装備でライフル銃や自動小銃で撃ってくる。特に黒人をターゲットにして。これらは、LESO―1033といわれる法的プログラムにより、イラク戦争以降に米軍から払い下げられたもので、豊富で多様な武器類です。民主党政権下でも変わらない政策なのです。
 私立の刑務所も乱立し、ゆとりのある収容者人数に乗じて黒人を次々ぶち込んで働かせ収益を得るという、黒人を食い物にする施設となっているそうです。今や全黒人の3人に1人は逮捕歴を持っていると統計上の数字があるそうです。
 驚きの連続の学習会でしたが、ニューヨークのブルックリン橋が抗議デモの群衆であふれていたのが希望の光でした。

星野・大坂・香港を訴え街宣
 星野救援会 S

 11月24日夕方、JR徳島駅前で星野・大坂・香港の街頭宣伝を行いました。
 11月23日の星野全国集会の日に、香港では黄之鋒氏(24歳)、周庭氏(23歳)、林朗彦氏(26歳)に有罪判決が下され、収監されました。3青年は獄中でも闘争継続を宣言しています。
 「犯罪」とされたのは「逃亡犯条例」改悪反対デモで「逮捕された青年らの釈放を求めて、警察本部に行ったこと」だと言われています。敵に奪われた仲間を労働者が取り戻しに駆け付けること、それを団結と呼ぶのか? 「犯罪」と呼ぶのか? 労働者はまさに団結と呼び、スターリン主義者たちは「犯罪」と呼びました。
 労働者の救援運動は、本来救済運動ではなく、国境を越えて労働者階級が団結力を発揮する階級闘争の一環そのものです。それゆえ、帝国主義と一国社会主義を打破する闘いになります。まさに、全泰壱(チョンテイル)精神の継承、星野精神の継承が貫かれています。それはシンプルです。「世界中で労働者は一つ」、だれもが当たり前のように反帝国主義・反スターリン主義の気持ちを持っているのですから。
 私たちはマイクで「日米安保条約による沖縄のアメリカ軍基地、この撤去を求めて闘った星野文昭さん、大坂正明さんの無実を訴え無罪を求める署名を集めています。昨日の香港の民主化デモの青年たちの釈放も求めています」と訴えました。
 家路を急ぐ女性労働者からカンパが寄せられました。高校生も香港の青年たちの闘いに注目していました。

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