処分撤回!キャンパスを解放区に! 12・10京大集会に大結集を 全学連中央執行委員会

週刊『前進』04頁(3173号03面01)(2020/12/07)


処分撤回!キャンパスを解放区に!
 12・10京大集会に大結集を
 全学連中央執行委員会

(写真 昨年12月10日の京大処分撤回集会で、被処分者を校外退去させようとする当局職員を学生の団結の力で撃退)

(写真 全学連が京都・河原町で学費無償化を求める行進を行い、若者を中心に多くの注目を集めた【11月22日】)


 12月10日に京都大学で開催される「京大処分撤回・阻止12月緊急集会」への結集を呼びかけるアピールが全学連中央執行委員会より発せられました。全国から駆けつけ、京大生とともに声を上げよう。(見出しは編集局)

軍事研究許さない

 京都大学の有志学生を中心とする実行委員会が、「京大処分撤回・阻止12月緊急集会」を呼び掛けている。全学連は、この集会への連帯を表明するとともに、全国の学生に集会への結集を呼び掛ける。
 かつて大日本帝国がアジアへの侵略戦争--第二次世界大戦へと向かう過程の中で、大学という空間が焦点化された。治安維持法が適用された1925年の京都学連事件(京大・同志社大)のような学生弾圧、そして33年の滝川事件(京大)のような大学人への弾圧が支配階級により行われた。その結果として、大学の自治、学問の自由が国家権力によって侵害され、大学・学問が戦争のために利用されてしまった。戦後の学生・大学人・労働者階級は、その歴史の総括から、大学・学問が一部の国家や支配階級ではなく、人類全体の発展と共存のために用いられるよう、改めて大学自治・学問の自由を再建し、これを守る闘いに立ってきた。
 しかし、凄惨(せいさん)な歴史は繰り返されようとしている。菅政権が誕生とともに敢行した日本学術会議推薦の6研究者に対する任命拒否は、まさに学問の自由を侵害する重大な踏み込みである。さらに、自民党は「自衛権」の行使範囲を明確化した改憲草案の検討を進める一方で、国民投票法の改定も狙っている。改憲論議の加速は、自衛の名目で戦争を合憲化し、日本を戦争のできる国へと転換するものだ。
 戦後の労働者階級の闘いを踏みにじり、再び非人道的な侵略行為を繰り返す支配階級の策動を、私たちは阻止せねばならない。
 大学でも、その支配権をめぐって階級衝突が起こっている。その核心は、大学改革によって大学を国家に隷従させて、戦争の道具に作りかえんとする支配階級との攻防戦だ。中曽根政権以後は、新自由主義政策の一環として大学改革が位置づけられ、大学を経済的に従属させる取り組みが行われてきた。2015年の安全保障技術研究推進制度や16年に発覚した京大・阪大の米軍マネー受け取り問題は、大学改革による大学の経済的隷従の結果として、大学が戦争のために使われるようになってきたことを示している。一方で、大学改革に異を唱える大学人や学生に対しては、激しい分断・団結破壊攻撃がかけられ、それぞれ御用学者と「労働力商品」に置き換えられていった。また、大学改革は大学のコストを学生に負担させる動きと一体であり、コロナ禍で大きな問題として明らかとなった学費の高騰が、学生の生活を圧迫している。このような大学改革によって大学の自治や学生の生き方は踏みにじられてきたのである。

15年京大反戦スト

 しかし、学生の側も黙っていたわけではない。十数年前は法政大学、そして今は京都大学から反撃が始まっている。15年に京大全学自治会同学会が行った京大反戦バリケードストライキは、当時強行採決が狙われていた安保関連法と軍事研究に反対して行われた。戦争を阻止する力があるのは、国会の議論ではなく、労働者・学生の現場の闘いだと示すことが目的だった。これに対して国家権力が6学生逮捕の弾圧を行うも、全員不起訴で奪還され、反戦ストの合法性が世に示された。しかし、学生の力に恐怖した大学当局は、ストに関わった4人の学生を停学、後に放学処分とした。ここから京大当局による処分を中心とした激烈な弾圧と、それに真っ向から対決する処分撤回運動が幕を開けた。
 京大闘争は、学生の団結体である自治会建設と、新自由主義の狙いに即した自治会潰しとの対決を軸として闘われてきた。そして、18年からのタテカン弾圧、ビラまき逮捕弾圧を通じて、ますます激烈化し、そのなかで新たな闘う主体を生み出してきた。一方、当局の側は、最先頭で闘う学生に次々と処分を振りかざし、人生の選択を迫るなかで運動からの屈服を強いてきた。それでも処分当該は不屈に闘い、「処分されても終わりではない」こと、その先にある勝利の展望を学生に示してきた。
 その最たる例が、昨年の12月に開かれた処分撤回集会であり、この集会では弾圧にやってきた職員を結集した学生が追い返し、当局のあらゆる規制を通用させない解放区=1日限りの学生の権力を京大キャンパスに樹立した。昨年の集会の成功は、これまでの処分を「解除」させる情勢を引き寄せた。この日の経験と団結は、処分当該を軸に受け継がれ、新たな仲間を獲得し、1年ぶりの今回の集会に結び付いているのだ。

処分当該と団結を

 階級闘争における弾圧の矛盾を最先頭で引き受けながら不屈に闘う処分当該と深く団結し、処分反対運動を盛り上げることで、これまでの全ての処分を撤回させ、これからの全ての処分を未然に防ぐ力が生まれる。処分という、あらゆる闘争テーマで共通して直面する鉄鎖を打ち砕いた先に、京大闘争の無限の可能性が広がっている。京大闘争の爆発は、大学の支配権をめぐる階級闘争の趨勢(すうせい)を決める。全国の大学の情勢をも塗り替え、さらには全地球規模の階級支配をひっくり返す大きな一歩となるはずだ。
 全学連は、全国の学生に呼びかける。不屈に闘う京大の処分当該を全国的陣形で支えぬき、京大処分反対運動の大爆発を勝ち取ることを。そして、その地平を自らの現場に持ち帰り、京大闘争と並立する新たな運動を全国に打ち立てることを。法大闘争で、処分者が全体のために闘い、全体が処分者のために闘ったように、京大闘争の発展は全国の大学闘争・全世界の階級闘争の発展につながり、全国の大学闘争・全世界の階級闘争の発展は京大闘争の発展を支える。京大闘争の経験は、全国の現場で必死に闘い、苦悩する学生の問題意識に応えるものがあると確信している。次なる展望をつかむため、全国の学生は、12月10日に有志学生が開催する「京大処分撤回・阻止12月緊急集会」に結集しよう。

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