団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3171号04面04)(2020/11/23)


団結ひろば 投稿コーナー

伊方原発の廃炉へ申し入れ
 徳島 仙田哲也

 11月5日、四国電力にNAZENも含めた反原発の諸団体が、さよなら原発・徳島の陣形で申し入れました。申し入れ項目は「伊方原発での乾式貯蔵施設の建設中止」「伊方3号機の廃炉」などです。伊方現地や愛媛県庁前の金曜日行動、「黒い雨」訴訟の被爆者運動への連帯を、微力ですが形にできたと思います。
 乾式貯蔵施設の建設は、「六ケ所村の再処理工場に移すまでの一時保管」が目的とされ、2024年度の運用開始をめざす計画といわれています。水槽で保管する「湿式貯蔵」から使用済み核燃料を引き上げて容器に詰め、「乾式」にして地下室に並べる計画です。
 しかし、放射線を遮断するための水槽から核燃料を引き上げるというだけで、大事故を引き起こしかねません。実際、伊方原発は、停電、部品落下、制御棒を巡る作業ミスと重大事故を続発させています。
 参加者からは「乾式施設を造れば大きな投資だ。そうしたら、その投資分を回収するために、必要なくても原発を稼働させる悪循環が起きる。それをたくらんでいるのでは?」「福島第一原発事故から10年目。いまだに帰還困難区域で家に帰れない人、墓参りもできない人がいる。そんな中で再稼働を狙うとは、人の心を踏みにじることでは?」など、矢のような質問が出ました。
 10年目のフクシマに向けて、全ての原発今すぐなくそう!の呼びかけが、多くの人の声になりつつあります。

汚染水の海洋投棄は暴挙だ
 渦森高由紀

 「水で薄めて海に流せば問題ない」----この言葉を聞いて私は身の毛がよだつ怒りと同時に、水俣病闘争を思い起こしました。
 水俣病が公式に病気として「発見」されたのは1956年です。県や国の依頼を受けた熊本大学の研究班は、チッソや行政が調査を妨害する中で、59年、水俣病の原因を有機水銀と結論付けました。しかし、当時の厚生省が、水俣病の原因をチッソのメチル水銀と認定し、水俣病を公害病と認めたのは68年です。その間、チッソはアセトアルデヒドの生産を続け、排水は海に流され続けました。
 チッソに対する怒りが高まる中で、チッソは59年12月、水銀浄化をうたって排水浄化装置「サイクレーター」を設置しました。この装置は、排水に含まれる固形物を凝集・沈殿させ水を透明化するだけであり、水銀除去機能などなかったのです。試運転段階で分かっていたにもかかわらず、完成式典でチッソ社長は「水銀は除去された」と水を飲むパフォーマンスまで演じて、安全性をアピールしました。
 福島で、東電と国によって同じ犯罪がくりかえされようとしています。水俣病の場合には、汚染物質の特定に時間がかかり、その間患者は増え続けました。福島の場合は、汚染物質が特定されています。放射性物質除去装置アルプスでは取りきれなかったトリチウムです。アルプスで処理されたトリチウム汚染水の中に別の放射性物質が残留していたことも発覚。汚染物質が特定されているのに、「問題ない」として放出することは、国家権力を総動員した暴力行為です。歴史と人民の闘いに対する冒涜(ぼうとく)です。
 決死の反対を叫ぶ福島県民・漁民と手を組み、国際連帯の力も発揮して、労働者階級の総力を結集して絶対反対の隊列を大きくつくり出していきましょう。

成長戦略で銭湯は廃業に?
 東京 伊集院勉

 行きつけの銭湯で顔なじみの男性と、菅の成長戦略の話になった。
 70代半ばのその人は、安倍が大嫌いで、銭湯に来るたびに「年金のためにためた金を、安倍が株の買い支えに使っている」「消費税や保険料を上げていっぱい取りながら、法人税だけは下げるとはどういうことだ」「金持ちだけが得をしている」と、番台のおかみさんや私にもよく話しかけてくる。
 その人に、「前進」3168号の「焦点」にあった菅の成長戦略の話をしてみた。菅の肝入りで成長戦略会議に加わったゴールドマン・サックスの元幹部デービッド・アトキンソンが「生産性の低い」「最先端技術を使いこなせない」中小零細企業は「邪魔な存在でしかない」から「消えてもらう」と言い、それに応えて菅が、コロナで個人経営の商店や飲食店の倒産・廃業が相次ぐ中で大リストラを一層進めようとしている話だ。
 するとその人は憤懣(ふんまん)やるかたない感じで感想を述べた。「それじゃあ、こんな銭湯には『生産性』なんてないようなものだから、廃業ということになっちまうかも」「地元の店もどんどん潰れてスーパーに吸収された。さみしい思いをしてきたけど、中小企業が邪魔だなんて言う奴は本当に許せないよな」----。
 銭湯は庶民の憩いの場だ。病院もそうだが低所得者の多い町にはなくてはならないものだ。その良さは「生産性」などでは絶対に測れない。それを潰すなんてありえない。その人とは意気投合し「また話そう」となったが、生活に根差した怒りがちまたにどれほどあふれているか、確信を新たにした。菅打倒へ共に闘おう!

11月集会で労働運動身近に
 首都圏・学生 M

 11月労働者集会に参加しました。集会では普段「前進」から得た知識を踏まえてアピールを聴くことで、より労働運動を身近に感じることができたように思いました。
 正直なことを言えば、実際にはまだ働いていないということもあり、紙面のみでは今行われている運動と自分とのつながりを強くは感じられずにいる節もありました。しかし集会に参加することで、現在行われている運動、それに参加している方々に対する共感も強まりましたし、これから労働運動についてもっと深く知りたいと感じることができました。
 将来私は労働者として生きていくわけですから、現在行われている労働運動について今まで以上に強い関心を寄せることができたことは、今後の私自身の糧になると思いました。
 集会後のデモにも参加しました。日常的には政治的な意見を発することができる場というものは非常に限られてしまうわけですが、デモを通してそういったものを発露することができたのはかなり新鮮な体験でした。沿道で見聞きしてくださった方々が考えを巡らせるきっかけになるとも思いましたし、デモという行動は一方的なものではなく、社会全体に双方向で影響を与えるものなのではないかと認識を改めるきっかけにもなりました。
 「前進」を読むだけに限らず、集会およびデモに参加できたことは私にとって非常に有意義でした。

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