民主労総が全国労働者大会 労働法大改悪阻止を誓う
民主労総が全国労働者大会
労働法大改悪阻止を誓う
韓国では11月14日、チョンテイル烈士50周年を迎えて民主労総の全国労働者大会が開かれた。今年の大会は、コロナ下で100人以上の集まりが禁止されている中、全国13地域、ソウル市内26カ所の拠点に分散して同時一斉に開催された。
民主労総は今、巨大財閥の利害を体現するムンジェイン政権との大決戦に突入している。パククネを打倒したろうそく革命によって政権の座についてから3年半、ムンジェインは当初の公約を全て覆し、新自由主義政権としての本質をむきだしにして労働者階級に襲いかかっている。コロナ情勢がそれを決定的に加速した。
民主労総が進めるチョンテイル3法
最大の焦点は、労働法をめぐる激突だ。この夏から民主労総は、「チョンテイル3法」の制定による労働基本権の完全確立を求めて組織の総力を挙げた闘いを開始した。
「勤労基準法を守れ!」と叫んで自らの体に火を放ったチョンテイルの決起から50年、ますます増加する非正規職労働者の現実は、今日に至るも全く変わっていない。労災事故で毎年2千人もの労働者が殺されているのに、資本は何の責任も取らない。チョンテイル3法は、①5人未満の事業所を含む全ての労働者に適用を求める勤労基準法改正、②個人事業主扱いされている特殊雇用労働者に労働三権を保障するための労働組合法改正、③重大災害企業処罰法の制定という三つの法案からなる。民主労総はこれを、国会発議に必要な10万人の署名を集めて9月に国会に提出した。
ところがムンジェイン政権はこれを無視し、逆にすでに準備していた労組法の一大改悪案を直ちに審議入りさせ、一気に強行成立させようとする方針を打ち出した。そこにはなんと、労働争議の際に組合員の職場内への立ち入りを一部または全面禁止し、争議時でなくても当該企業の従業員以外の組合員の事業場内への出入りを制限するといった条項が含まれている。労働者のストライキと職場占拠に恐怖してこれを徹底的に弾圧し、産別労組の活動を事実上不可能にして労働組合の無力化を狙うものだ。まさに「労組破壊法」以外の何物でもない。
11・14労働者大会では、この攻撃への激しい怒りが噴出した。民主労総のキムジェハ非常対策委員長は「政府のこの悪法が通過すれば、私たちが血と汗でかちとってきた闘争の成果も全て奪われてしまう。労働悪法阻止闘争こそがチョンテイル3法争奪闘争に直結する闘いだ」と声をはり上げた。全産別の代表がこぞって「絶対阻止のためにゼネストで闘う」との決意を表明。19日の民主労総中央執行委員会で闘争方針を確立し、翌週から国会前での徹夜座り込みに入ると宣言した。
闘いの先頭に立つ非正規職労働者
最も激しく怒りをつのらせ、闘いの先頭に立っているのは非正規職労働者だ。彼らは自分たちこそ「この時代のチョンテイル」であると宣言し、「私たちは機械ではない!」と、50年前に烈士が発した叫びと同じスローガンを掲げて立ち上がった。大会前日の13日にはチョンテイル烈士が眠るソウル市郊外マソクの墓地での追悼集会と並行して、ソウル市内で「人間らしく生きたい11・13チョンテイルの行進」に決起した。
チョンテイル烈士の胸像が立つ清渓(チョンゲ)川の橋の上で開かれた集会には、11日から無期限ストに突入している鉄道労組コレールネットワーク支部をはじめ、あらゆる職場で闘う非正規職労働者が参加した。現代自動車全州工場の下請け労働者はこの場で、大量の粉塵(ふんじん)が舞う職場でマスクをつけても顔全体が真っ黒になる危険な労働を強制し、労働者の命を守れという要求にも一切応じない現代資本を怒りを込めて告発した。
今や闘う労働者・労働組合への敵意をむきだしにしたムンジェインに対し、労働者階級の生存をかけた新たな大決起が始まった。この闘いと固く連帯し、日本での階級的労働運動の大前進をかちとろう。