10・31狭山闘争うちぬく 霞が関に響く再審実現の声
10・31狭山闘争うちぬく
霞が関に響く再審実現の声
10月31日は46年前、狭山事件の犯人にでっち上げられた無実の石川一雄さんに東京高裁・寺尾裁判長が無期懲役判決を出した日だ。 10月30日、杉並支部を先頭とする全国水平同盟と動労千葉・動労水戸など部落解放東日本共闘会議は、「寺尾判決とこれを今も維持している国家権力を許さない! 第3次再審で石川さんの無罪をかちとる」との決意で、東京高裁・大野勝則裁判長に対する要請行動に立った。同日、大阪で全関西狭山闘争が打ち抜かれ、31日には都内5駅頭で一斉街宣が行われた。
●高裁に下山鑑定調べ迫る
要請行動では、石川さんの悔しさと不屈の闘いに思いを寄せ、「寺尾判決に対して石川さんは『そんな判決は聞きたくない』と叫んだ。日比谷公園に集まった3万人の怒りの叫びは地鳴りのようだった」と、今もよみがえる怒りの激しさをぶつけた。そして、石川さん本人が出られず非公開で記録すら残らない3者協議を延々と続ける高裁を弾劾。「被害者のものとされ有罪の決め手となった『発見万年筆』が偽物だと暴いた下山鑑定を直ちに調べろ。再審を行え」と迫った(同鑑定は、万年筆に被害者のインクの痕跡がないことを元素レベルで証明)。
杉並支部の狭山学習会に参加した区民もそろって要請団に加わり、「証拠をねつ造した警察官は何の処罰もされない、裁判所の姿勢に危機感をもつ。理不尽だ」と厳しく批判した。参加した区民の一人は「狭山の闘いに労働者の団結をみた」との感動を語った。
要請行動に先立つ街宣では、寺尾判決糾弾!狭山再審実現!のアジテーションが霞が関に響き渡った。
●都構想粉砕も訴えてデモ
10月30日、大阪市役所近くの中之島公園駅前広場に約100人が結集し、大阪都構想粉砕と一体で狭山集会とデモが闘われた(写真)。
主催者あいさつで関西労組交流センターの赤田由行事務局長は、「大阪都構想に対する怒りが大阪市職員の中にあふれている。かつて大阪市職は狭山闘争で29分間の時限ストを闘った。都構想粉砕・狭山闘争で闘う労働組合をよみがえらせよう」と訴えた。
共に主催した全国水平同盟の久原正子委員長は、「寺尾判決の柱の万年筆は偽物。国家総がかりの権力犯罪だ。これを暴いた下山鑑定で再審を行えと労働組合に訴えよう。都構想粉砕は狭山勝利の展望を切り開き、菅の改憲・戦争攻撃を打ち破る。デモで、狭山とともに都構想反対も呼びかけよう」と提起した。
石川一雄さんの10月メッセージ「鑑定人尋問を勝ちとろう」を参加者全体で確認。全国水平同盟の高槻支部、崇仁・東三条支部、西郡支部が決意を表明し、市内デモに打って出た。
コロナの感染拡大を理由に例年の日比谷野音での10・31狭山集会が中止された。あくまで改憲を狙う菅は、権力機関の集中する霞が関での10・31闘争を、コロナに乗じて圧殺しようとしていた。このもくろみと、大阪維新の会が進める大阪都構想で労働運動・部落解放運動をつぶす菅の策動を粉みじんに吹き飛ばす闘いが打ち抜かれた。この力で労組を軸に狭山第3次再審闘争に勝利しよう。