大阪都構想にとどめ刺す 労働組合と地域の団結で勝利 社会崩壊への怒り集め逆転
大阪都構想にとどめ刺す
労働組合と地域の団結で勝利
社会崩壊への怒り集め逆転
11月1日に行われた「大阪都構想」への賛否を問う2度目の住民投票は、「反対」が多数を占めて勝利し、労働運動解体と改憲・戦争を狙う攻撃を打ち砕いた。革共同大阪市委員会の闘争総括と展望を掲載します。(編集局)
都構想の核心つかむ議論から出発
新自由主義は打倒できる! どんなに強く見える敵も、団結すれば勝てる! 本当に多くの人がこのことをつかんだ。特に全国金属機械労組港合同が闘った港区、町会長が決起した生野区などで圧倒的に反対多数となった。
今回、自民党大阪府連が分裂し、公明党が賛成に回る裏切りの中で「オール大阪」の幻想は吹き飛び、誰もが一から闘いをつくることになった。
維新は関西一円の総力を投入して都構想賛成を扇動した。当初は賛成が反対を10%ほど上回り、「今回はだめだ」という雰囲気が広がっていた。それでも賛成がじわじわ減り、反対が増えた。それは、2015年の住民投票否決以降、現場で都構想のメニューが先行実施され、すでに職場も地域も崩壊していることに対し、「もうこれ以上は許さない」と根底的な決起が始まったからだ。
闘いのスタートとして構えた8月の都構想学習会は、今までの枠を超える結集だった。「難しいことは言わない方がいい」「議会傍聴闘争を」----初参加者から意見が続出する中、都構想をどう捉えるのかにこだわって議論した。都構想とは「道州制の一丁目一番地」であり、道州制と改憲は一体の戦争国家化の攻撃だ。闘いがやまないから労働組合と地域コミュニティーを「枠ごとつぶす」ということであり、最初から矛盾だらけだ。だから、徹底的に攻めの闘いとして構えよう、絶対反対の労働組合の闘いを軸に据えよう、と意思一致を勝ち取って、闘いの火ぶたを切った。
市職、市教組の職場にこだわり闘う
大阪市委員会は、徹底的に大阪市職、市教組の職場にこだわり、その闘いでもって地域との結合を追求した。労働者の闘いが都構想の正体を暴くことを恐れた松井市長は、現場に「都構想反対運動をすることは信用失墜行為になる」と何の根拠もない処分の脅しをかけ、副首都推進局には好き放題に都構想推進の宣伝をやらせた。まさに戦時体制が敷かれた。これに最初から屈服した組合本部にとって代わり、現場で都構想―道州制絶対反対の方針を提起した。関西全域の同志が自らの闘いとして決起し、連日街宣車を走らせ、大阪市の全職場にビラを配布することを目指した。そのさなかに行われた財政支部役員選挙では本部派が都構想について一切触れない中、職場でも新たな合流が始まった。投票1週間前には、財政局から「218億円の赤字試算」が出された。有形無形のさまざまな決起が維新を追い詰めた。
地域では、町会長会、医師会、障害者団体、介護労働者など、本来政治組織ではない団体が、組織として決断し、都構想反対の闘いに立ち上がった。「中立であるべき」「政治活動をやめろ」という恫喝を乗り越えて闘った。
10月10日の地域集会では学校における「指導力不足」教員攻撃との闘いや、コロナ下での職場闘争が、地域の学校統廃合反対の闘い、介護保険制度のさらなる改悪との闘い、在日の闘いと瞬時に結びつき、「一緒に頑張ろう」とものすごい団結を生み出した。これこそが改憲阻止大行進でイメージしていた闘いだ。自治労、教労と地域の運動はもともと一体でつくられてきた。だから両方同時に潰さないと潰れないところに、維新は追い詰められた。労組において「まずは賃金・労働条件を」という議論があるが、地域全体に責任を取るからこそ団結が強くなり、敵を圧倒できる。これは階級的労働運動だからこそできる闘いだ。
松井市長・吉村知事は即刻辞任せよ
これからが本番である。労働組合の出番だ。松井・吉村は今すぐ辞任せよ! 潰した学校や病院、民営化した下水道や地下鉄、職場から去った仲間、すべてを奪い返す、全階級的な反転攻勢の始まりだ。大阪市職本部はコロナ下での様々な矛盾について触れず、責任を取らない。民営化や評価制度を推進した以上、闘わないということだ。私たちの闘いはそれに代わり責任を取るものとして登場した。職場が一変した。都構想を粉砕した喜びにあふれ次の方針を求めている。
菅は、安倍が改憲をできずに倒れたことのほころびを、維新と結託することで繕おうとしたが、全く逆のものに転化した。労働者階級全体が「反撃の時はいつか」と考える情勢に入った。その中心に階級的労働運動がすわるかどうかが勝負だ。敵は断崖絶壁だ。大恐慌と戦争情勢を正面から見据え、攻勢的にゼネストを組織する闘いをやろう。(革共同大阪市委員会)