労組解体狙う「都構想」反対 大行進大阪市の集会・デモに注目

週刊『前進』04頁(3168号01面03)(2020/11/02)


労組解体狙う「都構想」反対
 大行進大阪市の集会・デモに注目

(写真 「都構想反対の闘いで日々団結が拡大している!」。大阪市役所前集会での市職の仲間の職場報告に歓声が上がった【10月25日】)

(写真 集会後、梅田に向かって大通りを元気よくデモ。一帯が熱気に包まれ沿道や車の中から手を振り声援を送ってくれる人が多数いた)


 10月25日、改憲・戦争阻止!大行進大阪市が主催する「大阪都構想反対集会」が、大阪市役所南側の中之島公園で開催され、180人が結集した。
 集会は、全国金属機械労組港合同執行委員の木下浩平さんの司会で始まった。豊中市職の仲間が基調報告を行い、「コロナ禍で明らかになったのは新自由主義の崩壊だ。日本の労働運動は国鉄闘争を闘うことで新自由主義につぶされなかった。大阪都構想はJR大合理化と一体の労働運動解体と改憲・戦争攻撃。大阪市を廃止する最大の目的は労働組合の解体と改憲・戦争だ。絶対反対で労働組合の再生を勝ち取ろう」と訴えた。
 港合同の中村吉政委員長は、「港合同は都構想反対を掲げた自転車で街中を走っている。維新は大阪市を分割してカジノや万博の利権を進めようとしている。初めは賛成の声が多かったが、今は賛否が拮抗している。投票日までさらに色々な行動をやっていく」と発言。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の七牟礼時夫副委員長は、「89人の逮捕は当たり前の組合活動への弾圧だ。絶対に許せない。その後、4件の勝利命令が出た。共に都構想に反対しよう」と訴えた。動労千葉の繁沢敬一副委員長は、「東京ではJRの始発と終電の繰り下げ、繰り上げが始まろうとしている。11・1全国労働者集会に総決起しよう」とあいさつ。
 非正規労働者の首切りに反対してストライキを闘った関西合同労組の仲間が「都構想は国鉄分割・民営化と同じだ。非正規撤廃を掲げて闘う」とカンパアピールを行った。
 続いて大阪市職の仲間が以下の職場報告。「松井一郎市長は、現場には『都構想について意見を言うことは信用失墜行為になる』などと箝口(かんこう)令を敷きながら、副首都推進局課長は『市民を賛成に誘導する』と公言している。都構想は自治体をリセットして労働運動と地域運動をつぶし戦時体制をつくることが狙いだ」と暴露。さらに「橋下徹は、府知事就任当初は道州制に向けて『府をなくして市町村に権限移譲する』と言っていたが、『平成の大合併』や『三位一体改革』のもとで自治体はインフラも維持できない状態となり、地方から『道州制絶対反対』の反乱が始まった。そこで橋下は都構想なる破綻だらけのプランをでっち上げ、労組根絶のために大阪市役所に殴り込んできた。だが都構想反対の闘いを通じて、職場で地域で団結が拡大している。街頭は切実な反対の声だらけだ。絶対反対の怒りの結集軸が次々生まれている。その闘いの旗を立て続けるのが労働組合の役割だ。11・1労働者集会に総結集しよう」と訴えた。
 大阪市教組の仲間は、学力テストによる能力主義教育、全国初の公設民営学校開校、学校統廃合、オンラインやAIの導入など、都構想は教育破壊・民営化だと暴露。「分会会議を職場で行うことを禁止されても現場では団結を守り闘っている。人事評価制度や『指導力不足教員』攻撃に対して職場から闘いが起こっている。教育を民営化し、憲法を変えて戦争のできる国にするためには、『教え子を再び戦場に送るな』を掲げる日教組をつぶさねばならないと敵は考えている。都構想反対の先頭で闘い、闘う労働組合をよみがえらせる」と訴えた。
 さらに、奈良市従、全国水平同盟、全学連の仲間の発言が続いた。
 集会後のデモには、通りすぎる車から手を振る人もいて、とても良い反応だった。この間の街頭宣伝や練り歩きで、都構想には負ける気がしないと思った。住民投票の結果がどうであろうと、国鉄闘争のように闘っていきたい。
(改憲・戦争阻止!大行進大阪市・前田権太)

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