団結ひろば 投稿コーナー
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「武さんは棘の塊のようだ」
東京中部ユニオン 田﨑 進
9月25日夕刻、東京・新橋で、関西生コン支部の武建一委員長の激烈な半生を追った記録映画「棘(とげ)」(杉浦弘子監督)の上映会および監督と平林猛プロデューサーを招いてのアフタートークが、大行進運動中部・南部の会第10回定例会として開催された。
武委員長は奄美群島・鹿児島県徳之島、天城町平土野港に近い岡前に誕生。その風土が映される。幕末、薩摩藩の搾取支配に対して一揆があり、下っては島ぐるみの米軍基地移設反対闘争に勝利した歴史があると知った。岩礁に打ち寄せる波濤(はとう)、勇壮な闘牛さえその生きざまと無関係ではなかろうと思わされる。委員長の島在住当時を知る故郷の人々や組合仲間の証言をはじめ、不当逮捕3日前の講演会までが撮影されている。
5月29日、641日ぶりに保釈、8月21日には国家賠償請求訴訟第1回口頭弁論が開かれ、関生支援東京の会の態勢も整った。労働運動に生涯を捧げる人をどうしても伝えたくてと取り組まれた、人となり中心のこの第1作に続く、関生への国家権力の弾圧の歴史を日本の歴史からひも解いて探る内容になるという続編が、年内公開の運びであることが、監督から明かされた。待ち遠しい限り、時機を得た大きな支えだ。
昨秋上梓の『棘男』の著者である平林プロデューサーは委員長を「たいがい年とともに棘がとれて円くなるものだが、武さんは棘の塊なのではないか。人民を虐待する、搾取する者に対してはとことん闘い続ける男だ」と讃えた。自らの大手週刊誌のフリー記者時代にフリーの労働組合を組織した話なども披露された。
あらゆる力を包括して関生を支え、11月労働者集会を成功させよう。
デジタル庁、職場から反撃を
自治体労働者 水川まこと
デジタル化、AI化は、思いつくだけでも、うちの職場はヤバいです。
①リモートで、職場の同僚と顔を合わす機会が奪われる。行き違い、分断はますます広がります。②休憩時間まで秒単位で管理。それを評価や、給与に反映させられたら最悪です。③デジタル化とは管理強化そのもの。顔認証で、職場の組合オルグもチェックする。
どの時期が多忙で残業頻発か、データ蓄積して、当局は変形労働時間制を狙ってくるのはわかりきっています。
菅政権は「スピード感をもってやれ」と言います。私たち現場が反対の声を上げる前の強行突破を狙っています。しかし、すでに怒りは渦巻いています。今でさえ、無理なことまで「デジタル化しろ!」と、機械に振り回されてる感MAXです。ハンコレス! 電子決済! でも結局、請求書のPDF化で時間ロス! 霞が関ではデジタル庁設置で4連休も全滅。なにが「働き方改革」か。一般職員はたまりません。家族の恨みはさらに深い。この多忙化が1800自治体に下りてきます。
職場の抵抗と反撃は始まっています。しかも、私たち自治体労働者は物資販売で国鉄闘争支援の陣形を築いてきました。民営化と闘い「金もうけより安全守れ」と闘い抜く動労千葉争議団と共にあります。私も4・9政治和解を拒否した生き方を見てきました。それは、そのまま私たち自治体労働運動の道しるべです。
11月集会で合流できるのが楽しみです。
核ごみ最終処分場に反対!
広島連帯ユニオン・被爆2世 Y
私は被爆2世として北海道における核のごみの最終処分場選定の第1段階「文献調査」の受け入れに反対します。
原爆投下後、残留放射線により入市した市民は被爆し、かろうじて生き残った被爆者は、放射線の影響でがんなどの疾患に苦しめられています。神恵内(かもえない)村に続き寿都(すっつ)町でも調査受け入れを表明する意向です。
資源エネルギー庁は、「文献を使った机上での調査で......ボーリング調査のような現地での作業は行わない」と言っていますが、地元での動きを見るとからくりが見えてきます。住民の中には泊原発で働く方やその縁者の方も多く、表立って反対を表明するのをはばかる風土が形成されており、原発による交付金に頼る行政の姿もあります。
私は青年時代に原発反対の立場から四国の伊方原発を視察したことがあります。その時、公園で休んでいたら高い所の住宅地からレンガ大の石が飛んできて当たりそうになりました。伊方町はミカン栽培と漁業以外はこれといった産業もなく、原発は格好の働き場であり、それを奪うかのような私たちは悪魔の使者だったのかもしれません。
第1段階で支払われる20億円の交付金に目がくらんではいけません。核のごみは何十万年にわたって子孫に禍根を残します。高濃度廃棄物に触れると20秒で死に至ると言います。
国や原子力発電環境整備機構は2017年に国が公表した処分の適否を示す「科学的特性マップ」で神恵内村のほぼ全域が不適とされているにもかかわらず一部でも適している場合は調査の対象になると言っています。処分場設置ありきです。経産省幹部は「誘致を競いあうような雰囲気ができれば」とまるで餌に群がる犬をニタニタと眺めているのと同じです。
被爆者は言いました。「核と人類は決して共存できない」と。
琉球弧の写真」を鑑賞して
星野救援会 S
東京・恵比寿の東京都写真美術館で、沖縄の写真家7人の写真展を見てきました。所要時間40分〜1時間。今まであまり触れる機会がなかった、本土復帰以前の沖縄。米軍政下の日常を中心にした約200点の作品群です。
見たこともない大きなコカ・コーラの空き缶で、水浴びする少女。「イシナグー遊び」と題された、笑顔の子どもたち。その笑顔に会いに行くだけでも、値うちがありました。
そしてあの牧青の写真、全沖縄軍労働組合・牧港支部青年部が「全基地封鎖!スト貫徹」のプラカードを林立させて、コザ市ゲート通りを埋める一枚に出会えました。
ほんものの一枚と真正面で向き合うと、49年前の現場の緊迫する熱気の中に自分もいるかのような気持ちになります。本土の星野文昭さん、大坂正明さん、奥深山幸男さんらが、渋谷暴動闘争を頂点に、生涯をかけて連帯を貫いてきた安保・沖縄闘争。その沖縄側の熱い鼓動を聴く思いでした。今の辺野古や普天間の闘いにつながります。
一枚一枚にメッセージがあり、食堂のジュースが「円」ではなく、「セント」。見れば見るほど細部に発見があります。じっくり見たら、出口近くで三里塚の戸村一作さん、沖縄民権の会の古波津英興さんから、おもわぬエールを受け取ることができました。ヒントは「8・15」です。
■「琉球弧の写真」/東京都写真美術館/9月29日〜11月23日まで(月曜日休館。ただし、11月23日は開館)/一般600円