女性差別暴言の杉田水脈処断を 勇気ある性暴力告発を憎悪し、差別・分断で改憲狙う確信犯

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週刊『前進』04頁(3166号04面02)(2020/10/19)


女性差別暴言の杉田水脈処断を
 勇気ある性暴力告発を憎悪し、差別・分断で改憲狙う確信犯


 自民党・杉田水脈(みお)衆議院議員による、性暴力被害を受けた女性の支援事業についての差別暴言に怒りが爆発している。性暴力を受け告発した女性を指して、わざわざ「女性はウソをつく」と言ったのだ。こうして書くことにすら怒りが沸く。
 さらに杉田は「相談窓口が民間で行われているのは問題だから警察に関与させよ」と言っている。性暴力被害に遭った女性がどれほどの勇気を振り絞って相談に向かったか。加害側が女性の証言を「ウソだ」と、どれだけ貶(おとし)めてきたか。警察は話を聞くふりをしてさんざん話させたあげく、「あなたのためにならないから訴えない方がいい」と、セカンドレイプそのものでどれだけ女性の決起をつぶしてきたことか。警察の関与が告発そのものを抑えつけることだと知っていながらあえて言っているのだ。

辞職要求13万筆

 杉田水脈の暴言に対して弾劾・怒りの声は日に日に拡大し、議員辞職を求めるネット署名は10月13日現在、13万6千筆を超えている。さまざまな抗議行動が取り組まれている。
 杉田水脈は、安倍政権時代から差別暴言を繰り返してきた。支配階級の意思をむき出しにした確信犯だ。労働者階級敵視の差別主義者だ。労働者家族が子どもを保育所に預けて働くことに対して、「保育所や学童保育は子どもを家庭から引き離し、洗脳教育をするところ」と言い、「コミンテルンの陰謀」「待機児童なんていない」と保育所の増設にも反対してきた。
 これは杉田個人の問題ではない。当初から新自由主義の破綻の中で発足した第2次安倍政権は、常に支配の危機の中にあり、労働者階級の団結・決起・反撃を恐れ差別・分断を支配の武器にするしかなかった。日本会議が政権の中心にすわる中で、こうした差別発言(支配階級の本音)が出てきた。杉田自身はそれを率先してやってみせることで自民党・安倍から請われ優遇されて自民党比例区名簿の高順位で立候補し、国会議員になったのだ。
 抗議の中でようやく撤回となったが、杉田は、足立区議が行った「LGBTは生産性がなく、このままだと足立区の子どもの数が減る」と同様の発言を繰り返してきた。これらの差別・分断の言動は、安倍から菅に政権が引き継がれる中で「公然と」振りまかれるようになってきている。日本学術会議会員候補の任命拒否をはじめ、およそ「中立」のそぶりも見せられなくなった資本主義最末期の新自由主義の姿だ。
 すべて労働者階級を分断し、戦争で殺し合わせて一部の資本家のみが生き残ろうとするためのものだ。改憲・戦争への内容そのものだ。菅政権は安倍以上の〈コロナ×大恐慌〉危機の中で出発している。菅が恐れる労働者階級の団結した怒りの決起、階級的労働運動、地域・社会と結びついた闘いを、生きるために切り開いていこう。

もう黙らない!

 女性たちの抗議の行動では、杉田の数々の暴言に対して「黙らせようとしたって、女性はもう黙らない!」「保育所は洗脳場所なんて許せない。子どもたちには子どもたちの社会がある」と声が上がった。街頭宣伝や集会・行動に対し、杉田のような妨害勢力が追い詰められて現われてきているが、真っ正面から労働者階級が団結した姿で登場したとき、逆に沿道の支持が広がる。11・1全国労働者集会―改憲阻止!1万人行進へ行こう!
(婦人民主クラブ全国協議会・鶴田ひさ子)
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