10・31狭山闘争へ 無実の石川一雄さんと連帯し、東京高裁に事実調べを迫ろう
10・31狭山闘争へ
無実の石川一雄さんと連帯し、東京高裁に事実調べを迫ろう
1963年に起きた狭山事件(女子高生誘拐殺人事件)の犯人にでっち上げられ、57年にわたり無実を訴え不屈に闘う石川一雄さんの再審無罪をかちとろう。10・31狭山闘争(要項別掲)に向けた全国水平同盟のアピールです。(編集局)
石川一雄さんが東京高裁・寺尾正二裁判長によって無期懲役判決を受けて46年目の10月31日を迎えようとしています。石川さんは81歳、いつまでも「見えない手錠」をかけた生活を強いるわけにはいきません。部落解放同盟は今年の10・31狭山集会を中止しました。全国水平同盟は部落解放共闘と共に責任を引き受け、狭山第3次再審闘争勝利の情勢を切り開きます。
私たちは今年前半、東京高裁・後藤眞理子裁判長の6月退官前再審棄却攻撃を安倍の改憲・戦争、狭山闘争解体攻撃としてとらえ、渾身(こんしん)の決起で闘い抜きました。集中した東京高裁要請行動―抗議デモ、大宣伝に決起し、棄却を阻止しました。安倍政権の狙いを根底から破産させ吹っ飛ばした大きな勝利です。
大野勝則裁判長は極反動の治安判事
打倒された安倍に代わって登場した菅政権は、安倍以上に規制緩和を叫び新自由主義政策を推進し、学術会議会員候補6人の任命拒否など政府の戦争政策に逆らう者を一掃して、戦争のできる国家体制をつくろうとする反動政権です。
新たに登場した東京高裁・大野勝則裁判長こそ、菅政権の下で狭山裁判の再審棄却を行うために送り込まれた極反動の裁判長です。大野裁判長は最高裁調査官を歴任し、国家意思を体現する治安判事として極反動判決を下してきました。星野文昭さんと共に1971年沖縄闘争を闘い、でっち上げ「殺人罪」で逮捕された大坂正明さんの勾留を決定したのが大野裁判官です。また安倍政権下で反原発闘争を圧殺するために新潟地裁所長に送り込まれています。
狭山第3次再審闘争は、菅と対決し、改憲と戦争、部落解放運動絶滅攻撃を真っ向からぶち破る闘いになっています。再審を実現して菅をぶっ飛ばし、狭山闘争に勝利しよう。
第3次再審請求から14年、大野裁判長は9人目の裁判長です。この14年間に石川さんの無実を証明する新証拠が次々と裁判所に提出されてきました。しかしそのたびに裁判官が変わり、事実調べも行われることなく、3者協議を続けるだけで判断が引き延ばされてきました。ただちに事実調べを行わせ、再審開始を迫りましょう。
権力犯罪を暴いた下山鑑定を武器に
下山鑑定こそ、石川さんを「犯人」とした〝決めて〟の証拠の万年筆が被害者の物ではないことを証明しています。それは石川さんの無実だけでなく、事件が警察によってねつ造された国家犯罪であることを暴いています。同第1鑑定は、発見された万年筆は被害者が使っていたインクと違うことを警察と同じ方法で証明し、同第2鑑定では、インクの蛍光X線検査で被害者の万年筆のインクと発見された万年筆のインクの成分が違うことを証明しました。検察の証拠自身にでっち上げの事実があること、ここからは逃げられません。検察は反証を断念しました。結論は一つ。直ちに事実調べを行え、再審を開始しろ、です。
鍵は労働者と労働組合の怒りと決起
コロナ情勢は、資本と社会の崩壊の危機を生み出しています。黒人男性の虐殺を契機にしたBLM運動は、コロナと差別が今の社会の矛盾を鋭く暴く一方で、労働者階級の自覚と覚醒を一挙に促進しています。階級を分断する差別と激しい攻撃は、逆に労働者が本来の自分を取り戻す契機です。労働者とは差別に怒り立ち上がる存在です。狭山闘争は、関西生コン支部、動労千葉を先頭に労働組合絶滅をはね返して闘う労働者の闘いのテコになっています。
労働組合、部落解放運動、地域の団結の破壊を狙う大阪都構想に反対しよう。東京―関西を軸に狭山闘争への総決起情勢を切り開き、一切を11・1労働者集会総結集につなげよう。
2020年10月
全国水平同盟