11・1大結集で改憲・戦争阻止を 郵政1万人削減粉砕へ、職場に闘う団結作ろう 革共同郵政労働者委員会
週刊『前進』04頁(3166号03面01)(2020/10/19)
11・1大結集で改憲・戦争阻止を
郵政1万人削減粉砕へ、職場に闘う団結作ろう
革共同郵政労働者委員会
郵政民営化の破綻が噴出しています。かんぽ生命保険の不正販売が社会問題化し、「郵便局1万人削減案」が報道されました。今こそ職場で闘う時です。菅政権の強権的な改憲・戦争、民営化と労組破壊の攻撃を阻む闘う労働組合の復権をめざし、11・1労働者集会に大結集しよう!
民営化の破綻が露わに
かんぽ不正販売問題で、かんぽ生命の職場実態が暴かれました。保険販売業務を担う現場労働者に過剰なノルマ強制と悪質なパワハラ研修を繰り返し、高齢者や認知症を患っている人を対象に詐欺まがいのやり方で販売していたと報道されました。当初、郵政当局は「法令は守っている、契約手続きの面でも問題ない」と強弁していました。しかし、契約者家族と郵政労働者の内部告発で一転し「謝罪会見」に追い込まれたのです。NHKがこの問題を特集した番組に対しても、郵政当局が放送内容に介入し、事態の隠蔽(いんぺい)工作をもくろんだことも明らかになりました。そして、昨年12月27日、かんぽ生命の不正販売に関して金融庁は、かんぽ生命と日本郵便に「一部業務停止命令」を出すと同時に、親会社の日本郵政を含めた3社に「業務改善命令」を出し、総務省も同日、日本郵政と日本郵便に行政処分を出したのです。さらに今年1月5日、日本郵政、かんぽ生命、日本郵便の3人の社長が辞任して幕引きを図りました。
すべての責任を現場労働者に押し付け、懲戒解雇を含む不当処分が乱発されています。不正販売を現場に強要し、発覚後も開き直り、報道にも介入して隠蔽をもくろんだ郵政の責任者には、辞任ではなく懲戒解雇と監獄行きで責任を取らせなければなりません。パワハラの横行と過剰なノルマの強制はかんぽ生命だけではなく、郵政3社に共通しています。
大合理化攻撃うち砕け
コロナ危機下の3月24日、「郵便局1万人削減案」が日経新聞に大きく報道されました。記事では、「コスト抑制が急務」「かんぽ生命保険の不適切販売問題で金融事業の収益力が落ち、人件費を抑える」と報じられ、激しい合理化攻撃は不可避の情勢です。これに対してJP労組本部は、「正式な提案はない」としながらも、「郵政グループの持続性確保が不可欠であり、事業の構造改革等に積極的に取り組む」とコメントし賛成の立場を表明しています。これから「会社存亡の危機」と称して激しい首切り、賃下げ、雇い止め、労働強化と非正規職化が開始されようとしているとき、労働組合として大合理化攻撃に反対せず、会社と一体となって積極的に協力すると宣言しているのです。
2007年の郵政民営化に対しても、当時の全逓(全逓信労働組合)は、「闘っても勝てない、損をするだけだ」と言って郵政民営化を容認し御用組合の道へ転落しました。そして民営化と同時に、資本の側に立って全逓に敵対していた全郵政(全日本郵政労働組合)と組織統合し、JP労組(日本郵政グループ労働組合)が誕生したのです。それ以降、郵政の職場は職員の6割が非正規職化され、慢性的な要員不足の過酷な状態に変貌しました。「民間施策の導入」の掛け声のもとトヨタ方式の労働者管理の採用や、JPエクスプレスなどの子会社化、外注化を無理に強行しようとしました。しかし、現場の怒りがトヨタ方式や、全面的な子会社化、外注化を阻んできたのです。
郵政資本は、現場の激しい怒りの爆発を恐れています。それをいかに抑え込むかが会社の最大の課題になっています。だからこそ、労務支配が最も厳しい職場となっているのです。労働者支配のために、非正規労働者の「スキル評価制度」で労働者を分断と競争の原理の中にたたき込んでいます。さらに、会社に「盾突く」労働者には、人事異動を強行します。管理者のさじ加減で評価を落とし、異動させるのです。
郵政資本にとって、労働組合の闘いと、労働者の団結をたたき潰すことが至上命題となっています。JP労組本部の容認のもと、不当労働行為はまかり通り、労働基準法違反のオンパレードです。労働組合が抗議や闘いを組織しないから、パワハラと退職強要がまかり通ってしまう職場となっているのです。
「1万人削減」が報道されて以降、パワハラと退職強要がいっそう激しくなっています。さらに、「コストカット」が大きく叫ばれるようになりました。その一方で、労務管理には湯水のように金をかけています。元管理者だった退職者を「専門役」と称して定期的に各局に派遣し、「改善」項目を指摘し指導する仕事を与えています。「職場のあら探しをするのではなく、現場を手伝え」とほとんどの労働者は憤りを持っています。さらに、労働者がどこで何をしているのか監視・追跡するシステムを内蔵した携帯を一人ひとりに持たせ始めました。働く者に、より仕事がしやすい環境で仕事に意欲を持たせるのではなく、奴隷としての扱いとなっています。
怒りの決起が始まった
郵政労働者の怒りの決起は不可避であり、すでに始まっています。この間、郵政非正規ユニオンや、合同労組に労働相談がいくつも来ています。「1日6時間雇用だったのに『次の更新時には4時間にしてくれ』と強要されている」「職場でパワハラといじめで退職に追い込まれそうだ」というような相談が相次いでいます。JP労組は御用組合だということを知っていて、「相談しても力になってくれないから、ネットやビラを見て、ここなら力になってくれると信じ連絡した」と言っています。労働組合がストや順法闘争で闘えば郵政民営化の破綻が誰の目にも明らかになります。しかしJP労組本部は闘いを放棄し会社と一体化して、労働者の怒りを抑え込む役割を担っています。郵政でこそ闘う労働組合が必要とされています。郵政民営化の激しい攻防の中で、郵政労働者委員会の同志たちはあらゆる攻撃に立ち向かい、階級的陣地を守り抜いてきました。この階級的陣地をさらに拡大強化していこう。そのためにも細胞の団結・討論で方針を練り上げ、現場労働者と広く深く結合し、郵政職場に闘う団結をつくろう。
菅政権は、安倍の改憲と戦争、民営化と「労組なき社会」の実現を目指す政治を引き継ぐべく誕生しました。しかし労働者の激しい怒りの前に、菅政権の足元はぐらぐらで脆弱(ぜいじゃく)です。だからこそ、より凶暴に戦争と民営化、労組破壊の攻撃に突き進む以外にないのです。郵政労働者こそこれと先頭で闘い、勝利を切り開こう。
関西生コン支部、港合同、動労千葉が呼びかける11・1労働者集会に郵政労働者は総決起し、労働組合をよみがえらせ、職場と社会を変えよう!