「ストの事前共謀」で有罪 関生弾圧 大阪地裁が反動判決

週刊『前進』04頁(3166号01面02)(2020/10/19)


「ストの事前共謀」で有罪
 関生弾圧 大阪地裁が反動判決

(写真 関生支部を先頭に大阪地裁前に結集。関生支援東京の会も行動を共にした【10月8日】)

(写真 公判を傍聴した関生支部組合員が不当判決を怒りを込めて弾劾した)


 大阪地裁第11刑事部(佐藤卓生裁判長)は10月8日、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の執行委員と前副委員長に対し「懲役2年6カ月、執行猶予5年」の反動判決を下した。2018年7月に始まった同支部への弾圧に関して一審判決が出されたのは、これが初めてだ。
 大阪地裁は、労働者の団結権を保障した憲法28条や労働組合法をあからさまに踏みにじり、産業別労働組合運動を展開する関生支部の存在を認めないという国家権力の意思をむき出しにした。「懲役2年6カ月」は検事の求刑そのまま、5年の執行猶予は最長だ。
 これは、同支部だけでなくすべての労働組合運動に向けられた凶暴な攻撃だ。

裁判所に抗議行動

 10月8日早朝から大阪地裁前の公園は、反動判決を許すなという思いで全国から集まった多くの人々で埋まった。台風が接近し雨が降る中、それをものともせずに行動が展開された。午前10時からの判決公判を前に行動参加者は傍聴券交付を求めて延々と列をなし、裁判所に威力を示した。
 弁護団が「不当判決」と書かれたボードを手に法廷から飛び出してくると、参加者の怒りは一気に高まった。弁護団は反動判決を、①組合員のいない企業に対する行動は「正当な労働組合活動ではない」と断定して産業別労働組合運動を否定した、②「ストライキの事前共謀」を「威力業務妨害」とし、現場にいなかった労組役員を有罪にした、③ストライキに際し「声を荒らげた」ことを処罰に値する「悪質」なものと決めつけ争議権を圧殺した----などの点で弾劾し、直ちに控訴の手続きをとったと報告した。
 不当極まる判決を受けた執行委員は、執行猶予の付かない判決が出されたら、その場で拘束されることもあり得た裁判所内の緊迫した状況を報告した。
 全国金属機械労組港合同をはじめとする改憲・戦争阻止!大行進・関西や、関生支援東京の会は、関生支部と連帯し、全国から集まった人々とともに裁判所前での行動を闘いぬいた。

回答は労組の再生

 この日に判決が出された事件は、2017年の大阪でのストライキだ。このストライキは、生コン産業の業界団体である大阪広域協組に対し、「生コン価格が上がったら労働者の賃金を上げる」という協約の履行を求めて行われた。
 関生支部は中小企業主を協同組合に組織し、協同組合との間で産業別統一賃金、統一労働条件を設定する運動を展開し、労働者の権利を獲得してきた。17年のストライキもこの立場から闘われた。こうした正義の闘いに追い詰められた大阪広域協組が、国家権力と一体となって労組破壊に公然と手を染めたのが、今回の弾圧だ。
 だからこそ今回の判決を受けての労働者階級の回答は、関生支部とどこまでも団結し、階級的労働運動を全力で発展させることにある。関生支部の仲間は、戦後最大の労組破壊攻撃に対して、渾身(こんしん)の決起を繰り返し、団結を守りぬいてきた。今こそ、この闘いに続こう!
 職場生産点で階級的労働運動をよみがえらせることに一切はかかった。11・1労働者集会は関生弾圧粉砕を掲げて開かれる。反動判決への悔しさをばねに全力で結集し反撃に立とう。

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