11・1に労働者民衆の総決起を 労働組合の力で戦争を阻止し、菅もトランプも打倒しよう!
11・1に労働者民衆の総決起を
労働組合の力で戦争を阻止し、菅もトランプも打倒しよう!
11・1全国労働者集会/改憲阻止!1万人行進まで残り2週間となった。アメリカでは、大統領選挙の投開票日(11月3日)が迫り、コロナ感染症の国内の死者数が世界最悪の21万人超を記録する中で、労働者民衆の怒りは臨界点を超えて沸騰している。これに対し、トランプ政権は中国に対する敵対政策と排外主義のキャンペーンを強めることで延命を図ろうと必死だ。こうして米中対立が軍事衝突の危機をも伴いながら激化する一方、新自由主義と闘い世界の根底的変革をめざす労働者階級人民の新たな決起も拡大している。11・1集会・デモの歴史的成功をかちとり、労働者の敵=菅政権を打倒する闘いののろしを上げよう!
対中包囲網の構築急ぐ米
日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち、過去に安倍政権の安保戦争法や共謀罪導入を批判したことのある6人だけを「狙い撃ち」で任命拒否した菅政権の暴挙に対し、街頭やSNS上で抗議の声が広がっている。学術会議への人事介入と一体で、内閣と自民党による元首相・中曽根康弘の合同葬(17日)に合わせて弔意の表明を行うよう、文部科学省が全国の国立大学などに通知していたことも発覚。まだ国会での所信表明演説もしていないうちに、安倍以上に陰湿で強権的・反人民的な菅の正体が暴き出され、政権支持率は早くも急落している。
「学術会議のあり方が問題だ」などという話のすり替えは通用しない。そもそも菅の狙いは、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」と声明してきた学術会議を解体し、戦争協力機関へと完全につくり変えることにある。これまで学術会議の内部では「自衛の目的なら安全保障に関連する研究協力も容認すべき」(大西隆元会長)といった屈服論も出ていたが、全体としては、防衛省が大学に直接資金を支給する「安全保障技術研究推進制度」への抵抗が根強く残っていた。菅はもはやそんなあり方は容認できないとばかりに踏み込んだのだ。それは改憲・戦争攻撃そのものであり、その背景には米中対立の激化に伴う日本政府の安保・軍事政策の転換がある。
10月6日に来日した米国務長官ポンペオは、菅との会談で、中国が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の構築に向け、日米同盟を一層強化することを確認した。またポンペオは日本経済新聞のインタビューで、日米豪印4カ国を中心に「新たな安保枠組みづくりに入る」「中国共産党の挑戦に対抗する安全保障網を構築する」と明言。「日本などの同盟国や友好国も、米政権の路線に積極的に参加するよう促した」(10月7日付日経新聞)。
もはや一国では世界の覇権を維持することも中国の台頭を抑え込むこともできなくなったアメリカ帝国主義・トランプ政権は、日米豪印を核とする対中包囲網の構築を急ぎ、日本に対しては中距離ミサイルの大量配備などを求めている。米英豪加ニュージーランド5カ国で軍事機密を共有する「ファイブ・アイズ」への参加を求める動きも始まった。すでに米英豪などの政府は「中国のスパイを取り締まる」という口実のもと、大学や研究機関に対する監視・弾圧を強めており、アメリカでは今年6月に1千人以上の中国人留学生が「中国軍と関係している」としてビザを取り消された。その様相は1946年以降に米国内で吹き荒れた「赤狩り」の再来を思わせる。日本の「ファイブ・アイズ」参加は同じ監視・弾圧を不可避とする。
学術会議会員の任命拒否はこうした流れの中で起きている。このことは、6人の除外を提案したのが革共同弾圧の先頭に立ってきた警備・公安警察出身の杉田和博官房副長官だったことからも明らかだ。
コロナ禍で超富裕層増大
だが、このように各国で進む監視と弾圧の強化は、労働者階級人民の自国政府に対する怒りの決起をますます拡大させずにはおかない。世界で広がるストライキやデモは、新自由主義がもたらした極限的な貧困と社会の崩壊、あるいは人種差別や国家暴力に対する人間的な怒りの爆発であり、圧倒的多数の人々の「生きるための闘い」である。これを力ずくで抑え込むことなどできないのだ。
10月7日に世界銀行が公表したリポートによると、コロナ感染症のパンデミック(世界的大流行)に伴う景気後退により、1日の生活費が1・90㌦を下回る極貧人口が現在の約8800万人から今年中に1億1500万人に増加し、さらに21年には1億5千万人に達する見通しだ。また、9月23日に国際労働機関(ILO)が発表した推計によると、今年1〜9月期の世界の労働所得は前年同期比10・7%減となり、失われた所得の額は実に約3兆5千億㌦(約367兆円)、約4億9500万人が失業した換算になるという。労働者階級が直面している日々の困難は、これらの統計上の数字では到底言い表すことができない。
他方で、世界の大富豪の資産額は、このコロナ・パンデミックの真っただ中で軒並み過去最高を記録している。スイス証券大手UBSと国際監査法人PwCの調査によると、保有資産が10億㌦(約1050億円)を超える超富裕層の数は今年7月末時点で2189人、総資産額は約10兆2千億㌦(約1080兆円)で4月以来27・5%増という驚異的な増加率を示し、いずれも史上最高を記録。各国政府が発動した大規模な財政出動に伴う世界的な株価の上昇が主な要因とみられ、最も大きな利益を得たのは情報通信産業や製薬会社、医療機器メーカーを始めとした産業界の最高幹部らだという。国別にみると、超富裕層の資産総額はアメリカが3兆6090億㌦で世界一、中国(本土)が1兆6810億㌦でそれに次ぐ。
全世界の労働者を極限的な貧困と失業状態に追い込みながら、税金を使った「コロナ対策」までも金もうけの手段として、一握りの連中が空前の利益を上げる。そしてこうした大資本家や富裕層が支配する米中2大国が、それぞれの延命をかけて世界を真っ二つに引き裂く争闘戦を激化させているのだ。
アメリカ全土が内乱状態に突入
コロナ対策で完全に失敗し、その責任をとらず感染症対策よりも大統領選のためのパフォーマンスや大規模集会を優先してきたトランプは、ついにホワイトハウスをクラスター化させたあげく、自らもコロナ感染で米軍医療センターに入院せざるを得なくなり、米政府の定めた感染予防規定にも反して外出・退院を強行した。これに対して医療関係者から激しい抗議の声が上がり、米医学誌はトランプ政権を「危険なほど無能」と非難、「さらに何千人ものアメリカ人を死なせるべきではない」として大統領選でトランプに投票しないよう呼びかけるという異例の事態となった。
他方でトランプは、ツイッターなどで「不正選挙が行われる可能性がある」などと繰り返し、選挙で負けてもホワイトハウスに居座り続けるかのような発言を続けている。テレビ討論会では、BLM運動などに武装襲撃を繰り返す白人至上主義テロ団体に向けて、あたかも自分の私兵集団に命じるかのように「下がって待機せよ」とコメントした。10月8日には、ミシガン州のウィットマー知事(民主党)の誘拐や銃撃を企てたとして、トランプ支持派の極右民兵組織のメンバー13人が摘発された。
だが、こうした中で何よりも重要なことは、トランプ政権の弾圧や極右勢力の白色テロなどをものともせず、国際港湾倉庫労組(ILWU)やロサンゼルス統一教組(UTLA)をはじめとする闘う労働組合の新潮流が、BLM運動などの中心を担いながら不屈に闘い抜いていることだ。今や新自由主義に最後の断を下すまで終わることのない決起が全米を席巻しているのだ。
新自由主義終わらせよう
菅政権は米中対立の激化に右往左往しながら、沖縄・辺野古への新基地建設や敵基地攻撃能力の保有に向けて大軍拡を進めようとしている。だが学術会議問題で露呈したように、菅はもはや人々を納得させるような説明を行う余裕もなく、一切を暴力的に強行するしかなくなっている。ここに菅政権の根本的な危機性・破綻性がある。
今、何よりも求められていることは、新自由主義と闘う階級的労働運動をあらゆる職場でよみがえらせることだ。医療現場における労働組合のストライキが新自由主義のもとでの医療崩壊の現実を暴き出し、圧倒的多数の人々の感動と共感を集めたように、資本の金もうけを一切に優先する社会のあり方を根底から撃つ労働者の決起にこそ情勢を動かす力がある。
何より、JR東日本が打ち出した1500億円コストカットの大合理化攻撃との対決、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を許さない闘いを全国の職場で訴え、労働者の怒りの反撃を組織しよう。関西生コン支部は10月8日の大阪地裁の不当判決を徹底弾劾し、反転攻勢を強めることを断固宣言した。この闘いに全国で続こう。全日空では正社員1万5千人を対象に年収ベースで3割減(冬の一時金ゼロ)という大幅賃下げが提示された。労働者への賃下げ・合理化を絶対に許さず、あらゆる産別で反撃に立とう。
世界中の闘う労働組合から11・1集会への賛同が次々と集まっている。新自由主義を打ち破る全世界労働者の総決起集会として11・1をかちとり、菅政権打倒の大デモを首都・東京のど真ん中で実現しよう。