ベラルーシで毎週土曜に女性デモ 抗議運動の根底性表す ルカシェンコの暴力にもひるまず

週刊『前進』04頁(3165号04面04)(2020/10/12)


ベラルーシで毎週土曜に女性デモ
 抗議運動の根底性表す
 ルカシェンコの暴力にもひるまず

(写真 不正選挙を弾劾しルカシェンコ退陣を求める「女性たちの行進」は毎週土曜日恒例となっている【10月3日 ミンスク】)

 ベラルーシで女性たちがルカシェンコ打倒・民主化運動の先頭に立っている。 当局は不正選挙への抗議行動が始まった選挙当日の8月9日から数日中に7千人も逮捕し、暴行と拷問を加えた。この暴挙に怒った数千人もの女性たちが白い服を着て、花や風船、プラカードを持って平和的にデモ行進をした。当局は国際的な非難をかわすために一時的に暴力を抑制した。
 ところがルカシェンコは、ロシア大統領プーチンの政治的・物質的支持を取り付けると暴力行使に転換。覆面武装治安部隊や私服警官を差し向け、抵抗する女性たちを拘束した。公務執行妨害で5年もの禁錮刑を科している。それでも毎週土曜に首都ミンスクなどで数千人規模の女性デモが続けられている。

不屈の女性指導部

 ルカシェンコ6選を認めないチハノフスカヤ氏は当局に命を脅かされて隣国リトアニアに逃れたが、労働者にストライキを呼びかける(実際に実行された)など、闘う人民を鼓舞激励する政治指導者となっている。「女性は政治指導者になる準備ができていない」「社会は女性に投票するほど成熟していない」と女性差別を丸出しにし、政治経験のないチハノフスカヤ氏を侮ったルカシェンコはしっぺ返しを食らった。
 チハノフスカヤ氏の選挙運動を共に闘ったフルート奏者のマリア・コレスニコワ氏は、野党調整評議会の主要メンバーにもなった。彼女は白昼公然と車に押し込まれて国境まで運ばれ、国外退去を迫られたが、パスポートを引き裂いたため連れ戻されて勾留されている。欧州諸国でルカシェンコ独裁に反対するコンサートを多数開いてきており、国際的支援網も厚い。

崩壊した支配構造

 ルカシェンコは弾圧すれば人民は恐れて黙るだろうと考えていた。2011年には広場に集まった人々が無言のまま一斉に拍手する抵抗運動が起きたが、非合法化され鎮圧された。労働者は5年以下の有期雇用にされ、御用組合のもとで強制労働をさせられている。ストは実質上実行不可能だ。ルカシェンコは、こうした強権支配がいつまでも可能だと思っていた。しかし今や人々は非合法であっても国家暴力が発動されても恐れていない。26年間の圧政を終わらせるためだ。
 世界はコロナ・パンデミックと大恐慌、米中対立から世界戦争へという危機に突入し、ベラルーシもロシアも完全に巻き込まれている。スターリン主義の崩壊を国営企業の維持とロシアへの依存、労働者の低賃金・非正規職化・無権利化という新自由主義で乗り切ってきた支配構造はもう成り立たない。女性の決起は労働者階級全体の革命的決起の引き金となる。国際連帯で闘おう。
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