公教育解体の菅倒せ 民営化粉砕!11・1へ 革共同教育労働者委員会
公教育解体の菅倒せ
民営化粉砕!11・1へ
革共同教育労働者委員会
ブラック・ライブズ・マター運動をはじめ、全世界で労働者階級が立ち上がっている。金もうけのために社会を破壊してきた新自由主義を打倒する時がきている。〈コロナ×大恐慌〉情勢のもと崩壊する資本主義体制の生き残りをかけて、菅政権はより凶暴化した新自由主義攻撃に打って出てきた。コロナに便乗したオンライン教育を突破口にして、教育の民営化も全面的に推し進めようとしている。だがそれは労働者階級の決起をますます引きおこさずにはおかない。全国の教育労働者のみなさん! 11・1労働者集会に総決起し、全労働者人民の団結で菅政権を打倒しよう。
学校現場から反撃始まる
日本でも新たな闘いが始まっている。医療労働者のストライキは社会的な大注目を集めた。この時、「次は学校だ」という声がいくつも上がった。それは、医療と並び新自由主義の矛盾がもっとも集中してきた学校崩壊の現実が、コロナ下であらためて浮き彫りになったからだ。
安倍による全国一斉休校によって直面したことは、子どもの貧困と教育格差だ。満足に食事もとれない、経済的な理由による転校と退学、宿題にも手をつけられない家庭環境......。通信環境も整っていないにもかかわらず、安倍や財界はまずオンライン教育を強行した。それは教育格差を広げるものだ。本当に許せない。この中で、子どもたちの見守りのために奔走したのは私たち現場の教育労働者だ。
学校再開後、感染対策と授業時数の確保による過重労働で一層現場は疲弊している。ただ、分散登校で日本中の教育労働者が20人以下学級を実感したことは重要な経験だった。公立学校教員の96・6%が少人数学級の実現を求めている(教育新聞調査)。子どもにとっても教職員にとっても、余裕をもってすごすことが、とりわけコロナ下で一番必要なのだ。
いま教育労働者の階級意識は一変し始め、職場丸ごとの反撃が開始されつつある。ある教組は突然のオンライン授業強制に緊急署名を集め、いったん中止に追い込んだ。
コロナ下で教育労働者が実感したことは、団結して共に生きていくことが教育にとって何より大事だということだ。「タブレットよりまず生身の教員をよこせ」ということだ。また、朝令暮改の上からの指示で振り回されることに現場は怒っている。現場のことは、子どもたちの実態をよく知っている現場労働者が決めて初めて成り立つことを痛感した。そしてこれまでになく同僚同士の話し合いがもたれている。
こうした中で、教育労働者と子どもたちの命と教育を守るためには、団結して声を上げていく以外にないと、組合員がいるいないにかかわらず職場全体が動き出している。新自由主義による分断を打ち破り、学校から労働組合再生のうねりがいよいよ始まったのだ。
戦後教育破壊を許さない
菅は就任早々、デジタル化と規制緩和を掲げ、小中学生に一人一台タブレット型端末を配布する「GIGAスクール構想」(以下「GIGA」)を強力に推進することを明言した。公教育の全面民営化を宣言したのだ。教育労働者は菅政権打倒の先頭に立とう。
「GIGA」はコロナ下で宣伝されているような「子どもたちのために学びを保障する」教育政策ではない。それは、絶望的な危機に立つ日本帝国主義の延命をかけた、AI(人工知能)を使いこなす人材(AI人材)育成のための国家戦略だ。
すでにコロナ以前に日帝・安倍政権は「AI戦略2019〜人・産業・地域・政府全てにAI〜」(19年6月、統合イノベーション戦略推進会議、議長は菅)を決定していた。そこでは、「人工知能技術の利活用に関し、米国や中国の企業等による覇権争いが激しさを増しており、......破壊的イノベーションが生み出されてきているが、我が国は、後れを取っている」と争闘戦の敗北を強烈に自覚している。そこで、官民総力を挙げた「教育改革」を推進し、年間100人のグローバルエリートを頂点にAI人材を年間25万人育成する戦略を確定した。その基盤となるのが「GIGA」なのである。
そしてそれを遂行するために、政府・文部科学省は、新学習指導要領の貫徹と学校を合理化・非正規職化し管理統制していく「働き方改革」攻撃を教育の基本政策として据え直した。
しかし、子どもたちを競争にかりたて序列化するエリート教育は、現場労働者が培ってきた平和教育や人権教育によって阻まれてきた。だから〈コロナ×大恐慌〉情勢に追いつめられた菅政権は、戦後教育の解体と労働組合を一掃しようと教育の民営化攻撃に安倍以上に踏み出しているのである。それは改憲・戦争へと突き進む攻撃と一体だ。
今、「GIGA」がもたらす公教育の市場化(パソコン1千万台市場!)に、PCメーカー、巨大IT企業、EdTech産業(教育とIT技術を組み合わせてもうけを生み出す産業)が群がっている。しかし早くも修理費・更新費のめどもたたず、セキュリティー、個人情報保護などの問題が顕在化している。そして教育格差もますます広がる。教育の民営化を強行すればするほど本来の教育そのものが破壊され、教育労働者の怒りに火がつくことは間違いない。資本と国家が教育を簒奪(さんだつ)し、これ以上破壊することを教育労働者は絶対に許さない。
闘う教組の再生は可能だ
この怒りを組織し、職場から闘う教職員組合をよみがえらせる時は今だ。労働者の団結に徹底的に依拠し、労働組合が本来もっている力に確信をもって闘うならば、それはまったく可能だ。
日教組は1951年、朝鮮戦争に反対し「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを打ち立てた。勤評闘争(57〜59年)では逮捕・流血の事態も跳ね返し、「勤評は戦争への一里塚」を掲げてストライキで闘った。そして組合の団結を守り抜き、60年安保闘争の高揚を切り開いた。以来、日教組は戦後労働運動の主軸の一つとなり、戦争国家化を阻んできた。
国鉄分割・民営化を強行した中曽根政権は当時、「国鉄の次は教育だ」と叫び臨時教育審議会を設置した。日教組解体を狙い「教育の憲法」といわれる教育基本法の改悪を策動したが、国鉄闘争が立ちはだかり、手をつけることを許さなかった。
支配階級は戦後直ちに憲法改悪と共に教基法の改悪を国家政策の軸に据えてきた。この教基法を2006年、安倍が改悪した。それは戦争教育と新自由主義「教育改革」で学校崩壊の現実をもたらした。そしてコロナ下で改悪教基法体制の全面破綻が突き出され、全国一斉休校による大混乱を招き、安倍は打倒された。日教組を解体することができず、20年新憲法施行の野望が粉砕されたということだ。「教え子を再び戦場に送らない」という教育労働運動の歴史的蓄積と教育労働者の誇りは現場に生き続けているのだ。子どものたちの未来をつくり出すために、教育労働者こそ団結して立ち上がろう。
11・1労働者集会を呼びかける動労千葉、関西生コン支部、港合同の闘いは、新自由主義の根幹を打ち砕いてきた。そして「労組なき社会」攻撃とコロナ危機のなかで団結を拡大している。ここに階級的労働運動再生の展望がある。
コロナ下で全世界の教育労働者も命を守るために立ち上がっている。ブラック・ライブズ・マター運動が全米で連日闘われる中で、米UTLA(ロサンゼルス統一教組)は、「2020年に教育労働者として生きることは、人種差別と社会正義のために全力を尽くして闘うことである」と宣言し、社会変革の先頭に立っている。さらに、コロナ感染症が爆発的に拡大する中で政府が学校を再開することに反対し、休校中のオンライン教育の主導権を当局ではなく組合が握る闘いに勝利した。それは、教育労働者と子どもとその家族の命を守るのは、国家や資本ではなく労働組合であることを示している。
菅はJR大合理化攻撃を階級戦争としてしかけてきている。この菅政権を階級的労働運動の力で打倒するのが11・1労働者集会だ。全国、全世界の仲間と連帯し、新自由主義社会を覆す闘いの出発点にしよう。