投稿 抑圧強める中国・習近平政権(下) 人民監視する「健康コード」 政府うち倒し労働者解放を

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週刊『前進』04頁(3164号04面02)(2020/10/05)


投稿
 抑圧強める中国・習近平政権(下)
 人民監視する「健康コード」
 政府うち倒し労働者解放を


 前号の(上)に続き、中国の読者から寄せられた投稿を掲載します。(編集局)
 新型コロナウイルス感染症の爆発以来、中国共産党は人民に対する統制と弾圧を絶えず強化してきました。一般民衆は政治に参加することを許されないだけでなく、少し話題にしただけでも摘発されるリスクを負っています。
 中国当局は2月中旬、生産を再開するため、「健康コード」というQRコード導入を強力に推し進め、監視技術を用いて隔離・統制を強化し、コロナウイルスの伝播(でんぱ)を抑制しています。
 モバイル決済サービス・アリペイを運営するアリババグループや対話アプリ・ウィーチャットを運営するテンセントなどの大企業の支援を受け、健康コードは登場して2カ月で、初めて提供を開始した浙江省杭州市から中国の200あまりの都市へと広がり、数億人を包括するに至りました。
 しかし、多くの分類基準が不明であり、障害などが人々の生活を妨げているため、コロナを利用した監視と統制の強化に対して強烈な疑念を抱かせることにもなったのです。
 一方、9月3日、江蘇省蘇州市の公安局が「文明コード」を発表しました。これは、一般民衆の一般生活で使われ、民衆の行為によって「文明レベル」を評定するものです。このような民衆のプライバシーを監視・統制する措置は、たちまち人民の怒りを引き起こしました。中国の社会学者・于建嵘氏は文章でこう問いました。「誰に文明のレベルを評定する権利があるというのか?」「誰に、文明の名のもとに公民が平等に公的サービスを享受する権利を剝奪する権利があるというのか?」「文明の旗を掲げて人権の尊厳と平等を踏みにじるのか?」
 現在の中国では、ニュース、教育、生活、政治、外出、医療がすべて政府によって独占的に監視・統制されています。人民は政治に参加する権利を少しも持たず、習近平に対する個人崇拝すら現れています。憲法で規定されている権利はないに等しく、人民は少しも人権がない状態で生活しているのです。
 もし2008年の北京オリンピックを前に中国に来ていたら、表現の自由がますます広がっていると感じたでしょう。当時、政府は新しい規則を公布しました。外国メディア記者は地方政府の許可なしで全国各地を自由に通行できました。当時、中国の現地メディアの調査報道の質は絶えず進歩していました。例えば「南方週末」や「財経」のような雑誌の報道は、国際メディアと肩を並べることができるものでした。
 当時の公開活動に出席した時、記者たちとともに外交部の報道官に対して様々な憂慮を伝えましたが、その報道官は私たちに繰り返し、すべてがよくなると表明しました。「心配しないでください」と彼は笑顔で、車を発進させるジェスチャーをしながら言いました。「中国には一つの方向しかありません。それは前へ進むことです」と。
 今日、この比喩はあまり正確ではないかもしれません。現在の中国は、世界で最も難攻不落な反動の障壁となっています。もし労働者が解放を望むなら、この反人民的な政権を滅ぼさなければならないのです。
(陆肆)
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 ●おわびと訂正 前号の筆者名「文档」は「陆肆」の誤りでした。おわびし訂正します。

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