団結ひろば 投稿コーナー
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コロナ消毒で心身ボロボロ
関東 寺門友也
私はビル管理業者の下請けの労働者として働いています。最近はコロナ消毒の依頼で予定が不規則になり、気の休まらない日々を送っています。
作業内容は、エタノールをテーブル、イス、ドアノブに吹き付け、消毒液に浸したタオルで拭き取るという単純作業を黙々とこなすというものです。マスクと防護服の息苦しさに暑さや湿度も加わり、感染予防のために消毒が終わるまでは防護服も脱げず、途中で水分補給もできません。気化したエタノールでフラフラしてくる人もいます。
また、陽性か陰性かわかるまで待機しなければならないため、会社での拘束時間が深夜まで延びることもあります。
この消毒作業で業者に支払われる代金は、1回の作業で数十万円が相場で、条件によってはキャンセル料金をもらえることもあります。短期間に何件もこなせばかなりの利益を上げることも可能です。休業や倒産で取引先が減ってしまったビル管理業者や清掃業者にとって、コロナ情勢はもうけるチャンスなのです。
現在、私たちが担当するコロナ消毒の件数は比較的少ない方ですが、都会の営業所では感染者数も桁違いに多く、しかも高層ビルの消毒を1日に何件もこなす状況なので、体力の消耗と睡眠不足で心身ともにボロボロになってしまいます。
しかも、危険手当は、1日に何件消毒しても1000円しか出ません。忙しければ忙しいほど、相対的に危険手当は少なくなってしまう構造です。会社がコロナ消毒で利益を上げても、労働者は感染リスクが高くなり疲弊するだけです。まさしくやりがい搾取です。
東海第二の再稼働許さない
茨城 児島聡子
休館になっていた、東海第二原発に隣接するテラパーク(日本原子力発電会社の原発PR施設)が再開したので、地域の仲間と見学会を行いました。屋上から東海第二原発の建屋や周辺を見渡せます。昨年暮れにNAZEN東京の方々と見学してから半年ぶりの風景を見ました。
敷地周辺の松林の伐採が進み、明らかに防潮堤の工事と判明。また、海岸に面して海水取水口の延長工事もしています。地震による津波でいったん波が引くことで冷却用の海水が空にならないように取水口を沖に延ばしているのです。
原発建屋の屋上にクレーンが設置され、建屋側面に枠が組まれています。ブローアウトパネルとのこと。これは水素爆発しないように圧力を下げるため開放するドアです。現在もありますが、開けた後に閉めるのが手動になっているので、自動開閉に変更する工事です。まさしく再稼働に向け本格工事が行われています。5月くらいに、東海第二原発の周辺住民から「原発の施設が真夜中でも明かりがついていて、昼夜を問わず工事が行われている」と通報がありました。コロナウイルスの感染拡大が問題になっている最中でも、24時間体制の工事が行われています。
昨年末には、工事に携わる建設会社の事務所(3階建て)が1棟あるのを確認したのですが、今回、国道245号の沿線に大規模な工事事務所が3、4棟あり、空き地やイモ畑だった土地が作業者の駐車場になっていて400台くらいが駐車していました。東海第二原発の前の道路は、頻繁に工事車両・ダンプカーが往来し、交通量も格段に増加していました。
東海第二原発再稼働の賛否を問う県民投票条例案は県議会で否決されましたが、条例制定を求めた9万筆の力で再稼働絶対反対の闘いを進めて行きたい。
大坂選手が立ち向かうもの
東京 佐々木舜
テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手による黒人差別への抗議の意思表明が、多くの人々の心をとらえました。いちスポーツ好きとして、彼女が7月1日に米誌エスクァイアに寄稿した内容を共有し、共に考えたいと思います。
寄稿は、「記憶にある限り、人々は私が何者なのか定義するのに苦労してきた......彼女は日本人?アメリカ人?ハイチ人?黒人?アジア人?という具合に」という文章から始まります。「そう、私はそれらすべてだ」「テニスが得意だということ以外、ほかの22歳と何も変わらない。私は『大坂なおみ』だ」。これが大坂選手の答えです。
文中では、アメリカの現実が「2014年のマイケル・ブラウン氏殺害事件から、実際には何一つ変わっていない」と事実を見据えるとともに、「『人種差別主義者ではない』というだけでは足りない。反人種差別主義者でなければならない」と断言しています。
何より強調したいのは、大坂選手が決して「アメリカのひどい現実」を変えるためだけに立ち上がったのではないということです。「日本はとても均質な国だから、私にとって人種差別主義と闘うことは簡単ではない」として自らが受けたヘイト攻撃について触れた上で、「しかし、そうした人々は少数派だ」「実際には、二つの人種的ルーツをもつ人々は日本の未来だ」「少数の無知をもって多数の進歩的な人々を抑えつけることはできない」と、きっぱり述べているのです。
日本の現状をも打ち破ろうと闘う大坂選手の行動を美談で終わらせることはできません。さまざまな民族や国にルーツをもつ人々と共に私たちが暮らすこの地の日常のなかでこそ、応えていきたいと思います。
意を決して有休制度を実現
神奈川 春木一巳
「民主主義は工場の門前で立ちすくむ」
これは熊沢誠氏の著作のタイトルですが、イギリスの新左翼系労働組合指導者の言葉から引用したものであると、氏は「あとがき」に記しています。
イギリスは憲法を持たない国なので、憲法を持っている日本に引き寄せると、「憲法は工場の門前で立ちすくむ」ということになります。憲法は工場(職場)の中に通用しないことは、労働者にとっては常識だろうと思います。
私の場合は、有給休暇制度を会社に要求するのに3年くらい悶々(もんもん)としました。労働基準法39条はパート=アルバイトにも有給休暇をうたい、違反した使用者には「30万円以下の罰金又は6カ月以下の懲役」を科しているにもかかわらずです。
いざ会社に有給休暇を要求するとなると、相当の覚悟を絞り出さなければなりません。職場の仲間に相談しても、「有休は欲しいが会社からにらまれたくない」「働けるだけでありがたい」という反応でした。私ひとり、意を決して会社に要求したら、あっさりと通りましたが。
資本の重圧の結果、「労働組合」が死語になったかのような今日の状況下で、あらためて労働組合を再生する闘いには、最大級の意識性=組織性が必要です。
革共同合同・一般労組委員会論文(「前進」3148号掲載)が提起する通り、すべての職場に労働組合をつくりましょう。常任を先頭にして労働者の中に分け入り、労働組合をつくりましょう。これが改憲阻止闘争や差別排外主義との闘いの絶対的な基礎になります。