投稿 抑圧強める中国・習近平政権 モンゴル民族に同化を迫る人民をだます「脱貧困」宣伝

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週刊『前進』04頁(3163号04面03)(2020/09/28)


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 抑圧強める中国・習近平政権
 モンゴル民族に同化を迫る人民をだます「脱貧困」宣伝



(写真 モンゴル民族の言語を抹殺する中国語の強制に対し教室を飛び出して校内で抗議の声を上げる生徒たち【中国・内モンゴル自治区】)


 中国・習近平政権は、新型コロナの感染拡大に乗じて監視国家化攻撃を強めています。中国の読者からの投稿を2回に分けて掲載します。(編集局)

中国語教育を強化

 8月26日、中国・内モンゴル自治区の教育庁が新たな教材案を発表しました。自治区のモンゴル族が通う民族学校で、9月に小中学校に入学する新1年生から、国語に相当する「語文」について、従来のモンゴル語主体の教材ではなく、全国共通の教材(中国語)を使うというのです。今後2年間で政治・歴史の授業・教材も中国語に変わります。
 中国スターリン主義の支配下で、各民族間の矛盾は終始一触即発の状態です。それゆえ、憲法が規定した民族自決権・平等権を無視し、モンゴル民族のアイデンティティーを消し去ろうとする今回の行為は、中国のモンゴル民族全体の怒りを引き出しました。
 この命令の発表後、緊張と怒りの炎がたちまちモンゴル草原のあらゆる土地で燃え上がりました。興安盟(盟は内モンゴル自治区の行政単位)の27歳の羊飼いであるパト(巴托)さんは、「内モンゴル各地で少なくとも数万人が抗議しています」と言います。シリンゴル盟から来た32歳の羊飼いの胡さんは、「内モンゴルのほとんど全てのモンゴル人が今回の政策に反対しています。モンゴル人の子どもは、すでに母語を流暢(りゅうちょう)に話すことができなくなっています」と警告しました。「少数民族の言語は、数十年後には絶滅してしまう危機に瀕(ひん)しています」
 多くの親が子どもを学校から連れ戻し、家で勉強を教えています。学校で学ばせたくないからです。
 新しい教育政策が発表される前、内モンゴルではずっとバイリンガル教育が行われ、中国語の学習は小学校3年生から始まっていました。新しい教育政策は、モンゴル族人民の伝統文化を無視したため、人民の反抗の波を巻き起こしています。平等を求める抗議行動に対し、中国共産党は公式見解で「分裂をあおる」と非難しています。徹底的に反人民的な行為です。
 9月4日までに、積極的な活動家がすでに300人以上も逮捕されています。

「小康社会」は夢想

 中国共産党第18回全国大会以来、政府は「全面小康社会(ややゆとりのある社会)」をしきりに宣伝しています。偽装や洗脳、うそはさらに深まり、まるで毛沢東時代の「大躍進」のようです。中国のメディアは今年末に「小康社会を全面的に築き上げる」という神話を伝えていますが、実際の状況はどうでしょうか。
 5月28日、李克強首相は記者に「私たちの1人当たりの年収は3万元(約46万5千円)ですが、6億人の毎月の収入は1万元(約15万5千円)です」と答えました。この言葉がすでに中国共産党の夢想を完全に打ち砕いています。
 新型コロナウイルス感染症の流行後、各地の経済は萎縮しています。物価が上がる一方で人民の収入は少しも増えていません。今年は穀物の生産量が減り、食料価格も上昇しています。
 ネット上では中国共産党が「貧困人口」の減少を伝えており、「脱貧」のイメージ作りのために、各地で虚報が相次いでいます。
 経済の衰退は完全に中国資本主義の衰退を表し、アメリカ帝国主義との貿易摩擦はさらに人民を苦しめています。中国人にとって2020年の残り3カ月は「小康社会を全面的に築き上げた」といううそが暴かれるものとなるでしょう。
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