JR東日本大リストラ 1500億円カットの衝撃

週刊『前進』04頁(3162号01面04)(2020/09/21)


JR東日本大リストラ
 1500億円カットの衝撃


 JR東日本は2020年4―6月期、営業利益が単体で1470億円、連結で1783億円の大赤字に陥った。7月30日、JR東日本社長の深沢祐二が「社員の皆さんへ」と題した声明を出した。そこで深沢は、「乗客はコロナの前には戻らない」から「収入とコストの構造変革が必要」であり、「収入が戻らず、コストが下がらなければ、会社は存続できない」と叫び立てた。
 深沢はまた9月3日の記者会見で、JR東日本単体で年間1100億円、グループ全体で同1500億円のコストカットを行うと公言した。1987年4月に強行された国鉄分割・民営化以来の大リストラが、JRで始まったのだ。
 コロナ以前から経営が破綻していたJR北海道やJR四国、JR九州の現実は、民営化されたら公共交通機関としての鉄道は維持できないことを示している。こうした国鉄分割・民営化の破産が、東日本をはじめとした本州JR3社でも明らかになったのだ。
 JR東日本が18年7月に打ち出した「グループ経営ビジョン『変革2027』」は、今後、人口減少で列車の乗客が減り、JR資本が労働力を確保することも困難になるとして、鉄道事業からの脱却に資本の延命策を求めたものだった。だが、コロナによる乗客の減少は、その当時に想定されていたものより、はるかに急速に進んだ。
 国鉄分割・民営化は、国鉄の巨額の赤字を国家財政赤字に付け替えてJRから切り離した。それは、本州JR3社は必ず黒字になるという枠組みだった。これもコロナが促進した大恐慌で崩れようとしている。
 この中でJR東日本は6月、就業規則に「会社は、業務量の減少その他経営上の都合により、休業を命ずることがある」という条項を新設すると提案し、9月から改悪就業規則を発効させた。一方的な休業は、いずれは解雇に至る攻撃だ。
 国鉄分割・民営化による1047名解雇と三十数年にわたって対決してきた国鉄闘争は、解雇含みのJR大リストラとの歴史的な攻防に入った。攻撃は激しいが、そこには、徹底的に闘えばJR職場から階級的労働運動を再生できる可能性もはらまれている。
2面に続く

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