被爆者・伝承者の証言を聞いて

発行日:

週刊『前進』04頁(3159号04面02)(2020/08/31)


被爆者・伝承者の証言を聞いて


 被爆75周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会は8月5日午後、広島市内で被爆者の方を招いた「被爆体験者のお話を聞く会」、続いて「被爆体験伝承者のお話を聞く会」を開催した。参加者した愛媛と広島の労働者の感想文を掲載します。(編集局

原爆と原発の真実伝えたい
 愛媛・自治体労働者 S

 証言してくださった方、先日は貴重なお話をありがとうございました。
 私は、松山の隣町の出身です。原爆については耳にする機会は多く、子どもの頃に原爆資料館を訪ねた記憶も「恐ろしいもの」として残っていました。
 職場の労働組合の取り組みの中で、反戦・反核、平和運動は、労働者が生きていくための大事な課題だと気づくこととなり、それが運動に取り組むきっかけとなりました。
 8月6日の閃光(せんこう)と爆発、黒い雨、小学校の校庭、その後のご自身やご家族の人生......。お話をお聞きしながら、その時の情景と人々の感じた痛みや感情、言葉では表せない何とも言えない感覚を感じることとなりました。
 その後、75年の年月には、私たちが想像もできない多くの困難もあったのではないでしょうか。それを受け止め、あるいは乗り越えてこられたのではないのでしょうか。つらい記憶を思い起こされながら、私たちに戦争の真実の姿を伝えていただき、本当に感謝いたします。
 伊方原発の運転差し止め裁判にも、広島でも取り組みを進めておられ、心強く思っております。私どもも自治体で働く労働者として「住民も労働者も被ばくしてはならない」と声を上げ、愛媛県に対して速やかな廃炉と安全な管理を訴え続けています。原爆の実相と原発の真実をしっかりと伝えていきたいと思います。
 過ちは二度と起こさないよう、原発も核兵器も戦争もなく、誰もが人間らしく生きられる社会を一刻も早く実現できるよう、力を合わせていきたいと思います。
 お身体にはくれぐれもお気をつけください。またお会いできる日を楽しみにしています。

核戦争を阻むために伝える
 広島・医療労働者 K

 8月5日に被爆体験伝承者のお話を聞く会に参加しました。被爆伝承者の方は、ご自身ががんを患って助かった時に被爆伝承者の募集を目にして「私はこのために生かされた」と思ったそうです。お話は途中ユーモアを交えながら進められました。
 13歳で被爆し全身火傷(やけど)を負った女性のお話をしてくださいました。被爆したご本人が描いた絵を交え、紙芝居のように説明してくれました。とても想像しやすかったので、その分リアルさが伝わり、考えさせられました。
 原爆で全身火傷を負いながら自宅まで歩いて帰ったというお話では、地獄絵図のような光景、「水をください」という声が伝わりました。
 助かった後、体験した被爆者への差別などのお話は、現在のフクシマと同じだと感じました。
 実際に女性が避難した道のりを歩いて体験されたことも話されました。伝えることは感じること、想像して自分のこととして考えることが大切で、そのためには人と人がつながることが必要だと感じました。
 私も戦争とその惨禍である原爆の現実を伝えて、絶対反対で行動をしていくことがこれから絶対に必要であることを確信しました。現在、核戦争がいつ起きてもおかしくない状況の中でこのお話を聞けたことは重要だったと思います。
 今年の8・6ヒロシマ闘争が大成功したのは、コロナ情勢下でも8月6日は祈る日ではなく行動していく日として、全国の労働者や学生が断固としてヒロシマに結集して闘ったからです。団結してつながりを大きくしたことで、安倍政権を追い詰めています。
 絶対に改憲を止め、核も戦争もない、人間が人間らしく生きていける社会を実現するまで団結を拡大して闘っていきましょう!

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