安倍たおせ!8・15集会から

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週刊『前進』02頁(3158号02面03)(2020/08/27)


安倍たおせ!8・15集会から


 8月15日に東京・赤羽会館で開催された「安倍たおせ! 改憲NO! 8・15労働者市民のつどい」での改憲・戦争阻止!大行進神奈川呼びかけ人の野本三吉さんと動労千葉顧問の田中康宏さんの発言要旨を掲載します。(編集局)

労働組合と市民が一緒に
 改憲・戦争阻止!大行進神奈川呼びかけ人 野本三吉さん

 改憲・戦争阻止!大行進神奈川の特徴は、2015年に安保関連法案が国会で強行採決され、日本が戦争への道へ急速に進み始めるなかで、教員・元教員が行動を始めたところからスタートしたことです。テーマは「子どもたちの未来を戦争で奪うな!」です。「改憲と戦争を止める」ことが運動の中心です。
 そして、この運動を広げるため、横須賀や厚木・相模原で反基地運動をやっている方々と交流をしてきました。また、地域の医療従事者や横浜・寿町で野宿生活者支援に携わる方、関東大震災朝鮮人・中国人虐殺の真相究明を続ける方などを招き、ミニ学習会を積んでいきました。
 神奈川県の「大行進」が結成されたのは昨年3月2日です。予想以上に大勢の方々に集まっていただき、多くの方々が情勢に危機感を持っていることがわかりました。その後、6月には金平茂紀さん、9月には安田純平さんをお呼びして、会場に入りきらないほどの参加者に集まっていただきました。
 さらに運動を定着させていくために、何を原則とし、何を共通のテーマとしていくのかが、私たちの課題となりました。
 一つは、これが一番大事なことですが、自分たち一人ひとりが判断をして生きていく、行動をしていくことではないのかということです。これが一つの原則になったわけです。東日本大震災と原発事故がありました。あの時まで私たちは国の方針とか、行政、専門家をずっと信頼してきた。自分たちが考え、行動していくべきことを、いつの間にか「委託」してきた。それでは、いざとなった時に声を出せない。だから自分たちが発言をしていく。本来は、専門家も市民から話を聞き、共に考えるべきだと沖縄で学びました。
 もう一つは、一人ひとりがかけがえのない人間であるということです。非正規雇用が増え、いつでも首にする。〝替えはいくらでもいる〟と平気で言われるような構造になってきた。しかし、一人ひとりが大事な存在であることを、憲法では明確に「主権在民」と書かれている。沖縄では基地反対と言っているにもかかわらず、主権在民が無視されている。自分たちが声を上げ、まとまっていくことが大切です。
 そしてもう一つは、「いのちと暮らし」を守るということです。生きていく上で一番大事なことは、みんなが仕事をもつことです。それらは命を支えていく。医療とか福祉とか、人間の「いのち」に直接かかわる仕事は営利ではだめで、公的にして生活を保障する。医療や福祉に携わる方たちをちゃんと支えていく。そういうことをきちっと要求していかなければならない。
 その対極にあるのが戦争です。あるいは基地をつくって戦争を準備することです。「改憲・戦争を許さず、いのちを守ろう」ということも、基本的なテーマにしました。
 仕事を大事にすることは、地域の人たちが安心して生きられるようになることです。労働を大事にすることは、労働組合を大事にすることです。神奈川でも関西生コン支部を支援する会を立ち上げます。
 また暮らしを一緒に守っていくためにも町内会などではなく、協同組合とか市民組合を地域に新しく組織していくことも必要です。
 労働者と市民が一緒にやっていく。労働組合が地域のために働き、市民も労働組合を応援する。こういう活動が、地域の中で始まることがこれからの大きな方向性だと思います。

改憲・戦争うち砕く秋へ
 動労千葉顧問 田中康宏さん

 私はこの8・15の25年に渡る集会・運動に始めからかかわってきた者として、一番大きな牽引(けんいん)車となった西川重則さん、鈴木達夫先生、このお二人の遺志を継いで、戦争に絶対に反対する、憲法改悪に絶対に反対する闘いを継続することを全体の確認にしたいと思っています。
 立場は違ったと思いますが、2人に共通することが二つあったと思います。
 一つは、戦争に反対する仕事を、人間として、労働者として、人生を賭けた一番大事な仕事だと考えたということです。私もそういう風に生きていきたい。
 もう一つは、歴史の認識がいま問われているということを、2人とも本当に強く強く訴えました。
 安倍政権は、かつての侵略戦争を、あの歴史とひとつらなりにつなげて賛美している。これを倒さなければいけない。
 このコロナのなかで、日本医師会や全国の知事会が、特措法を改正して強制力を持たせることが何か国民の声であるかのように提示しています。だけど、私は歴史の岐路に立っているという認識から考えなければいけないと思います。
 安倍首相は「事態が収束した後、必ずやります」と言っている。強制力を持った特措法を作る。その議論は憲法と抵触するとなり、憲法に緊急事態条項を設けるしかないとなる。つまり、コロナ感染症拡大を利用して改憲と戦争をできる国をつくろうと、ボロボロになりながらも考えているのが今の安倍首相です。この意図を打ち砕く臨時国会の過程にしなければいけない。それがこの秋の第一の課題だと思います。
 2番目は、いまギリギリのところで持ちこたえて生きている数十万、数百万の労働者や個人事業主、中小企業が、感染症の拡大の中でせきが切れたように崩壊し始める。つまり膨大な大倒産と大失業で社会全体が崩壊し始める過程が始まると私は考えています。
 これを解決できるのは政権でも政府でもない。ましてや財界でもない。もう30年以上に及び、世の中全部を競争原理という熱湯にたたき込んで、人間にとって大事なものを全部破壊してきた。この政策を倒せるのは、私たちが本当に団結して声を上げる以外にありません。感染症がこれまでの歴史を変えてきましたが、今回、その歴史がどう変わるか何一つ決まっていません。私たちが決めるという立場に立たなければいけないと思います。

11月労働者集会へ

 3番目です。これだけの非常事態を引き起こしたのだから政府は反省するだろう----絶対にそんなことはあり得ないという立場に立ちましょう。
 安倍政権は、医療現場のストライキなどの声に押されて、医療に資金、予備費を投入することを決めました。しかし投入する先は、病院が経営破綻したときに徹底した経営改革を求める機構です。そこに支援金を投入し、病院を支配することを決めた。つまり、真逆なことが起きる。賃金を削り、もうからない医療をやめ、徹底的にそぎ落とそうとしている。この政府のもとではもう生きていけません。だから、これと改めて闘う決意を固めなければいけないと思っています。
 さて、西川さんは「戦争は国会から始まる」と言って、人生をかけて国会の監視・傍聴に時間を充てていました。私たちで言ったら労働運動が解体されたときに戦争が現実のものになる。だから絶対に労働組合を破壊させてはいけない。
 いま関西生コン支部にかけられている弾圧は、まさに戦争の始まりです。関西生コン支部は、この弾圧に対して国家賠償請求訴訟を始めました。労働組合は力を取り戻して社会を変える力にもう1回なるという挑戦として、ぜひこの裁判に集まってほしい。
 最後に、動労千葉と関西生コン支部、港合同、国鉄闘争全国運動、改憲阻止!大行進運動の呼びかけで11月1日、日比谷野外音楽堂で、この社会のあり方を本当に変えたいという思いと決意を込めた総決起集会と、改憲阻止1万人大行進集会を開催し、デモ行進を行います。どんな状況であろうと、東京とソウルを結ぶ国際共同行動としても開催したいと思っています。
 今この状況だからこそ、反転攻勢に立つことができます。だからこそ、もう一度訴えたい。「万国の労働者、団結せよ」と。私たちはその先頭に立って闘うことを決意します。

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