職場からの通信 かんぽ懲戒解雇許さぬ 郵政 静岡

週刊『前進』04頁(3157号02面03)(2020/08/24)


職場からの通信
 かんぽ懲戒解雇許さぬ
 郵政 静岡

ただの使い捨てか

 7月29日、日本郵便並びにかんぽ生命保険による保険不正販売への関与や管理責任があったとして、日本郵政グループは現場社員188人を含む573人を社内処分したと発表した。そのうち現場社員6人が懲戒解雇となった。以前、かんぽ保険販売の現場にいた私の考えを述べたいと思う。
 私は6人の現場労働者が懲戒解雇になったことに怒りがこみ上げた。この6人は、ただの使い捨てなのかと思ったくらいだ。
 保険販売の現場で「必ず1件契約をとってこい」と言われるのは昔も今も変わらないが、郵政が国営だった時代は、企業や地域など団体で加入すると割引されるとか、年に3〜4回あるキャンペーン期間中だと旅行に無料で招待してくれるなど、加入者にとっても〝うまみ〟があり、営業がやりやすかった面もある。だが、民営化されてしまい、国営だった頃の〝うまみ〟は全てなくなった。逆に会社は資料もないなかで、ただ「成績を上げろ」だの「成果を出せ」だのとパワハラがひどいものになった。若い社員を中心に耐えられなくなって退職してしまった人もいる。

あまりにも理不尽

 私が保険の現場にいた当時、管理者が労働者を出世の道具のように使っていたこともある。管理者は目標達成すればどっかの局長になれるので、各局の成績優秀者を私がいた局に異動させていたのを今でも鮮明に覚えている。今回の、懲戒解雇された6人の労働者だって無茶な募集を好き好んでやったわけがない。自分や家族の生活のためもあろうが、管理者から「あなたがいないと成績が伸びないんですよ」「頼みますよ」と言われたに違いない。今回のケースで高齢者をターゲットにおいたのは、毎月のかけ金がすごく高く、それが実績となるからだ。それが積もり積もって、今回の大問題にまで発展してしまったのだと思う。
 6人の懲戒解雇は直ちに撤回すべきだ。管理者が出世のために「頼みますよ」とか言っておきながら、今度は手のひらを返すように「あなたは懲戒解雇です」と言う。言われた労働者はどれだけ悔しい思いをしたことか。この6人には全く責任はないのだ。会社の側に立っているJP労組はこれになんの異議も唱えない。今、会社は保険の再開に向けて模索している感じだが、解雇を撤回し労働者を現場に戻すべきだ。あまりにも理不尽すぎる。
 最後になりますが、残暑が続きますので無理せずお互いに頑張りましょう。
(由利徹)
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