職場生産点から闘いを組織し 「命より金」の新自由主義倒せ 9・6革共同集会の成功かちとろう

週刊『前進』04頁(3155号03面03)(2020/08/17)


職場生産点から闘いを組織し
 「命より金」の新自由主義倒せ
 9・6革共同集会の成功かちとろう


 被爆75年の8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、被爆者を先頭とした労働者民衆の広範な怒りの声と結びついて闘いぬかれた(記事1〜3面)。コロナ情勢下で米中対立が激化し、新たな核戦争の危機が切迫する中で、広島・長崎現地の闘いと東京など全国各地の連帯行動で「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」の声が高らかに発せられた。労働者民衆の生存を脅かす資本家階級と対決し、「命を守る」立場で今と未来に責任をとれるのは労働者階級だ。トランプや安倍らを打倒し、新自由主義を終わらせよう。社会の基礎である共同性と労働組合的団結を職場・地域によみがえらせ、11月労働者集会に怒りの声を集めよう。

「黒い雨」訴訟控訴許すな

 安倍は広島の平和記念式典で「核兵器禁止条約」に触れずにペテン的な「核廃絶」「平和」を唱え、その直後に49日ぶりに行った記者会見では、敵基地攻撃能力保有について「速やかに実行に移す」と述べた。コロナ×大恐慌情勢が激化する中、米トランプ政権は対中対決のエスカレートに自身の延命をかけて核戦争も辞さない構えだが、安倍はこれと歩調をそろえる形で敵基地攻撃能力保有へ踏み込もうとしている。
 新たに84人に被爆者健康手帳の交付を命じた「黒い雨」訴訟の7・29広島地裁判決に対し、広島県・市は国の要請を受けて8月12日に控訴に踏み切った。この暴挙に、原告団と弁護団は「無念のうちに亡くなった多くの被爆者の思いを踏みにじるものだ」と激しく抗議している。今こそ被爆者の怒りと闘いを労働者階級全体で共有し、核戦争阻止の民衆総決起へと転じなければならない。
 他方で、コロナ感染者数は全世界で2千万人を突破し、日本でも増え続けている。生活や賃金への補償がない中で、多くの労働者が生きるために働かざるを得ない状況にあることが最大の原因だ。特に医療や介護の現場で、物資・人員の不足のもとでクラスターが発生している。医療の崩壊は社会全体の崩壊に直結するが、安倍や小池百合子都知事は医療崩壊を回避する手立てをとらず、さらに医療を資本の食いものにさせようとしている。都立病院の独立行政法人化はその最たるものだ。これに対しても労働組合を先頭に反撃の署名運動が拡大している。
 安倍政権のコロナ対応の犯罪性は、感染症の拡大を阻止することよりも財界や大企業の利益を守ることを優先していることにある。「Go To トラベルキャンペーン」はその典型だが、こうして感染を拡大させておきながら、安倍や小池はその責任を「夜の街」「若者」「個人の行動様式」などになすりつけるキャンペーンを繰り広げているのだ。絶対に許せない。
 労働者民衆が生きるために、「命より金もうけ」の新自由主義を今こそ終わらせなければならない。

世界中で青年の怒り噴出

 厚生労働省は7月29日時点で、コロナ感染拡大に関連した解雇や雇い止め(見込みを含む)が4万人を超えたと発表した。実際にはこの数字をはるかに上回る解雇が発生していることは明らかだ。
 コロナ感染拡大の第2波が始まる中、病院経営の赤字を理由にした医療労働者の夏の一時金がゼロまたは大幅減額され、さらなる賃下げも予想されている。他方で、東京オリンピック開催には依然として巨額の資金が注がれ、JRの主要駅などの大規模な再開発やリニア新幹線建設などの巨大事業もコロナ前と変わらずに続いている。「金も人も資本がもうけられるところにしか投じられない」という資本主義の正体が露骨に示されている。
 トヨタ自動車は今年4〜6月期決算で、第1四半期の営業利益が前年同期比98・1%減となったにもかかわらず139億円の黒字を確保したと発表した。この黒字は経済の収縮下にあって労働者に犠牲を集中した結果であり、いわば社会の発展やコロナ対応とは無縁の利益だ。さらには消費税の輸出還付金をはじめ、大企業には税金で救済される仕組みがある。自治体で叫ばれる財政難の根本的原因は、そもそも税金が労働者民衆が生きるためではなく、資本救済・国家権力維持のために使われるというブルジョア国家のあり方にこそある。問われるべきなのは「命か経済か」ではなく、「労働者民衆の生存か資本家の延命か」であり、プロレタリア革命が問題になっているのだ。
 「社会はブルジョアジーのもとでは、これ以上生きていくことはできない。ブルジョアジーの存在は、もはや社会とはあいいれない」(マルクス・エンゲルス『共産党宣言』)。この腐りきった支配を打倒する力を労働者階級が獲得すること、とりわけ職場生産点から闘いを組織することが問われている。だからこそ、資本家階級とその国家は新自由主義の出発から一貫して労働組合つぶしをねらってきたのだ。1980年代の国鉄分割・民営化、そしてこの間の全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への労組絶滅型の大弾圧はその最たるものだ。
 だが、今やコロナ情勢下でそのすべてが崩れ始めている。新自由主義のもとで生まれ育ってきた世代が世界中で立ち上がり始めている。アメリカから全世界に拡大したブラック・ライブズ・マター(BLM)運動は、そうした社会変革への根底的決起だ。香港における国家安全維持法を使った不当な弾圧は、革命を求める青年の決起と労働組合の闘いに対する、中国スターリン主義の恐怖に駆られた暴挙にほかならない。この弾圧を徹底弾劾し、香港の青年と連帯して日本でも共に闘おう。
 職場生産点における闘いと労働組合の復権を通じて、世界の労働者民衆とつながる国際連帯をつくりあげよう。

徹底議論し、党の飛躍へ

 こうした激動情勢の中で、労働者階級の党としての飛躍が改めて革共同に問われている。本紙3154号夏季アピールでの細胞・地区での討議をベースに、党がいかに飛躍するかを徹底的に議論し、その実践と変革に踏み出そう。
 「資本と非和解的に対立する革命的階級としての労働者階級とその党は、新自由主義の崩壊=資本主義の崩壊を積極的に早め、新自由主義を打倒し、資本主義を終わらせるプロレタリア革命を主体的に引き寄せなければならない」(夏季アピール)。決起を開始した労働者民衆を援助するのが労働者階級の党の任務であり、それを「現実の労働運動、階級闘争と結びつき、現実の労働者の意識と切り結んで『実際に』実践する」(同)という価値創造的な立場で担うことが核心だ。労働組合の再生や各地の大行進運動の発展、青年労働者や学生の運動体をも水路にあらゆる階層の人々と結びつこう。この闘いを通じて、革共同の労働者党としての豊かな実体をつくり出そう。
 9・6革共同集会の成功をかちとろう。階級的労働運動をよみがえらせ、新自由主義に怒るあらゆる労働者民衆と結びつくことのできる労働者階級の党への飛躍を実現しよう!

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