8・5「ヒロシマと改憲」で討論 労働者・議員・若者フォーラム

週刊『前進』04頁(3155号02面05)(2020/08/17)


8・5「ヒロシマと改憲」で討論
 労働者・議員・若者フォーラム

(写真 新たな核戦争の危機が迫る中、8月6日を翌日にひかえて「労働者、議員、若者」による真剣な討論が行われた【8月5日 広島市】)


 8月5日、広島市東区民文化センターで「8・6ヒロシマと改憲問題」と題する「労働者・議員・若者フォーラム」が開かれ、270人が集まった。新たな核戦争の危機が迫る中での「8・6ヒロシマ」を問う真剣な討論が行われた。
 最初に、8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長の宮原亮さんが「実行委員会のこの1年間の取り組みの報告」を行った。昨年10月から「拡声器規制条例に反対する有志」が集まり、広島県原水禁、平和運動センター、広島県弁護士会なども共に反対の声を上げる中で松井市長を追い込んだこと、今年4月以降は感染症対策を口実とした平和記念式典の変質と闘ってきたことを報告。「拡声器をめぐる攻防は改憲問題そのもの。広島の反核・平和運動が分裂している状況を乗り越えるために必要な過程だった」と総括した。
 続いて広島大学学生自治会の森田寛隆さんが「8・6ヒロシマの歴史」を提起。1949年の日鋼広島争議が峠三吉ら被爆青年に波及し、50年8月6日の朝鮮戦争反対・反戦反核決起につながった。そして54年のビキニ事件をきっかけに被爆者の闘いは世界に広がった。森田さんはその歴史を踏まえ「労働運動と反戦反核運動を相互促進的に発展させることが『ヒロシマを引き継ぐ』ということだ」とまとめた。
 パネラーとして、広島県内の小学校教員の平野綾子さん、広島市職員の福井利明さん、安芸太田町議会議員の大江厚子さんが登壇した。被爆者遺族(被爆2世)である平野さんは、式典への遺族としての参列を断る「案内」が広島市から送られたことに触れ、「安倍や河井は招かれて被爆者や遺族は参加を拒否される。誰のための、何のための式典なのか」と憤った。そして「コロナのもとでの改憲攻撃を許さないために新たな広島教職員100人声明をつくった」と報告し、8・6ヒロシマの闘いの継承を訴えた。
 福井さんは被爆詩人・栗原貞子の詩「生ましめんかな」を読み上げ、未来のために平和を求めて闘う姿勢こそヒロシマの自治体労働運動の原点だと紹介。「批判精神をもたず『普通に仕事をすること』がとんでもないことをやっているという自覚をなくす」と指摘し、ナチス政権下のユダヤ人大量虐殺で主導的役割を担ったアイヒマンのような存在に、公務員はなってはならないと訴えた。
 大江さんは、自治体丸ごと改憲勢力化をもくろむ安倍政権と闘う決意を表明。「保守王国」と言われながらも、広島の政界全体は9条改憲に慎重な意見が根強いこと、これを転覆するために安倍が自分に近い河井克行(広島3区)を使って大規模買収事件を起こしたことに触れ、安芸太田町という小さな自治体から国政と闘うことを誓った。
 自由討論では、動労千葉、改憲・戦争阻止!大行進神奈川、大阪都構想と闘う自治体労働者、医療労働者、学生からそれぞれ発言が続き、翌日の「8・6ヒロシマ」を反戦反核の闘いの日としてかちとる決意が会場全体にあふれた。

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