森友疑獄の主犯は安倍 赤木さんの無念を晴らそう
週刊『前進』04頁(3152号01面03)(2020/07/27)
森友疑獄の主犯は安倍
赤木さんの無念を晴らそう
森友公文書改竄事件で自死した財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻雅子さんが国と佐川宣寿・元財務省理財局長の責任を追及して起こした損害賠償請求訴訟が15日、大阪地裁で始まった。
2018年3月に自ら命を絶った赤木さんは生前、「国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っています」と語っていたという。ところが、その赤木さんに対して安倍政権と佐川らは森友学園への国有地払い下げに関する決裁文書の改竄を命令。それは、鑑定価格9億5千万円の国有地を8億円も値引きして森友学園にただ同然で売却した犯罪行為に、安倍と安倍の妻・昭恵(森友学園の名誉校長)が深く関与している証拠を消し去るためだった。
安倍は17年2月17日に国会で、「私や妻が関与していたら、首相も国会議員も辞める」と開き直った。この直後の2月26日、改竄が赤木さんに指示された。
赤木さんは上司の指示に涙を流して抵抗した。しかし、その後本省から再び強い指示があり、改竄を余儀なくされた。「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」「下っ端が責任を取らされる」と赤木さんは語っていたという。
改竄を強制された赤木さんは1年以上も良心の呵責(かしゃく)に悩んだ末命を絶った。赤木さんは、「抵抗したとはいえ、関わった者として責任をどう取るか、ずっと考えてきました。最も大切な家内を泣かせ、人生を破壊したのは本省理財局です。みんなに迷惑をお掛けしました。さようなら」と遺書に記して自死した。1年余の苦しみはどれほど深いものがあっただろうか。赤木さんは、安倍、財務相の麻生、佐川らに殺されたのだ!
雅子さんは財務省に徹底調査を要求したが一切無視された。雅子さんは、「夫が生きていたら悔しくて泣いている」と言って、3月に意を決して提訴した。15日の裁判で雅子さんは、「夫が決裁文書の改竄によって受けた心の痛みはどれだけのものだったでしょうか」「夫の残した手記は日本国民の皆さんに残した謝罪文だと思います」「国は夫の自死の真相が知りたいという私の思いを裏切り続けてきました」と意見陳述した。雅子さんの陳述の一言一句が、俊夫さんを自死に追いやり、事実を隠蔽(いんぺい)し続ける安倍と財務省幹部に対する怒りと弾劾の叫びである。
ところが許せないことに安倍政権は、今日まで一切謝罪もせず責任も取らず、俊夫さんと雅子さんの血叫びを踏みにじり、闇に葬ろうとしている。
赤木さんを自死に追い込んだ張本人である安倍は、ぬけぬけと「手記の中には私の発言がきっかけだったという記述はない」としらをきり、官房長官・菅は、「検察の捜査も行われ、すでに結論も出ている」と再調査を拒否している。
財務省の幹部も到底許せない。佐川は、赤木さんが自死した2日後に5千万円の退職金を受け取って財務省から逃亡した。さらに、改竄に関与して「処分」されたはずの財務省幹部は安倍に厚遇され次々と栄転している。また検察庁は、公文書変造容疑で告発された佐川を「起訴しない」と2度にわたって決定した。
安倍政権の下で森友・加計問題、桜を見る会、黒川検事長問題、河井克行・案里の大規模買収、持続化給付金など、あきれるほどの金権腐敗、違法無法、利権まみれの悪政が続けられている。政権と官僚、財界が一体となって権力をほしいままにし、労働者人民の血を搾り、命と暮らしを踏みにじっている。これは日本帝国主義の末期的危機と腐敗の現れだ。
この現実に立ち向かう力は、労働組合に団結して闘う中にある。もしも赤木さんの職場に闘う労働組合があれば、彼がこれほどの絶望に追い込まれることはなかったかもしれない。もうこれ以上、労働者の命を奪わせてはならない。あらゆる職場に労働組合をよみがえらせるために闘おう。