安倍への怒り解き放とう 闘う労働組合の再生をかけ 7・26国鉄闘争全国集会へ

週刊『前進』04頁(3146号01面01)(2020/07/06)


安倍への怒り解き放とう
 闘う労働組合の再生をかけ
 7・26国鉄闘争全国集会へ


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 安倍政権と小池都政への怒りを労働組合の闘いへ。新型コロナウイルスの感染者が増え続けている。にもかかわらず小池はコロナ対策の数値基準を廃止した。「緊急事態宣言時と違い、医療体制が整った」とするが、医療現場の感染対策、病床数と人員配置は今も危機的だ。都立病院の民営化方針も撤回しない。そして大量解雇・大失業が本格化している。5月の完全失業者は198万人に達し、休業者も423万人。休業補償もない、雇い止めや「自己都合退職」の強要が横行している。安倍はコロナに乗じてデジタル大合理化による雇用破壊を進めようとしている。敵基地への先制攻撃能力の保有まで言及し始めた。闘う労働組合の出番だ。7・26国鉄集会に結集しよう。

青年の歴史的決起始まる

 新自由主義が行き着いたコロナ危機と大恐慌下で階級支配の全矛盾が暴き出された。この現実に怒り、世界で日本で青年労働者を先頭に歴史的で根底的な決起が始まっている。
 「構造的な人種差別を終わらせる時だ!」。奴隷解放の記念日である6月19日、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)はアメリカとカナダ西海岸の港湾を封鎖。青年をはじめ全米で数百万人が行動に立った。
 ブレイディみかこ著のベストセラー『ワイルドサイドをほっつき歩け』(筑摩書房)では、イギリス人の「おっさん」と共に、若いおいとそのフランス人の恋人がデモのプラカードを作りながら会話する場面が出てくる。「ストライキってのは新しいと思ったんだ。わけのわからない演説とかはダサいけど、一斉に労働拒否するなんて超クール」「『ソーシャリズム(社会主義)』って書くのも格好いいかも」「労働者の連帯は国境を越える」......。
 日本でも、警察によるクルド人青年への暴行に対する渋谷署抗議行動や「外国人を殺すな! 命を守れ!」と訴える東京入管(東京出入国在留管理局)包囲デモ、6月14日の新宿デモ、渋谷デモで多くの青年が先頭に立った。コロナ下での派遣切りを許さず休業補償を求める闘いも青年労働者が中心だ。コロナ危機を革命へ! 青年を主体に全く新たな闘いの時代に突入した。労働組合の闘いが情勢を決める。労働組合の再生をかけ、7・26国鉄集会を成功させよう。

コロナに乗じた雇用破壊

 安倍政権はコロナ危機がその矛盾を暴いた新自由主義を、コロナに乗じてさらに徹底的に進めようとしている。その柱が行政の全面デジタル化を水路とする大合理化・雇用破壊と巨大利権の創出であり、マイナンバーへの全個人情報のひも付けによる監視国家化だ。
 安倍は6月22日、経済財政諮問会議で、「感染症拡大で明らかになった課題に正面から向き合う」ために行政のデジタル化が「一刻の猶予もない」と強調。来年度予算案の確定に向けた「骨太方針」の骨子案では医療や教育、仕事でのIT活用を、対面や書面を原則とする規制が妨害しているとして「変化を加速するための制度・慣行の見直し」=規制撤廃を掲げた。
 これ自体が破格の予算投入による巨大利権の創出であり、医療と教育を食い物にし、その破壊を一層進めるものでしかない。自治体の全面デジタル化・大合理化を水路に「岩盤」を崩し、労働組合を解体して、雇用破壊を社会全体に広げることが狙われている。
 26日、首相の諮問機関・地方制度調査会も「地方行政のデジタル化」を答申した。新自由主義による民営化・非正規職化、貧困の拡大が、人口減少と地方の崩壊、医療破壊とコロナ危機を重大化させた。ところが答申は、これを地方行政転換の「好機だ」と強弁。近隣の役所や病院・福祉施設をつぶして地方の衰退を加速させた「平成の大合併」の継続・拡大を求め、NPOや企業などと「公・共・私」の連携を深めることを提案した。コロナ給付金事業の電通などへの民間委託として暴かれた、巨額の税金横領システム=「公・共・私」利権をさらに拡大しようとしているのだ。
 この答申でもマイナンバー制度の活用とナンバーカードの普及拡大が掲げられた。政府が狙うのはマイナンバーと銀行口座のひも付けにとどまらない。ナンバーカードの機能をスマートフォンに入れて顔や指紋などで個人を特定する「生体認証」の導入や、学校の健康診断記録、学習管理への活用、外国人の在留カードとの一体化、運転免許証を廃止してナンバーカードに切り替えることまで言い出した。階級支配の危機の中で、国家が個人情報を一元的に監理し常時監視しようとする監視・治安国家化を許してはならない。

「敵基地攻撃」は侵略戦争

 安倍政権は労働者への雇用破壊・賃金破壊と一体で改憲・戦争へいよいよ突進しようとしている。
 安倍は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画の撤回と同時に、外交・防衛政策の基本方針としての国家安全保障戦略(NSS)の初改定を表明。敵基地攻撃能力の保有を打ち出した。他国への先制攻撃を可能とする侵略戦争遂行の兵器を公然と持つということだ。これ自体が憲法9条を葬り侵略出兵に踏み出す戦争行為そのものである。
 米中対立の激化に続いて朝鮮半島情勢が重大な危機を迎えている。6月16日には南北間の共同連絡事務所が北朝鮮当局によって爆破され、朝鮮半島の分断体制の解消をうたった2年前の合意は実質上破棄された。朝鮮半島情勢は再び一触即発の軍事的緊張状態に突入した。韓国・民主労総はこれに対し、アメリカ帝国主義の戦争政策の継続が元凶だとして、米韓軍事同盟の解体を求めている。
 一方、安倍の改憲・戦争攻撃は米帝の朝鮮侵略戦争への参戦を当面の最大の狙いとしている。朝鮮侵略戦争の「作戦計画5015」は日米共同作戦計画としてある。そこでは、①「局地挑発に対して直ちに全面戦争を発動する」、②「核・ミサイル発射の兆候があれば30分以内に先制攻撃を加える」、③キムジョンウンに対する「斬首作戦」、④「自衛隊の釜山(プサン)上陸」が列挙されている。朝鮮半島への恐るべき侵略作戦計画だ。まさにそのための先制攻撃能力保有であり、侵略戦争遂行のための兵器の保持に踏み出すということである。この暴挙を絶対に許してはならない。
 安倍はムンジェイン政権をも敵視し、韓国内の極右反共勢力と結託して、ろうそく革命の地平の反革命的転覆を狙っている。日本軍軍隊慰安婦問題や徴用工問題をめぐる激しい韓国バッシングも、一切は侵略と植民地支配の歴史を居直り、新たな侵略戦争に打って出るためだ。日本労働者階級の闘いこそが求められている。民主労総を先頭とする韓国の労働者人民と連帯し、戦争阻止、安倍打倒へ闘おう。

国鉄闘争と労働運動が輝く時だ

 コロナに乗じた雇用破壊、大量解雇・大合理化と戦争の攻撃に対し、労働組合の団結で真っ向から反転攻勢に立とう。新自由主義による国鉄分割・民営化以来の1047名解雇撤回の闘い、動労千葉を先頭とする全産別・職場での反合理化・運転保安闘争、さらに全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への組合破壊弾圧粉砕の闘いは、闘う労働組合の結集軸としていよいよ光り輝いている。
 追いつめられているのは安倍と資本の側だ。奴らに未来はない。闘う労働組合をよみがえらせよう。国鉄闘争全国運動の7・26集会に結集しよう。

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