7・2池田自衛隊国賠控訴審へ 池田頼将元3等空曹の訴え

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週刊『前進』04頁(3144号04面03)(2020/06/29)


7・2池田自衛隊国賠控訴審へ
 池田頼将元3等空曹の訴え


 イラク派兵で負傷し、その後の自衛隊による公務災害認定の遅れと打ち切りで後遺障害が発生し、パワハラによる退職強要とも闘ってきた池田頼将元3等空曹が提訴した国家賠償請求訴訟の控訴審(第1回、7月2日)に結集しよう。「池田裁判をともに闘う会」から寄せられた池田さんの訴えです。(編集局)
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 自衛隊イラク派兵の任務で負傷し、その後自衛隊からパワハラ・退職強要を受け、国家賠償裁判の控訴審を闘っている元自衛官の池田頼将です。
 昨年11月26日、名古屋地裁での判決には驚きました。「事故にあって重大な影響が出て大変ですね、でも国にはなんの責任もありませんから。裁判費用はあなたが払いなさい」というものです。7年待ってこの判決ですか。
 2006年の事故ですが、その後の自衛隊の対応に問題がなければ、これほど長期に苦しむこともなかったと思います。どんなきつい任務でも自衛隊員は上官の命には逆らえず、表立って不満も言えません。怪我(けが)をしても我慢というか、いい顔をする。そういう都合のいい写真や同僚の証言を裁判では出してきました。しかし、全部本当のことを隠蔽(いんぺい)するためのものです。仕事もできず、寝ることも、食べることも苦痛でした。また自衛隊の設備も不十分だったため、顎(あご)の損傷についてのちのちまで大きな影響が残ることになった原因を突き止めることができなかったということが真実です。
 新潟救難隊で私が後輩から暴行を受けながら、通信班をはずされてしまったこともそうです。いじめで有名な班に飛ばされて、重たい荷物を運ばされたり、日中一人で草むしりまでさせられます。ここでも、「みんな池田さんのためにしたこと」だとか「希望していたこと」のように自衛隊のうそを認める判決でした。
 もともと、私が派遣されたイラク復興支援が大きなうそでした。当時小泉政権は「非戦闘地域」での「復興支援」だから大丈夫だと言っていました。大丈夫というのは憲法違反ではない、侵略戦争への派兵ではないということです。また、自衛隊員に犠牲者を出さないということでもあったかと思います。しかし、サマワに基地をおいた陸上自衛隊も、隣のクウェートに基地をおいた航空自衛隊も、米軍と一緒に攻撃される状態になっていたのです。実際私自身も、宿舎地域での地雷の爆発などを経験しています。
 真実を隠して自衛官や労働者に「国のための犠牲になれ」という国のあり方は間違っていることを学んできました。どの国も「国益のための戦争」を正当化しようとしますが、そこにあるのは労働者や民衆の利益とはかけはなれたものです。そのため、イラク戦争やアフガニスタンでの戦争に動員されたアメリカの兵士が今なお多くの自殺者を出しつづけ、苦しんでいます。日本の自衛隊員や家族の気持ちも同じです。
 私たちの犠牲が、「愛国心」の名の下に義務化されることはあってはならないと思います。改憲で9条に自衛隊を明記することで、「自衛のため」と隊員も家族もだまして戦争に向かわせようとしてます。どこの国の労働者・市民に対しても銃を向けることを隊員は望んでいません。外に向かって戦争はしないというこれまでの約束を踏みにじる安倍政権をなんとしても倒しましょう! 控訴審へのご支援をおねがいします。
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イラク派兵で負傷、パワハラ・退職強要と闘う自衛隊国賠裁判控訴審
 7月2日(木)午後2時30分開廷/名古屋高裁1号法廷

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