7・12樫の木まつりへ 成田廃港! 市東さんの農地守ろう

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週刊『前進』04頁(3144号03面02)(2020/06/29)


7・12樫の木まつりへ
 成田廃港! 市東さんの農地守ろう


 三里塚芝山連合空港反対同盟は、7月12日に第3回「天神峰樫(かし)の木まつり」を開催することを決定し、現地への結集を呼びかけている(南台農地からデモ出発)。新型コロナ情勢のもとでNAA(成田空港会社)は未曽有の危機に陥っているが、農地強奪強制執行へ向けた敵の攻撃はやんではいない。7・12に全国から駆けつけ、労農学連帯の力で市東孝雄さんの農地を守り抜こう。

天神峰から機影と騒音が消えて

 三里塚闘争は、巨大軍事空港建設という国策を、半世紀以上にわたり実力で阻み続けている。空港敷地内に今なお農家と畑、神社、墓地などが存在し、日々生活が営まれている。こうした「未買収地」を避けながら、B滑走路の誘導路は不自然に湾曲して造られ、欠陥空港としての姿をさらしている。この現実の上にさらに無謀にも、空港機能強化策(①第3滑走路建設、②B滑走路の1千㍍延伸、③深夜・早朝の運用時間延長)が暴力的に進められようとしていた。
 そこに新型コロナ情勢が一撃し、航空需要はぱたりとやんだ。ついにB滑走路は閉鎖に追い込まれた。市東さんの家と畑を包囲し、一日中けたたましい騒音を発していた滑走路と誘導路が今完全に沈黙している。豊かな農村地域としての本来の姿が感じ取れる。周辺住民も「静かな空が戻った」と喜びを語る。
 この地に空港はいらない。7・12で機影と騒音が消えた天神峰の状況を体感し、この農地を守る決意を新たにしよう。

空港拡張計画は完全に破産した

 成田空港の危機はコロナという「偶然の災難」によるものか。いや違う。空港建設計画自身の破産だ。
 国交省は、永遠の右肩上がりの航空需要予測をもとに「成田の年間発着枠の50万回化が必要」として、機能強化策を進めてきた。しかしこの予測はただの絵に描いた餅だった。
 訪日外客数は4月が2900人、5月は1700人で過去最少。昨年5月に約76万人が来日した中国からはわずか30人。60万人だった韓国は20人。「2020年に4千万人」との目標は完全に吹き飛んだ。
 4月の成田の運用状況は国際線・国内線とも過去最低を記録した。閉鎖されているB滑走路、ターミナル、店舗などの諸施設は再開のめども立たない。主要な路線の廃止、航空会社・航空機関連産業の経営危機も相次いでいる。
 すべては最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義の破綻が生み出した結果だ。
 LCC(格安航空)に典型的に見られるように、乗客乗員の安全も健康も無視し、パイロットを酷使し機体整備要員を削減しながら、航空需要があおられてきた。安倍政権は五輪をシンボルとして、外国からの富裕な観光客が落とす金が経済繁栄の源であるかのように、観光立国政策を推進した。航空燃料を際限なく大量消費し、成田・羽田の発着枠の増加をひたすら追求してきた。だがすべては砂上の楼閣だったのだ。
 それが崩壊した契機はコロナ情勢だが、その状況に追い込んだ最深の根拠は、三里塚農民の54年の不屈の闘いにほかならない。
 農業を破壊し、立ち退き強制、騒音で住民生活を踏みにじって当然、それが公共だとNAAは強弁してきた。だが市東さんを先頭に反対同盟は、農民自身の実力をもって国家権力と非妥協に闘い、勝利の地平を切り開いてきたのだ。

「強制執行阻止」9・2東京高裁へ

 NAAの田村明比古社長は、国交省航空局長時代に羽田の国際化を進め、さらに観光庁長官として観光立国政策を指揮した張本人だ。この期に及んで田村は「機能強化はスケジュール通りやる」と述べている。絶対に許さない。
 9月2日、午前10時30分から東京高裁で、市東さんの農地強奪強制執行を阻む請求異議裁判控訴審(市東さん本人尋問)が再開される。「農地死守」の大義は一層明らかだ。NAAは市東さんの農地を奪う一切の根拠を失った。成田廃港は可能な目標としてわれわれの射程内に現れている。
 農民がつくる食料こそ、日々の健康と命(免疫力、抵抗力)の源である。三里塚の産直野菜を食べよう。7・12樫の木まつりに集まろう。

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【第3回天神峰樫の木まつり】
 7月12日(日)午後0時30分
 市東さんの南台農地集合 1時デモ出発
 1時30分~交流会
 ※飲食はありません
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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