7・26国鉄集会から労働運動再生へ 社会を壊した新自由主義は労働者の闘いで粉砕できる 職場で闘い階級的団結とり戻そう
7・26国鉄集会から労働運動再生へ
社会を壊した新自由主義は労働者の闘いで粉砕できる
職場で闘い階級的団結とり戻そう
新型コロナウイルス感染症は、新自由主義によって社会が破壊されていたことを暴いた。コロナ以前から、人間が生きていくための基盤は壊されていた。この新自由主義に対する総反撃が全世界で巻き起こっている。これに続く日本での闘いを、国鉄闘争全国運動の7・26集会からつくり出そう。
改憲叫ぶ安倍こそ監獄に
国会閉会後の6月20日、安倍はインターネット番組で改憲を声高に叫んだ。自民党総裁の任期が切れる来年9月までに、改憲のための国民投票を実施したいと述べたのだ。
河野太郎防衛相が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画停止を表明した後、安倍政権は直ちに「国家安全保障戦略」を改定する検討に入った。同計画の破綻を奇貨に「敵基地攻撃能力の保有」に踏み込むというのだ。
コロナによって全世界で戦時下さながらの死者がすでに出ている。安倍政権は、それに加え戦争の惨禍を人民に強いることで、資本主義・帝国主義を延命させようとしているのだ。
まさにこれはショック・ドクトリン=惨事便乗型資本主義そのものだ。
安倍政権の腐敗は底なしだ。公職選挙法違反で逮捕された河井克行・案里夫妻が、なりふり構わず買収工作をしていた実態が次々と明るみに出ている。
この事件の主犯は安倍だ。安倍本人が河井夫妻に1億5千万円もの資金を提供したのだ。安倍こそ、監獄にたたき込まれるべきだ。安倍とそれを取り巻く改憲勢力は金まみれの利権集団だ。戦争で利益を得るのは、まさにこうした集団だ。
公立病院を民営化するな
6月18日に告示された東京都知事選で、小池百合子現知事は真っ先に「稼ぐ東京」と言い放った。行財政改革とデジタル化を叫び、これまで以上に公共部門の民営化を推し進めようとしているのだ。その柱にあるのが都立・公社14病院の独立行政法人化だ。
安倍や小池は、医療労働者を言葉の上だけでは持ち上げる。だが、医療労働者に現に強いられているのは、夏季手当の削減をはじめとした賃金の大幅な切り下げだ。
政府予算に組まれた医療労働者への支援給付金も、事業体には支給されても現場の労働者の手には届かない。医療機関は外来患者が急減し、かつてない経営上の危機にある。コロナ対応に力を注いだところほど、経営への打撃も大きい。
医療も利潤原理に従属させられた結果、感染症への対応力は決定的に失われてきた。その事実が突き出されてなお、小池は公立病院を民営化するというのだ。
ここに示されるように、新自由主義をさらに徹底化することが、資本と支配階級の生き残り戦略だ。
これに立ち向かえるのは、労働者が労働組合に団結し、自ら資本や権力と闘うことだけだ。それだけが、労働者の生命と生活を守り、未来を切り開く力になる。
国鉄闘争全国運動が呼びかける7・26全国集会は、国鉄分割・民営化と30年以上にわたり対決してきた国鉄闘争を軸に、労働運動を本格的によみがえらせるための闘いだ。
JRと対決する動労千葉
国鉄分割・民営化は、日本における新自由主義攻撃の出発点になった。それがどれほど破綻しようと、資本は新自由主義にしがみつく以外にない。
コロナ危機が示したのは、民営化されたら公共交通は成り立たないということだ。コロナ以前からほとんどの線区が赤字だったJR北海道やJR四国はもちろん、株を上場したJR九州も、鉄道を維持できないところにたたき込まれている。本州JR3社も、乗客はコロナ以前の3〜5割にとどまり、日々の運営資金は銀行からの借り入れでまかなっている状態だ。
6月23日に行われたJR東日本の株主総会で、社長の深沢祐二は「固定費割合が大きい鉄道事業を中心に経営体質を抜本的に見直す」と表明した。これは、鉄道事業を徹底的に分社化し、その分社に労働者を転籍させて総非正規職化するという意味だ。
JR東日本が18年7月に発表した「グループ経営ビジョン変革2027」は、鉄道事業を分社化・外注化し、JR本体はスイカによる金融業と駅ビル・エキナカのテナント業・小売業で生き延びる戦略を打ち出した。その前提にあったのは、人口減少で鉄道の乗客も今後、大きく減るという認識だ。
この経営計画が策定された当時は、乗客の減少は数年かけて進むと見込まれていた。だがそれは、コロナ危機によって一気に進んだ。だからJRは、「経営ビジョン2027」に盛られた攻撃を、さらに急テンポで行う他にないのだ。
JR千葉支社は6月、京葉線の海浜幕張駅と稲毛海岸駅の業務を子会社の千葉ステーションビルに委託すると提案した。また、かねてからJR東日本ステーションサービスに外注化されていた検見川浜駅の委託先を千葉ステーションビルに変更するとした。
JR東日本はすでに、中央線の武蔵境、国立、東小金井の各駅の業務を駅ビル子会社の中央ラインモールに委託している。同様の施策を千葉でも始めたのだ。これは、安全運行の要をなす駅の役割を否定し、それをテナント業や小売業と同一視するということだ。
反撃する手がかりは必ず職場にある
コロナ感染症は何も収束していない。その中でJRが強行しようとしている以上のような施策は、労働者や乗客を感染から守ることとは真っ向から対立する。だからこそ、そこに労働者が反撃に転じる手がかりがある。
JRは車両を消毒しているかのようにマスコミに発表し、鉄道事業者の業界団体も消毒を実施するとのマニュアルを策定した。しかし現実には、外注化の結果、JRには消毒作業を実施する人員も体制もない。
予備の乗務員に、乗客の乗った列車内での「消毒作業」をさせているが、実際には大勢の乗客が乗った状態で消毒などできない。やっているように見せかけ、宣伝することが目的だ。
予備の乗務員は本来、事故などの不測の事態に対応するために配置されている。無意味な作業の強制は、鉄道の安全を損なうものだ。さらに許しがたいことに、JRはこれを「有志による自発的作業」と位置づけて何の責任も取らない。だが、実際には管理職に言われたとおりに振る舞うことを労働者に強い、「労組なき社会」づくりの手段にしているのだ。
緊急事態宣言が解除された後、JRは車両清掃を請け負うCTS(千葉鉄道サービス)に、つり革の消毒作業をようやく発注した。しかし、CTSの労働者はほとんどが非正規職で、生活もままならない低賃金を強いられている。十分な人員もいない。
きちんとした消毒作業を行うためには、非正規職を正規職化し、賃金を大幅に引き上げることが必要だ。消毒作業に伴う危険手当も支給されるべきだ。
まともな対応をとろうともしないJR―CTSと対決し、動労千葉はこうした当然の要求を掲げ、CTS幕張事業所での職場代表選挙に三度勝利した。さらに、正規職化をかちとるためには労組の力が必要だとして、この勝利を組織拡大に結び付けるための新たな闘いに入っている。
コロナ危機の中だからこそ反合理化・運転保安闘争を実践する手がかりは必ずある。そうした闘いをつなげ広げれば、労働運動は必ず再生できる。7・26国鉄集会はその出発点だ。
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国鉄1047名解雇撤回! 闘う労働組合の再生をめざす
国鉄闘争全国運動7・26全国集会
7月26日(日)午後1時30分(1時開場)
江戸川区総合文化センター大ホール(東京都江戸川区中央4―14―1)
呼びかけ/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)