辺野古工事再開を弾劾する 沖縄の怒りと連帯し安倍打倒へ

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週刊『前進』04頁(3142号03面03)(2020/06/22)


辺野古工事再開を弾劾する
 沖縄の怒りと連帯し安倍打倒へ



(写真 緊急事態宣言下で闘われた5・15沖縄闘争。辺野古新基地絶対反対を訴えて那覇市国際通りをデモする労働者・学生【5月16日】)


 防衛省沖縄防衛局は12日、名護市辺野古の新基地建設に向けた工事の再開を強行した。7日に投開票された沖縄県議選で辺野古新基地建設反対派が過半数を占めたにもかかわらず、安倍は「自民党の議席がだいぶ増えた」などと言いながら工事再開に踏み切った。これに対し、沖縄全島で怒りの声が噴出している。

県議選の5日後に民意無視した暴挙

 「工事をやめろ!」「基地建設こそ不要不急だ!」――辺野古の海上や米軍キャンプ・シュワブゲート前で怒りの声が飛ぶ中、工事が再開された。12日午後には沿岸部の埋め立て区域に土砂が投入され、ゲート前では抗議の座り込みを行う人々を警察が排除し、工事用資材を積んだダンプカーが中に入った。工事現場の作業員の新型コロナウイルス感染で4月17日に中断されて以来、57日ぶりの工事となる。15日には、名護市安和と本部港塩川地区でも土砂搬出作業が始まった。
 また10日には、石垣島の陸上自衛隊配備計画に伴う駐屯地建設工事も21日ぶりに再開された。これまで、多くの地元住民が工事の騒音に抗議してきたが、防衛局は騒音対策も騒音データの公表もせず工事を再開した。
 安倍政権は、県議選で自民党が3議席増えたことをもって、「(辺野古移設について)かなり理解が進んでいる」などと言い張り、コロナ禍に乗じて辺野古の工事も自衛隊の南西諸島配備も推し進めようとしている。だが、18年12月の土砂投入以来、ひたすら工事を進めることで「あきらめ」をまん延させようとした安倍政権のもくろみは、もはや完全に破産している。基地建設絶対反対の民意は1ミリも揺らぐことなく、むしろ安倍の卑劣なやり方は多くの人々の怒りを倍加させている。辺野古をめぐる攻防は今後、ますます非和解的に激化していく以外にない状況だ。

軟弱地盤が発覚し建設計画は大破産

 そもそも辺野古新基地建設計画は完全に行き詰まっている。埋め立てを予定する大浦湾側には面積にして66・2㌶にわたって「マヨネーズ状」と評される軟弱地盤が見つかっており、地盤改良のためには長さ70㍍の巨大な砂杭を7万1千本も海底に打ち込むという前例のない難工事が必要とされる。これに伴う設計変更で、防衛省は基地建設の総工費が9300億円(14年に試算された3500億円の約2・7倍)、地盤改良工事の終了まで4年以上かかると見込んでいるが、実際にこの工費・工期で済む根拠もない。しかも防衛省からの設計変更申請を沖縄県は承認しない方針であり、これをめぐる裁判の長期化も不可避だ。
 そして何より、今も埋め立て工事を1分1秒でも遅らせるために粘り強い座り込みや抗議闘争が続き、建設計画を日々破綻に追い込んでいる。1996年の日米合意から四半世紀近くを経て、今や辺野古新基地建設は完全に破産した。
 それでも安倍政権が絶望的な建設計画を強行するのは、基地と戦争に反対する沖縄の闘いを何としてもたたきつぶそうとしているからだ。辺野古新基地阻止闘争の勝利は、全米軍基地撤去・日米安保粉砕の闘いへ不可避的に発展し、改憲阻止・日帝打倒の突破口を開く。そのことへの恐怖が安倍を突き動かしている。
 辺野古現地闘争を支えてきた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧も、先日の武建一委員長、湯川裕司副委員長の保釈奪還をもって決定的に打ち破られつつある。闘う労働組合を中心に、今こそ本土―沖縄が一体となって、安倍打倒の巨大なうねりを巻き起こそう。

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