ゼネストへ進む香港の闘い 労組先頭に国家安全法阻止へ

週刊『前進』02頁(3141号01面03)(2020/06/18)


ゼネストへ進む香港の闘い
 労組先頭に国家安全法阻止へ

(写真 「三スト陣線」が、国民投票による全香港ストライキを訴えて記者会見。「悪法に反対する三大スト」などのボードを掲げた【6月6日 香港】)


 5月28日の中国・全人代での国家安全法制定に関する「決定」採決、また31年目の六四天安門集会への大弾圧のなか、香港の闘いは不屈に進んでいる。国家安全法に対し労働組合や学生団体がストライキで阻止する闘いがついに始まった。
 「200万人三ストライキ(労働者・学生・商店の三つのスト)労働組合連合陣線」(以下「三スト陣線」)が6月6日、国家安全法を許さない香港大ストを呼びかけた。三スト陣線は、昨年の秋以来結成された23の新組合と香港職工会連盟からなるスト(事実上のゼネスト)実現のための団体だ。
 三スト陣線は同日から街頭で会員を募集し、14日(後に20日に変更)には会員による「国民投票」を行って6万人の投票を目指すとした。6割がストを支持し、さらに8割の加盟組合が決定すれば、ストを段階的に実行する。実名投票で数をはっきりさせてストの合法性を確保し、同時に政府に民意をもって迫る。「香港人は『休日闘争』から、闘争を生活と一体化させよう」(ホテル労組・徐考澧委員長)。
 香港職工会連盟の呉敏児主席は「労働者が団結することで、最強で有力な戦線となる。さらに多くの労働組合にストに参加してほしい」と訴えている。中高生の団体も記者会見を行い、14日に中高生を対象に1万人の投票を目指して行うスト権投票で6割の賛成が得られれば本格的なストへの準備に入ると発表した。
 全香港ストライキ宣言に香港政府は、「『基本法』および一国二制度への挑戦」「学生と青年に違法活動を扇動し、多くの青年が逮捕され有罪で収監され、生涯被害を受けている」などと激甚に反応している。
 この反応は追いつめられた中国政府と香港政府の悲鳴そのものだ。労働者・学生・商店が一斉にストに立ちゼネストとなれば香港政府は機能停止に陥り、中国の香港支配は崩壊する。これを何よりも恐れている。ここに香港の労働者民衆の勝利の道がある。
 本格的デモの嚆矢(こうし)となった昨年の103万人デモから1年目の6月9日夜、労働者・学生はチャーターガーデンに集まり、新型コロナを口実とした「9人以上集合禁止」令を打ち破る実力デモに決起。警察は催涙銃を乱射し、57人余りが逮捕された。
 昼間も7カ所の商業ビルなどで「あなたと一緒にランチ」行動が行われた。
 また香港政府はこの「9人以上集合禁止」令を6月18日まで延長したが、16日には昨年同日の200万人デモを記念して学生たちがデモを予定している。7日には参加を訴える街頭宣伝が各地で行われた。12日予定の闘争1周年記念の集会・デモは変更となったが、19日夜に添馬(タマル)公園で断固開催することとなった。
 さらに昨年の11月に民主派が選挙で大勝した区議会では、6月6日に18区のうち17区議会が合同会議を開催し「国家安全法」撤回の動議を可決した。反撃は始まった。
 国家安全法反対の闘いは、これからが本番だ。香港の労働者・学生、民衆と連帯して闘い勝利しよう!

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