郵便局1万人削減許さない 現場からの訴え⑥ 1万人削減は絶対反対だ! 静岡 「人員増」こそ職場の声
週刊『前進』04頁(3140号03面04)(2020/06/15)
郵便局1万人削減許さない
現場からの訴え⑥
1万人削減は絶対反対だ!
静岡 「人員増」こそ職場の声
入力作業が増え限度超の仕事量
3月に「郵便局1万人削減案」が報道された。これに、私は絶対反対である。現場の要員を削減することなどもっての外だ。とくに郵便の内務(郵便物の仕分けなどを行う)と外務(郵便物の集荷や配達を行う)は人がいない。逆に1万人増やせが現場の《声なき声》である。
私は内務と外務を兼務しているので、まずは内務の現状について述べたい。内務の場合、8割以上が非正規職というのが実態である。私の局の内務は朝5時から勤務というのがあり、非正規職の方は生活がかかっているので必死になってやっている。仕事では、「アマゾン」だの「メルカリ」だの、バーコードをスキャン入力する必要のある物が、今は倍以上に増えた。それが何千もあるので大変である。朝、到着した物を入力して外務に引き渡すのだが、その作業を集配の労働者の始業時間ギリギリまでやっている。
外務からは「間違いが多い」だの「向きがバラバラ」だのという声が、耳にタコができるくらい聞こえてくる。だが、人が少ないためにミスが増えるのだ。管理者も見て見ぬふりだ。
そして、郵便物が内務から外務に引き渡されると、次は外務の出番である。
私は始業時間と同時に作業を開始している。私は局が行っている「朝礼」「体操」には出ない。出ると仕事に取りかかる時間が遅くなるので、管理職にそう伝え、拒否している。管理職は1度注意しただけで何も言わなくなった。
郵便物の数が減ったとかよく言われるが、外務も配達の際、「アマゾン」などバーコード入力が必要な物が多すぎる。1人でやる仕事量が限度を超えているのが実態である。管理者は「ミスするな」「誤配はするな」「交通事故は起こすな」と、言うのは楽だが、我々はスーパーマンではない。郵政職場で働いている仲間は、立場は違えど生活のために必死になって働いている。「お偉いさん方がやってみろ」と言いたい。
さらに減員なら過労で殺される
最後に、かんぽ(かんぽ生命保険)の外務の現状を報告したい。彼らは今、在宅勤務をやらされ、朝と夕方に局にメールを入れるとのことだ。新型コロナの関係で、FP(ファイナンシャル・プランナー)の試験が9月に延期となり、週に1回、自分が決めた曜日だけ出勤し、管理者と対話したり、局の入口に立ってお客さんを誘導するのが仕事の内容だと聞いている。かんぽ不正契約問題は「お偉いさん」や管理者、JP労組本部に責任があると私は思う。
最後にもう一度言いたい。1万人削減はふざけ切っている。そんなことをしたら、さらに残業が増えるばかりだ。過労で殺される。役員は全国行脚(あんぎゃ)でもして、各職場の実態を見てみろ。労働者が必死になって職場を回しているんだ。削減するなら、郵政にたくさんいる「お偉いさん」を真っ先に削減すれば良いと私は思う。
(静岡 由利徹)