障害者解放闘争を団結の要に コロナと闘う新陣形の構築を
障害者解放闘争を団結の要に
コロナと闘う新陣形の構築を
新型コロナウイルスの感染拡大で改めてはっきりさせたいことがある。感染と重篤化による犠牲者の大半は労働者階級であり、しかも高齢者、基礎疾患などなんらかの障害を持った人が最も命の危険にさらされている。コロナ危機は決して「天災・禍(わざわい)」ではなく、資本主義の生み出した人災だ。
医療崩壊の危機、コロナ危機の中で資本主義はさらに「大罪」を重ねた。「命より金」の外注化・民営化・非正規職化であり、社会保障制度の破壊の下での「命の選別、切り捨て政策」による高齢者、障害者などの抹殺だ。労働者階級と資本家階級とは一ミリも相いれない。
安倍政権はコロナ緊急事態をも機に改憲と戦争に突き進もうとしている。米帝トランプも戦争放火を強めている。彼らは自らの体制が引き起こした危機拡大と大恐慌への労働者の怒りを押し潰すためにも侵略戦争に向かおうとしている。
既成政党や体制内労組が唱える「国難」「一致団結して乗り越えよう」は無力だ。社会を変革し労働者が社会の主人公として登場することでしか解決しない。資本主義を打倒する情勢は成熟している。時代認識と路線を鮮明にさせ、共産主義の党を建設しよう。
支援法「65歳問題」を対決の核心に
八尾北医療センター労働組合や高槻医療福祉労働組合の地域医療を奪還する闘いと実践の中で、いくつかの指標をつかんできた。この闘いは障害者解放闘争の路線でもある。
第一に、労働組合の拠点を中心に新自由主義政策での住民生活切り捨て全般と対決する陣形を構築することだ。その最前線に障害者解放闘争が位置しており、あらゆる搾取、差別、抑圧されている階級・階層の普遍的解放の中軸になる。団結の要になるということだ。だからこそ労働組合がどのような路線を堅持して闘うのかが問われる。国鉄分割・民営化以来の新自由主義と対峙する中身だ。今日的には「ただちに公的病院を守れ、保健所を増やせ! 全ての公的関係機関の予算と人員を増やせ! 正規職を雇え!」の訴えに集約されている。
第二に、コロナ感染の蔓延(まんえん)は前提に社会が崩壊していたことがあげられるが、人間の歴史の中で資本主義は元から「反健康」で染まってきた特異な時代だ。労働強化で免疫・防御力を低下させ、「命より金」を強いながら生きる力を脆弱(ぜいじゃく)化させた。細菌やウイルスと「闘い」、同時に「共存」してきた人間の存在そのものを脅かすまでに行き着いた。「健康」という概念は富国強兵政策のもとで支配者によってつくられたものだが、労働者階級こそが資本主義を打倒し、生きる力として奪還しなければならない課題だ。
第三に、資本主義の共同体破壊に対して、共に生きる共同体の回復は共産主義社会でしか解決しない。労働者権力の樹立が必要だ。団結を強固にして、労組権力を行使し、職場と地域で来るべき社会の先取りの枠組みをつくる闘いに着手しよう。それが(地域)ソビエトであり、八尾北が実践している自主管理闘争である。そのもとで、食事・睡眠・運動・人と人のつながりの実践と、部落民、女性、障害者や在日・滞日外国人などが一緒になって「生きる力」を取り戻すために団結している。この闘いは地域医療を復権する闘いにもつながっている。
第四に、それらを実現する力の源は職場と地域に根ざした地区党建設にある。
障害者解放闘争を実践的に強める課題が大事だ。障害者総合支援法との対決の核心である「65歳問題」(65歳になれば障害者は介護保険に統合を強制される)をすえよう。社会保障制度の介護保険化(措置制度の破壊、外注化・民営化)との闘いであり、政府の「一億総活躍」・障害者就労の空論的動員(障害者を資本の金もうけの道具にする)に抗する闘いと一体だ。労働組合を中心にして地域の団結をさらに組織しよう。7・5集会に集まろう。
(関西 朝霧広巳)
◆
「障がい者、作業所、労働者 団結していのちを守れ 7・5集会」/7月5日(日)午後6時30分開始/八尾市文化会館プリズムホール・レセプションホール(大阪府八尾市光町2―40)/呼びかけ 障害者総合支援法反対実行委員会(連絡先:八尾北医療センター労働組合)