香港 弾圧粉砕し六四天安門集会 国家安全法阻止へ激闘続く

週刊『前進』02頁(3139号01面01)(2020/06/11)


香港
 弾圧粉砕し六四天安門集会
 国家安全法阻止へ激闘続く

(写真 ヴィクトリア公園で行われた集会。「光復香港 時代革命」の旗が翻る【6月4日 香港】)

(写真 ろうそくを掲げて旺角での集会の先頭に立つ青年たち)


 6月4日、北京・天安門広場で民主化を求める学生・労働者が大虐殺された1989年の天安門事件から31年目を迎えた。この日、香港政府の集会禁止を打ち破り、メイン会場のヴィクトリア公園をはじめ香港各地で集会、また七つの教会でミサが開催され、天安門事件の犠牲者を追悼するとともに、香港で制定されようとしている国家安全法への怒りをたたきつけた。同日、中国国歌への尊厳を守り、侮蔑行為を禁止・処罰し、学校での国歌教育を推進する「国歌条例」(以下、国歌法)が立法会(国会)で強行採決されて成立したことへの怒りの決起としても勝ち取られた。
 香港政府は、例年行われていたこの六四集会とデモを、新型コロナ感染拡大防止を口実とした「9人以上集合禁止」令によって禁止してきた。また主催団体の「香港市民支援愛国民主運動連合会」(以下、支援会)の事務局長である李卓人氏を今年に入ってから2度も連続的に逮捕・起訴するなど、国家安全法の制定と一体で六四集会への弾圧に必死になってきた。
 この6月4日の朝、インタビューを受けた李卓人氏は「逮捕される覚悟はできている」と語った。そして支援会創立時の主席であった故・司徒華氏の「闘い続けることが勝利である」との言葉を引用して、「香港にとって一番重要なことは闘い続けることだ。特に厳しい今こそ」と、弾圧と対決して六四集会を勝ち取る決意を明らかにした。
 午後5時少し前に立法会で国歌法の採決が強行された。議事進行を突然変更しての強行であり、反対派議員は、この議事運営に抗議して反対票を投じる権利さえ奪われた。この暴挙は怒りの炎に油を注いだ。
 5時28分にはヴィクトリア公園の入り口の一つに「天安門母親運動」の光がともった。中国で追悼活動を行う天安門事件犠牲者家族への連帯の表明だ。
 6時30分、ろうそくに火をともして入場が始まった。集会開始は8時。全100カ所で配布されたろうそくを手に、多くの人々がヴィクトリア公園はじめ各地の集会場所に続々と集まってくる。警察は「この集会は禁止だ。公安条例及び集合禁止令によって処罰する」と叫ぶが、膨大な数の人の流れは止まらない。
 封鎖のための柵が外され公園は人で埋まった。入りきれない人々は銅鑼(どら)湾で集会をした。ある参加者は「弾圧がひどければひどいほど、打って出て行かなければならない」、別の参加者は「来年がどうなるか誰もわからないが、私たちはあきらめてはならない」と駆けつけた思いを語っている。集会場では「六四を忘れるな」「香港を取り戻せ! 今革命を」などが叫ばれ、「香港に栄光あれ」の歌が流れた。
 8時9分、全香港で一斉に天安門事件犠牲者への1分間の黙とうが行われた。閉会を前に李卓人氏が集会宣言を読み上げた。彼は「暴政はウイルスのようだが、ろうそくを高く掲げて反暴政の光を広げよう。自由のために徹底的に闘おう」と力強く訴え、「専制政治を終わらせ、民主を打ち立てよう」とのシュプレヒコールを上げた。
 繁華街の旺角(モンコック)では集会終了後の午後9時ごろに参加者が街頭に飛び出し、道路を封鎖して政府と警察を弾劾した。警察は催涙スプレーを乱射し、少なくとも4人が逮捕された。
 今年の六四集会は、国家安全法制定の動きの中で、中国―世界の労働者・学生と連帯して、集会禁止の大弾圧を粉砕して香港全土で勝ち取られた。今後ますます激しくなる情勢のなか、不屈の闘いで香港の労働者・学生が勝てる展望を切り開いた。アメリカ・トランプ政権は中国の人権問題を口実にして制裁を強化し対中対決政策を強めているが、これは帝国主義的利害のためで、何ら香港の労働者民衆のためではない。中国スターリン主義も米帝も今こそ打倒しよう! 香港の労働者・学生とともに国際連帯で勝利しよう!

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動労千葉が連帯メッセージ

 動労千葉国際連帯委員会が6月1日に香港職工会連盟に送付した連帯メッセージを転載します。(編集局)
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国家安全法と国歌法に反対し、六四運動への弾圧を弾劾し、香港労働者民衆の闘争を支持するための動労千葉国際連帯委員会が香港職工会連盟に送る連帯の手紙

 5月28日、中国政府は全国人民代表大会で国家安全法に関する「決定」を採決し、今香港立法会で「国歌条例」を審議しています。さらに今、香港政府は六四運動への抑圧を強め、李卓人氏など民主活動家への弾圧を強めています。
 私たち動労千葉労働組合国際連帯委員会は、このような香港民衆への攻撃を弾劾し、皆さん香港の労働組合、労働者、学生、民衆の闘争を支持します。
 国家安全法と国歌法を制定して、香港政府と中国政府は香港の労働者民衆の言論、思想、自由、民主を奪い、香港での中国政府の独裁政治を樹立しようとしています。絶対にこのような暴政は許せません。
 香港政府は「集合規制令」を口実にして、6月4日のデモ行進を禁止したと言われています。同じその日に、立法会で香港政府は「国歌法」を通そうとしています。デモを禁止して悪法を通す! このような無道な政治は、ますます民衆の怒りを促し、さらに大きな運動となります。「水よく舟を乗せ、また水船を覆す」。私たちは香港の労働者民衆の運動が必ず勝利すると信じます。
 私たちは香港職工会連盟と香港市民支援愛国民主運動連合会の運動を支持します。遠い日本より、敬意と団結の意を表明します。香港労働者民衆の闘いに連帯し、支持して、私たち日本の労働者は日本でもさらに大きな労働運動を必ず発展させます。一緒にこの世界を変えましょう!
 国際連帯を強化して、世界の労働者は勝利しましょう!
 動労千葉国際連帯委員会
 2020年6月1日

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