団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3138号04面03)(2020/06/08)


団結ひろば 投稿コーナー

少女の絵が訴えかけてくる
 福島・星野文昭さんを取り戻す会 坂口郁子

 「どうぞおいで下さい。私、気にしませんから」
 新型コロナ情勢の中、支援者のお宅を訪問するのも少し気が引けていたのだが、快く招いてくれたMさん。「お待ちしていましたよ。いただいたものはみんな目を通しています。それでカンパも用意しておきましたよ」と、奥さんと二人で迎えてくださった。
 古くからのお付き合いで、一時ブランクはあったものの星野闘争で再びお話ができるようになり、絵画展や意見広告など様々な局面で協力してくださっている。Mさんは星野さんの絵が好きだ。特に沖縄の二人の少女の絵について「あの少女たちの目が私に訴えかけてくるんですよ」と話してくれた。星野さんの絵がさらに距離を縮めてくれていると実感できる。
 そして、これまでの人生の中で出会ったいろいろなことを話してくれる。全てMさんにとっての糧になったととらえる。「安倍が政治を握ったら世の中悪くなると思いましたが、本当にそうなりましたよ」。そして、「あなたに託しますよ」と星野さんの墓建立と国賠闘争へのカンパ、さらに要望書をお預かりした。
 私は、新型コロナにかまけて少し前に出るのをちゅうちょしていた自分を恥じた。こうして後押ししてくれる方々がいることを力に、改めて星野さん逝去1周年にあたり国賠・再審闘争を全力で闘いたいと思う。星野さんの遺志を引き継ぎ、誰もが人間らしく生きられる世の中の実現のために全力を尽くしたい。
 改憲と戦争に突進する安倍を政治の表舞台から引きずり降ろそう。

「前進」読者から早々カンパ
 T

 「前進」読者会の終わりに、「私は給料取りじゃないから......」とAさんが新聞代と共に、武骨な指にギュッと握った5千円札を差し出してくれました。
 後期高齢者で、ギリギリの年金生活。「夏の一時金カンパに必ず応えられるかどうかわからないから早めに出しとくよ」とのことでした。「10万円給付金もなかなか来ないけど」と苦笑い。戦後、お子さんを育てながら身を粉にして働かれてきました。「自分は大学を出ていないけれど、社会大学出身ですよ」と言うんです。
 成功も失敗も、世の中の場数だけは踏んできた。「大卒の管理者が設計図では読み取れないパイプの反り方、取り付け方などもあるもんです」
 旧知の議員が働きかけてくる日本共産党の「赤旗」か、星野さん、大坂さんの革共同の「前進」か。双方からのオルグ合戦の末、彼の選択はスターリン主義打倒の「前進」でした。場数を踏んだ目で選択してもらったことに、襟を正す思いでした。
 コロナ危機のなか、資本主義が根底から揺らぎ始めています。青年と共に、労働者の大先輩の豊かな蓄積と結合できる「前進」に向け、汗をかきたいと思います。

労働相談の街宣で手応え
 多摩連帯ユニオン書記長 加納敏弘

 5月17日、日曜日のJR八王子駅前で、労働相談の街宣を行いました。緊急事態宣言発令中ということもあって、いつもより人通りは少な目でしたが、それでも130枚の労働相談ビラがまけました。
 検察庁法改悪案の今国会での成立を阻止した直後であり、「安倍が黒川の定年を延長しようとしている一方で、非正規労働者のクビが切られる」とのアジ演説に、「そのとおり!」とうなづく労働者、いったんビラを受け取ってまた戻ってきて「もう1枚下さい」と手を差し出す労働者もいました。
 「給付金の10万円を申し込んだ」という80代の女性は、「遺族年金の20万円が唯一の収入で、食べていくだけで精一杯。給付金は最初は30万円と言っていたのに、10万円に減らされた。安倍が悪い。辞めてほしい」と言っていました。安倍への労働者の怒りを肌で感じた街宣でした。
 私たちの合同労組には、病院の分会が二つあります。A分会では、発熱した患者さんが出たためコロナ対策を申し入れたところ、管理職が「忙しくて要求に応じているヒマはない」と団交を拒否しました。B分会では、数年にわたる未払い残業代を巡って交渉していたところ、コロナ情勢をいいことに経営側が団交を事実上拒否している状態です。
 街頭でも、コロナ情勢下で、新自由主義により労働者を犠牲にする安倍政権への怒りを感じます。「労働組合に入ろう」と広く労働者に訴えると同時に、いま分会のあるところを本当の拠点にしていかなければならないと感じています。

クルド青年暴行警官を断罪
 東京 十亀トシ子

 5月30日午後、渋谷の街に「外国人差別を許すな」「差別警官を懲戒解雇しろ」の声が響き渡った。
 発端は5月22日、クルド人青年が渋谷区内を車で走行中にパトカーに追尾され、車内の捜索を要求されたことだ。青年は歯医者に行く途中だったため拒否すると、警官2人が青年を引き倒し、地面に首を押さえつけるなどの暴行を働いた。
 青年は「何もしていない。息ができないから放して」と言ったが、警察官は「なめんなよ」と恫喝。渋谷警察署の警官30人がかけつけ、車内を捜索した。
 外国人に対するこんな暴行を許すことはできないと、渋谷警察署抗議行動が呼びかけられた。5月30日午後、渋谷駅ハチ公前に100人くらいが集まった。
 被害者のクルド人青年がマイクを握った。「僕は何もしていないのに車を止めさせられ、中を捜索され、首を絞められた。友達がその様子を携帯で撮影したが、取り上げられ、画像を削除された。首を捻挫して1カ月の重傷を負った」「車に乗っていたのが白人だったら、警察官はこんなことをしなかったはずだ」
 デモが始まった。渋谷のセンター街から道玄坂、そして再び駅前に出て渋谷警察署に向かった。デモが進むごとに参加者が増え続け、200人を超える人々が渋谷警察署前を囲んだ。「暴力警官を懲戒解雇しろ!」「外国人差別を許さない!」「アメリカの闘いに続け!」「香港のように闘おう!」
 デモが終了した後も、渋谷警察署前には人々が詰めかけ、抗議行動が続いた。
 この日、当該の青年を防衛しようとクルド人青年も多数参加。約3時間に及ぶ行動は、コロナ情勢下で抑圧され続けてきた労働者民衆の怒りがほとばしったようだった。

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