郵便局1万人削減許さない 現場からの訴え⓸ 人員削減は職場を破壊する 宮城 労働者の誇りかけ闘う
郵便局1万人削減許さない
現場からの訴え⓸
人員削減は職場を破壊する
宮城 労働者の誇りかけ闘う
「物流事業」化で仕事の量は増大
3月に「郵便局1万人削減案」が報道された。郵便の現場に身を置く者として許すわけにはいかない。
なぜか。それは、あまりにも現場の状況からかけ離れた方針だからだ。今の郵便配達の現場は、労働者の超過勤務や休日買い上げでなんとか回している状態だ。私自身、19年度の超勤は335時間で集配営業部で2番目に多かった。だが、やりたくてやった超勤など一つもない。やらなければ仕事が回らず、体がへとへとになり悲鳴を上げていてもやっているのだ。
会社が「超勤削減」を言う中、現場ではそれこそ一人一人の仕事をパズルのように組み合わせて班全体の業務を回している。午前中「ゆうパック」の配達をやって午後から「通常郵便」の配達に行ったり、ひどい場合は午前10時に出勤して「通常郵便」を1区分配達し、その後「混合3号便」(夜間配達)の応援に入ったりする(この時点で超勤は確定)。そんなギリギリのやり方でやっているのだ。集配営業部の60人以上の仲間のほとんどが年間300時間以上の超勤をしている。人員削減できる状況か。どこを見てモノを言ってるんだ、と叫びたい。
郵便事業が「信書」の配達からゆうパックなどの「物流事業」へシフトチェンジしていく中、バーコード付き郵便物が増える一方だ。ここ数年で2〜3倍になっている。また「定形外郵便物」も増えている。これが何を意味するかというと、配達時に記録のため、バーコードをスキャンする、郵便受けに入らない物は「不在通知」を書き置いて持ち帰るなど、手間がかかる郵便物が増えたということだ。「通常郵便物が減った」と言われているが、逆に仕事量は増えている。それが現場労働者を苦しめているのだ。
コロナ情勢はそれに拍車をかけて、マスクなどの小物が大量に差し出され郵便局は窓口・配達の双方がパンク寸前になっている。祝日は、「メルカリ」などのフリーマーケット商品や通信販売商品が通常時の2倍も押し寄せ、休日出勤の労働者が軒並み超勤になった。人員削減できる状況じゃないだろう!
「増員しろ」こそ現場の切実な声
今現場では、1万人削減についてはほとんど話題になっていない。みんな目の前の業務をこなすことで精いっぱいで、そこまで考える余裕などないからだ。しかし、誰も削減に賛成などしていない。思っていることはみんな同じだ。「今の状況で人が減らせるの? 出来るわけないでしょ!」「こんな状況で人減らしされたら、俺たちは過労で死んでしまう!」と。
現場を破壊されることを、私たち現場労働者は決して望まない。3・11東日本大震災のときも歯を食いしばって現場を守ってきた。それが郵便労働者の誇りだ。現場からはこんな声が上がっている「簡易書留を特定記録にしろ」「配達の時間帯指定をなくせ」「増員しろ、でなきゃ体が持たない」
今こそ誰が現場を、社会を回しているのかをはっきりさせようじゃないか。1万人削減を阻むために、全国の郵便労働者はともに闘おう!
(宮城 中村淳司)
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▼簡易書留 手渡し、受領印が必要。
▼特定記録 郵便受けへの投函可能。