安倍内閣は即刻総辞職しろ 違法賭博の黒川擁護する国家権力 労組の決起で今こそ安倍を監獄へ
安倍内閣は即刻総辞職しろ
違法賭博の黒川擁護する国家権力
労組の決起で今こそ安倍を監獄へ
5月20日、安倍政権が違法な閣議決定まで行って検事総長にしようとした東京高検検事長・黒川弘務が、緊急事態宣言下の4、5月に産経新聞次長、同記者、朝日新聞幹部社員らと密室で賭けマージャンを行っていたことが週刊誌に暴露された。黒川は翌日に事実を認めて辞意を表明、森雅子法相は「掛け率のレートは高くない」などという理由で懲戒処分以前の「訓告」で済ませ、22日の閣議で黒川の辞職が早々に承認された。人を刑事訴追する「公訴権」を独占する検察組織のナンバー2が違法賭博の常習犯だと発覚しても「法務大臣」によって無罪放免にされるというのだ。この腐りきった姿に日本中で怒りの声が沸騰している。
黒川の無罪放免を許すな
検察庁法改悪案が文字通り1千万の怒りで成立断念に追い込まれたのは5月18日。それから3日もたたないうちに起きた黒川の違法賭博発覚↓辞職という事態は、本来ならただちに内閣が吹き飛んで当然の事件である。
そもそも「重大かつ困難な事案を抱えており、黒川検事長は余人をもって代え難い」などと言い張り、黒川を東京高検検事長に据え続けたのは安倍である。森友・加計疑獄も「桜を見る会」をめぐる不正・腐敗も握りつぶしてくれた黒川ならば、やはり安倍自身が「本丸」である河井克行・案里らの選挙買収事件ももみ消してくれる、という魂胆だったのだ。
「法務省から提案された人事を内閣で承認しただけだ」などという言い逃れは通用しない。法務省は、黒川が20年2月に定年となるため、19年11月時点で名古屋高検検事長の林真琴を後継人事として提案していた。これを拒否して差し戻したのは安倍官邸だ。そして、20年2月までに現職の稲田伸夫検事総長を退任させ、黒川に後を継がせるというのが官邸側のシナリオだったが、稲田が退任を拒否したため、どうしても黒川を検事総長にしたい安倍政権は違法な閣議決定で定年を延長するという暴挙に出た。こうして法律上の検察官の資格もない上、違法賭博の常習犯でもある黒川が検察組織のナンバー2に居座り続けることが可能となったのだ。これを後付けで合法化しようとしたのが検察庁法改悪案だった。
労働者人民がコロナ・緊急事態宣言で補償もないまま仕事を奪われ、雇い止めにされ、命と生活を脅かされ続けている中で、安倍は改憲に向けた自らの延命のために、コロナ禍に乗じて以上のすべてを強行しようとしたのである。だが、もはや人々は黙っていない。黒川はただちに懲戒免職され、安倍もろとも監獄にぶちこまれて当然だ。この黒川を全力で擁護し、検事総長にしようとした安倍や法相・森雅子らをはじめ、内閣は即刻総辞職しかない。
そもそも警察や検察は、労働者人民に対しては平然と「罪」をでっち上げ、起訴し、投獄している。そして黒川がやっていたように、マスコミ関係者を抱き込んででっち上げ情報を垂れ流させ、冤罪事件を量産してきたのだ。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の組合員は、労働組合法で認められたまったく当然の組合活動を口実にのべ89人も不当逮捕され、武建一委員長はすでに2年近くも不当勾留されている。この上、安倍や黒川が「おとがめなし」など、どうして認められるか!
極まる腐敗と人民の怒り
これまで安倍政権は、改憲を最終目標に、支持率維持のために株価つり上げで「好景気」を演出し、違法無法の権力犯罪の数々をもみ消してきた。だが今や、経済政策も天皇カードもオリンピックもすべて破産し、ついに墓穴を掘ったのだ。
韓国で2016年10月に始まり、パククネ前政権を完全打倒した「ろうそく革命」の端緒となったのは、パククネが自分の友人に国家の機密情報を流し、政策立案や人事まで不正に介入させていた「チェスンシル・ゲート」事件の発覚だった。これを契機に、新自由主義政策のもとで貧困と非正規雇用に追い込まれてきた労働者民衆の怒りと闘いが一気に解き放たれた。
今の日本はそれと同じような情勢にあるといっていい。検察庁法改悪案に対して元検事総長ら検察OBが前代未聞の反対意見書を提出したのも、このままでは検察や国家のインチキな「独立性」「中立性」の見せかけがはがれ落ち、本当に革命になりかねないという支配階級の動揺と分裂を示している。
今まで政治に対する意見を公然と表明していなかった膨大な人々が、SNS上での一斉発信という新たな政治的示威の形態を創造し、国家権力トップの一角を切り崩したのだ。1千万件を超えた「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートの10分の1、いや100分の1の数でも、国会や首相官邸を包囲する行動に出ればどうなるか。60年前に安倍の祖父の岸信介を包囲した60年安保闘争のような闘いがたちまち再現される。今こそ「安倍を監獄へ!」のスローガンを掲げて闘う時だ。
だが、議会内野党の立憲民主党や日本共産党、「朝日」のようなマスコミなども、「安倍批判」を口にしながらいざ安倍打倒情勢が訪れると尻込みし、「内閣不信任」の声すら上げようとしない。何よりも許しがたいのは、労働者の決起を直接に抑圧している連合をはじめとする労働組合の幹部たちだ。連合中央・自治労本部は、公務員の定年延長と抱き合わせになった検察庁法改悪に反対もしない。だが、今ほど闘う労働組合が必要とされる時代はない。この腐った労組幹部を追い出して労働組合を現場労働者の手に取り戻そう。医療労働者の安全と労働条件を保障させ、すべての労働者の賃金を補償させよう。1人の解雇も、1件の倒産も許さない、そういう労働組合の力を取り戻そう。