無実の政治囚 星野文昭さん逝去から1年 国賠に勝利し新たな闘いの発展へ 星野文昭さんを取り戻そう!全国再審連絡会議 金山克巳
無実の政治囚 星野文昭さん逝去から1年
国賠に勝利し新たな闘いの発展へ
星野文昭さんを取り戻そう!全国再審連絡会議 金山克巳
星野文昭同志は、沖縄返還協定批准阻止の1971年11・14渋谷闘争を闘い、報復弾圧による殺人罪でっち上げで無期懲役刑となった。無実なのに獄中44年を強いられ、昨年5月30日、無念にも獄中で亡くなった。1周年にあたって星野再審連絡会議の金山克巳さんから寄せられたアピールを掲載します。(編集局)
星野文昭さんの逝去から1年を迎えます。昨年5月30日夜、星野暁子さんからの電話で「文昭が亡くなった」と聞き、激しい衝撃で震えました。
40年を超える星野闘争の目的は、無実の星野さんを生きて取り戻すことにありました。全国の救援会はそのために心を一つに闘ってきました。星野さんの獄死に直面し、これからどう闘っていくか話し合い、この1年、歯を食いしばって闘ってきました。
コロナ危機と世界大恐慌の深まりは、新自由主義・資本主義の命脈が尽きていることを示しました。広範な労働者民衆の怒りの前に安倍政権は、検察庁法改悪を今国会では断念せざるを得ませんでした。同時にコロナ危機の現場・職場では、すべてを動かしているのは労働者だという自覚が広がっています。今こそ労働組合をよみがえらせ、労働者民衆の団結で社会を変える時です。
獄死の責任追及
6月22日に国賠訴訟第1回口頭弁論が開かれます。新たな星野闘争が始まります。
国賠闘争は、なぜ星野さんは獄死させられたのか、すべての真実を解明し、国(徳島刑務所と東日本成人矯正医療センター)の責任を徹底的に暴き出す闘いです。この裁判を通して引き出される怒りこそ、星野さんを殺した国家を断罪する根底的な力となります。この闘いを基軸に、大坂正明さん裁判と一体の第3次再審請求をやり抜きます。(星野さんと11・14沖縄闘争を闘った大坂さんは、でっち上げ「殺人罪」で46年も指名手配され、17年に不当逮捕されました)
昨年7月、9月、10月と3回にわたる証拠保全を行い、医療センターと徳島刑務所から大量の資料を入手しました。その結果、星野さんの獄死は殺人にも等しい国家犯罪であることが判明しました。
2018年夏、星野さんは激痛で倒れました。家族や弁護団は検査と治療を繰り返し要求しましたが、徳島刑務所は精密検査も行わずに放置し、肝臓がんを巨大化させました。
医療センターは、巨大な肝臓がん切除手術を行う体制も能力もないのに手術を強行し、大量出血によってショック状態に陥っていた星野さんをICU(集中治療室)に入れなかったばかりか、深夜数時間にわたって放置しました。翌朝5時に気付いた時には、すでに星野さんは危険な状態に陥っていたのです。
星野陣形が拡大
18年秋から昨年春にかけて、四国地方更生保護委員会における仮釈放審理は重要な段階を迎えていました。「今こそ星野さんを取り戻そう」と全国の救援会は総決起しました。香川県高松市にある四国地方更生保護委員会への星野さん解放を求める申し入れは、17年7月から13回に及びました。提出した要望書は2万人近くになりました。
3回の新聞意見広告、参議院での院内集会、国連人権理事会への通報と記者会見、高松市で全国集会を2回開催するなど、あらゆる闘いをやりました。
沖縄闘争を闘って無実なのに獄中44年、星野さんの生きざまに共感し、理不尽な国家権力の弾圧に怒りの声を上げる人々が星野闘争に続々と合流しました。動労千葉や関西生コン支部、全港湾など労働組合での取り組みも拡大しました。
改憲・戦争阻止!大行進運動を担う人々、国鉄闘争・関西生コン弾圧粉砕を闘う陣形が星野闘争を担い、星野救援運動を知った人々が11月労働者集会に参加するという相乗作用が生まれました。星野さん解放へ、闘いは大きく前進していたのです。
「1周年の集い」
文昭さんを失った悲しみの中から星野暁子さんは、「人間が人間らしく生きられる世界を呼びかけた星野精神を継承し、自分が星野文昭だという無数の隊列をつくりだし、安保・沖縄闘争を超える改憲阻止、安倍打倒の闘いをみんなの力でつくっていきましょう」と呼びかけています。私も「100万人の星野文昭をつくり出す」闘いとして、国賠を軸に新たな星野闘争を闘って行く決意です。
5・24追悼1周年集会は中止せざるを得ませんでしたが、あらためて5月30日に「星野文昭さん逝去1周年の集い」を開きます。過密を避けるために参加者は限定しますが、ここから新たな星野闘争を開始する決意です。
6・22国賠訴訟第1回口頭弁論を闘い、新たな星野闘争の発展をつくり出していきましょう。