大坂同志は無実だ! 大坂正明同志の無罪奪還へ(5) 「目撃供述」のうそを暴く大攻防

週刊『前進』04頁(3132号04面02)(2020/05/18)


大坂同志は無実だ!
 大坂正明同志の無罪奪還へ(5)
 「目撃供述」のうそを暴く大攻防


 2017年6月28日に大坂正明同志がでっち上げ「殺人罪」で起訴されてからまもなく3年になろうとしている。大坂同志と弁護団は東京地裁(刑事第4部・永渕健一裁判長)と対決し、徹底的に闘いぬいている。これまでに2回の公判前整理手続が行われた(3回目はコロナ情勢で延期、期日未定)。弁護団と裁判官・検察官による3者協議は既に25回を数え、毎回激しい攻防が繰り広げられている。

長期勾留はね返し権力圧倒

 大坂同志は第2回公判前整理手続(19年3月、非公開)で、本裁判への怒りの意見陳述書を裁判所と検察官につきつけた。「私は無実だ」と力強く宣言する大坂同志の姿に、検事も裁判官も圧倒されている。でっち上げを維持し屈服させるためだけに続けられている未決勾留は、3年の長期にわたる。接見禁止決定が続き、弁護人しか面会できない。友人や支援者が東京拘置所に花を差し入れに行っても認められない。
 今年に入り悪化した鼻ポリープによって鼻呼吸ができない状態であるにもかかわらず、東京拘置所は「ここでは手術はできない。早く『卒業』して外でやりなさい」などと医療放棄の言を吐く。身柄を拘禁し自由を奪っておきながら、病気や疾患を治療しようとしないのは人命の軽視、明々白々な人権侵害だ。
 大坂同志は4月に入って耳の不調を訴え、東京拘置所は5月7日に検査を行った。結果は「鼓膜が膨張している。鼻を治さないと耳は治らない」という。ならば、ただちに鼻の手術を行え!
 大坂同志の命と健康を絶対に守りぬこう。1971年11・14渋谷闘争を共に闘った星野文昭同志、奥深山幸男同志の闘いを引き継ぎ、沖縄闘争への政治弾圧と不屈に闘う大坂同志を奪還しよう。(奥深山同志は高崎経済大学で星野同志の後輩。11・14闘争で殺人罪をでっち上げられ、星野同志と統一公判を闘いぬいた。一審判決後に拘禁症で公判停止となるが、2017年に亡くなるまで裁判所は免訴にしなかった)

起訴取り下げ直ちに解放を

 大坂同志と弁護団は、非公開で進む裁判手続きの中、以下の主張を鮮明に突きつけ裁判所と検察を追い詰めている。
①半世紀前の事件の裁判など成り立たない!
 大坂同志は指名手配と46年にわたり闘いぬいてきた。他に類を見ない闘いの地平が、国家権力をして裁判そのものの正当性を失わせている。でっち上げ調書を強制した中津川彰・元検事の立証主旨は「何も覚えていないこと」だという。違法な取り調べの隠蔽だ。星野同志の再審で問題となった、事件現場を撮影したというニュース映像は「警察がなくしたから存在しない」と言う。弁護側が開示を求めるデモ参加者の検察官調書の多くが「ルールに則(のっと)って適切に廃棄された」という。これで裁判ができるというのか!
 事件の証人は月日の経過とともに高齢化し鬼籍に入る人も絶えない。検事が重要な証拠を「なくした」と主張する裁判など、ただちにやめろ。いますぐ大坂同志の起訴を取り下げよ。裁判所は免訴の判決を出せ。
②沖縄闘争は正義だ
 大坂同志と弁護団の堂々たる主張は、階級裁判を闘いぬく宣言だ。大坂同志の獄中アピールは、いつも沖縄民衆の闘いへの連帯が貫かれている。「人生をかけた沖縄闘争」の迫力で新たな沖縄の証人も獲得し、沖縄の闘いと一体となって権力に迫っている。
③供述調書はでっち上げ
 大坂同志が機動隊員を殴打したというのはでっち上げであるがゆえに、検事の立証構造は脆弱(ぜいじゃく)だ。見てもいないものを見たと言わされた群馬の学生4人の調書は矛盾だらけであり、「後ろ姿でわかった」という推測や「工学院大学で見た人」といった決めつけにあふれている。心理学者2人が供述を分析し、でっち上げられたものだと全面的に明らかにした意見書を提出している。
④裁判員制度と闘い国家権力を打倒する裁判
 大坂裁判は、2009年の裁判員制度開始以来初めての階級裁判だ。今や裁判員候補者の辞退率は8割に達し、制度の形骸化・破綻は明らかだ。大坂同志と弁護団を先頭に、裁判員制度を揺さぶり、労働者民衆の大結集で日帝の支配体制を根底から打ち砕く大裁判闘争としてかちとろう。
 大坂裁判は星野同志の闘いと一つだ。星野同志を獄死させた国家権力の責任を追及し打倒する国賠闘争が6月22日、第1回期日を迎える。権力への尽きない怒りを一つにして、星野・大坂の新たな闘いをつくろう。
(シリーズ終わり)

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▼大坂正明同志 1971年11・14渋谷暴動闘争戦士。殺人罪をでっち上げられ指名手配46年の上、2017年5月18日不当逮捕、起訴された。東京拘置所在監。70歳。

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