5・23狭山統一行動へ 石川一雄さんの再審無罪を

発行日:

週刊『前進』04頁(3132号04面01)(2020/05/18)


5・23狭山統一行動へ
 石川一雄さんの再審無罪を

(写真 3月22日、全国水平同盟を先頭に160人がデモで東京高裁を包囲し狭山裁判の再審開始を迫った)


 無実の石川一雄さんが不当逮捕された1963年5月23日から丸57年。埼玉県狭山市で起きた女子高校生誘拐殺人事件の犯人にでっち上げられた石川さんは、この権力犯罪を弾劾し再審無罪へ不屈に闘っている。全国水平同盟は、安倍の「自粛」強制を打ち破って全国の仲間と3・22東京高裁包囲デモに立ち、緊急事態宣言下で5・23狭山統一行動を呼びかけている。共に闘おう。呼びかけ(要旨)を紹介します。(編集局)

緊急事態宣言うち破り全国で決起を

 新型コロナ感染拡大は、資本主義と人類の存続は相いれないことを知らしめています。「命より金」の新自由主義が生み出したものは、「感染症対策」すらまともにできず、社会を崩壊的危機に陥らせてしまうことです。安倍政権は、資本家階級の延命とそのための戦争体制しか念頭になく、「緊急事態宣言」を改憲・戦争の突破口にしようとしています。これを阻止するのが労働組合や部落解放運動です。
 コロナ解雇・大失業の嵐が吹き荒れようとする今こそ、新自由主義と闘ってきた国鉄闘争を軸とする階級的労働運動の力を発揮するときです。資本と国家権力の未曽有の弾圧をはね返してきた関西生コン支部と団結し、支援陣形をさらに拡大しましょう。
 部落解放運動つぶしとの闘いもこれからです。大阪の西郡8家族への不当な架空家賃請求と更地化・八尾市丸ごと民営化との闘い、高槻の植木団地労働者・全国水平同盟高槻支部への団結破壊との闘い。京都の崇仁(すうじん)での住民追い出し・更地化との闘い。地域における現れ方は違っても、本質的に差別・分断をあおり、民営化・更地化・非正規化、改憲と戦争攻撃そのものです。狭山闘争も安倍政権の国家犯罪との闘いです。解放運動の未来をかけて安倍打倒に攻め上りましょう。

証拠ねつ造を暴き出した下山鑑定

 狭山事件の発生から57年にわたって権力犯罪を弾劾し不屈に闘い続ける石川一雄さんの部落差別を許さない怒りと闘いは、下山鑑定をかちとりました。
 下山鑑定は、インクの成分の色素分析(第1鑑定)・元素分析(第2鑑定)で、被害者の物とされた万年筆が偽物であり、ねつ造されたものであることを科学的に暴きました。それに対して検察が反論・反証できないところにまで追い込んでいます。
 今年3月の3者協議の場で、検察は下山第2鑑定への鑑定での反証を断念し、意見書のみで反論すると言い出しました。石川さんが繰り返し述べているように、下山鑑定こそ科学的な真実であり、確定判決(1974年、東京高裁・寺尾正二裁判長)を覆す最も強力な証拠であり、再審開始要件にあたる新規・明白な証拠です。

後藤裁判長の退官前再審棄却阻止を

 狭山闘争は、下山鑑定で警察、検察、裁判所という国家権力総がかりの部落差別犯罪を暴く、決定的な局面を切り開いています。しかし、この国家犯罪が暴かれることを恐れる東京高裁・後藤眞理子裁判長は、それが安倍政権の打倒に直結しかねないと、6月の退官前に事実調べも行わずに棄却、あるいは引き延ばしで逃げ切ろうとしています。絶対に許せません。
 石川さんが、2020年新年アピールで「権力の犯罪暴いた万年筆/許せぬ怒りは法廷の場で」と言っているように、絶対に再審を開始させましょう。「緊急事態宣言」を打ち破る5・23狭山全国統一行動は、安倍政権打倒の闘いそのものです。5・23闘争に総決起し、安倍政権を打倒しよう。
 後藤眞理子裁判長の退官前の再審請求棄却阻止! 東京高裁は下山鑑定の事実調べを直ちに行え! 再審を開始せよ!

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検察が反証を断念(解説)

(写真 石川一雄さん)

 これまで検察は、下山第2鑑定への反証のために、当時被害者が使っていたものと同じクロム元素を含むジェットブルーインクを探しているとしてきた。しかし、3月19日の第42回3者協議では、これを入手できなかったとして、専門家による実験などは行わず、検察官の反論意見書を出すと回答した。
 下山第2鑑定をめぐる検察の対応について、石川さんは20年新年アピールで次のように弾劾している。
 「弁護団に反証の目処(めど)を追及され、検察官は当時のジェットブルーインクを入手するまで待ってほしいと言っているそうですが、国家権力の力からみれば、事件当時、被害者が使っていたインクが見つけられない筈(はず)がありません。そもそも、下山第2鑑定の結論を検証するために、被害者が使っていたインクを探す必要はないと思います。恐らく下山第2鑑定に対して、すでにあらゆる角度から実験、鑑定を試みたと思われます。しかし、自分たちの思い描く結果が得られず、さりとて、このまま、下山鑑定を認めるわけにはいかないので、時間稼ぎをしながら、いかに難癖をつけられるか検討しているのではないか」「被害者が事件当日に書いたペン習字の浄書のインクからは、クロム元素が含まれていたのに対し、私の家から発見されたという万年筆で書いた数字のインクからはクロム元素が含まれていなかったことを下山鑑定人が明確に指摘したのです。この鑑定は、弁護団が証拠開示を求め、2016年10月に、当時、発見万年筆で書いた『数字』を含む調書が証拠開示されたことから実現しました。実に53年も検察に隠されていた証拠なのです」
 反証を放棄し反論で済ますことなど許されない。下山鑑定調べは再審開始への決定打となる。(編集局)

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5・23狭山全国統一行動
■5月22日(金)
東京高裁要請行動・裁判所前アピール行動
 午後1時~ 東京高裁前アピール行動
   2時~ 東京高裁要請行動
 主催 全国水平同盟杉並支部/部落解放東日本共闘会議
■5月23日(土)
◎都内一斉狭山アピール行動
 午後1時~3時
 JR阿佐ケ谷駅ほか
 主催 全国水平同盟杉並支部/部落解放東日本共闘会議
◎全関西狭山集会
 午後4時30分
 大阪府八尾市幸第2公園 集会後デモ
 主催 全国水平同盟・関西労働組合交流センター
◎広島狭山集会
 午後6時
 広島市いきいきプラザ(西地域交流センター)
 主催 部落解放広島共闘会議
*狭山集会は変更がありえます。各主催団体に問い合わてください。

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